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社内預金の引き出し方

ぜんたいの流れ
  1. 1退職を伝える
  2. 2返還を請求する
  3. 37日以内に返還
  4. 4入金を確認
  5. 5未払時は労基署へ
この記事の内容
  1. 社内預金は退職したら消えるのか
  2. 社内預金と財形貯蓄は何が違うのか
  3. 何日以内に返してもらえるのか
  4. 引き出す手順
  5. 返還されないときの請求文例
  6. 引き出し前に確かめることチェックリスト
  7. 利息はどうなるのか(計算例)
  8. 退職金と混同しない
  9. 会社が返還を拒む・引き延ばす場合
  10. 次にやること
  11. 出典(2026年9月16日調査)

会社に社内預金を預けたまま退職する人向け。結論から言うと、退職時に本人が請求すれば、会社は原則7日以内に全額を返す義務がある(労働基準法23条)。「退職者には返さない」「次の締め日まで待って」は法律上通らない。ここでは引き出す手順・請求の文例・返してもらえないときの動き方をまとめる。

社内預金は退職したら消えるのか

消えない。社内預金制度は、会社が労使協定を結んだうえで従業員の貯蓄金を管理する制度で、労働基準法18条2項に規定がある。退職はこの預金の権利を失わせる出来事ではなく、単に「預ける先」がなくなるだけの話。預けた元本と、契約上の利息(下限利率以上)を受け取る権利は退職後もそのまま残る。

会社によっては、退職者から言い出さない限り事務的に処理が止まったままになっているケースもある。「向こうから連絡が来るはず」と待つのではなく、自分から請求することが引き出しの第一歩になる。

社内預金と財形貯蓄は何が違うのか

名前が似ている制度に「財形貯蓄」があるが、扱いはまったく別。混同したまま手続きを進めると、窓口を間違えて時間を無駄にする。

社内預金 財形貯蓄
預け先 会社(労使協定に基づく) 銀行・証券会社など金融機関
根拠法令 労働基準法18条 勤労者財産形成促進法
退職時の扱い 会社に請求し、7日以内に返還(労働基準法23条) 金融機関で通常の解約手続き(退職で税制優遇が終わるものもある)
相談先 会社の人事・総務、応じなければ労働基準監督署 契約している金融機関

自分が預けているのがどちらの制度か分からない場合は、給与明細の控除項目名か、入社時に渡された規程類で確認する。財形貯蓄は厚生労働省の制度紹介ページで確認した内容で、一般財形・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄の3種類があり、退職により積立の要件を満たさなくなると非課税措置が続けられなくなる場合がある(厚生労働省「財形貯蓄制度」、2026年9月確認)。

何日以内に返してもらえるのか

労働基準法23条は、労働者が退職した場合、権利者からの請求があった日から7日以内に、賃金のほか積立金・保証金・貯蓄金など名称を問わず労働者の権利に属する金品を返還しなければならないと定めている。この7日は会社の都合で延ばせる規定ではない。

ポイントは「請求があった日から」という起算点にある。請求していなければこの7日のカウントは始まらないため、退職の意思を伝えるタイミングで返還請求もあわせて行っておく必要がある。

引き出す手順

  1. 退職の意思を伝える際に、社内預金の現在残高と返還の手続き方法を人事・総務に確認する
  2. 社内預金返還請求書を提出する(会社所定の様式があればそれを使う。なければ自由書式でよい)
  3. 振込先の口座情報を、退職前に会社へ書面かメールで伝える
  4. 請求書を提出した日から7日後の日付をカレンダーに入れ、その日に入金があるか確認する
  5. 通帳や証書を会社側で保管している場合は、退職日までに返却してもらい、最終残高を確認する
  6. 期日を過ぎても振込がなければ人事・総務にまず催促し、それでも動かなければ労働基準監督署に相談する

返還されないときの請求文例

期日を過ぎても振り込まれない場合に、メールや書面でそのまま使える文面。

件名:社内預金の返還について(請求)

〇〇部 〇〇様

お世話になっております。〇年〇月〇日付で退職いたしました〇〇です。

社内預金として預けておりました〇〇円について、
〇年〇月〇日に返還請求書を提出しておりますが、
本日時点で入金が確認できておりません。

労働基準法第23条により、請求日から7日以内の返還が
定められているかと存じます。つきましては、
入金予定日を〇月〇日までにご回答いただけますでしょうか。

お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

〇〇(氏名・連絡先)

送る前に、日付・金額・請求書を提出した日を実際の記録と照らし合わせてから使う。

引き出し前に確かめることチェックリスト

□ 社内預金の現在残高を給与明細や通帳、会社からの通知書で把握したか □ 返還請求書を、後から記録に残る形(書面・メール)で提出したか □ 振込先の口座情報を退職前に会社へ伝えたか □ 請求日から7日後の日付をメモし、入金を確認する日を決めたか □ 通帳・証書など会社に預けている書類があれば、返却してもらったか

利息はどうなるのか(計算例)

社内預金には、法律で定める下限利率がある(労働基準法18条4項。具体的な数値は同項に基づく省令で定められ、前年度の定期預金平均利率に応じて年度ごとに見直されるが、最低でも年0.5%(5厘)を下回らない)。厚生労働省の案内によれば、現在の下限利率は年0.5%(5厘)(厚生労働省「労働基準法に関するQ&A」、2026年9月確認)。会社が独自に設定した利率がこの下限を上回っていれば、その利率が適用される。

たとえば残高30万円を1年間預けていて、適用利率が年0.5%だった場合、 30万円 × 0.5% = 1,500円 の利息が上乗せされて返還される計算になる。 (この0.5%は、上記の現在の下限利率と同じ水準を仮置きした計算例。会社独自の設定利率がこれより高い場合は、その利率で計算し直す。実際の適用利率は、会社からの通知書や就業規則・労使協定の記載で確認する)

利息の金額自体は数千円程度のことが多く、それを理由に返還を長引かせられる筋合いはない。元本+利息をまとめて、期日内に受け取る権利がある。

なお、この利息には通常の預貯金と同じく税金がかかる。国税庁の通達(「勤務先預金等に係る少額貯蓄非課税制度の取扱いについて」昭和49年9月28日)により、社内預金(勤務先預金)の利子も少額貯蓄非課税制度(マル優)の対象に含まれており、この制度自体が利子所得を対象とするものであることから、社内預金の利子は所得税法上の利子所得として扱われる。通常の預貯金利子と同じく、原則20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税率で源泉徴収されたうえで振り込まれるのが一般的(国税庁「No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)」)。通知された金額と手元の記録に大きな差があれば、内訳を確認するとよい。

退職金と混同しない

社内預金と退職金は別の制度で、返還の根拠となる法律も異なる。社内預金は労働基準法23条により退職後7日以内に返還される金品の一つだが、退職金は会社の退職金規程・就業規則で定められた条件に基づいて支払われるもので、法律上の支払い義務や期日は会社の規程次第になる(退職金の支払いを法律で一律に義務づける規定は無く、退職手当は「定める場合に記載する事項」として就業規則に定めることとされている。労働基準法89条3号の2)。就業規則に定めがあれば、その規程が契約内容になる。

「退職金と一緒にまとめて振り込まれるはず」と思い込んで社内預金の請求を後回しにすると、7日という期限のカウントが始まらないままになる。両者は別の手続きとして、それぞれ請求・確認することが必要になる。

会社が返還を拒む・引き延ばす場合

「退職者への社内預金は次回の給与締めでまとめて処理する」「担当者が不在で分からない」といった説明で先延ばしにされることがある。気持ちとしては、辞めた会社に何度も催促の連絡をするのは気が重いもの。それでも、これは法律で7日以内と決まっている手続きであって、遠慮して引き下がる必要はない。

社内での催促に応答がない場合は、最寄りの労働基準監督署の総合労働相談コーナーに相談できる。相談は無料(厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」、2026年9月確認)。匿名で相談できるかどうかは同ページに明記が無く、「相談者のプライバシーの保護に配慮した相談対応を行う」とされているにとどまる。まずは電話や窓口で状況を伝え、必要に応じて是正勧告や助言・指導につながる流れが一般的、という点は複数の社労士・弁護士の解説記事で共通している。会社を辞めた後まで揉め事を続けたくないという気持ちはよく分かるが、自分のお金を取り戻すための手続きだと捉えて進めてよい。

次にやること

退職を会社に伝えるその場で、社内預金の残高と返還請求書の提出方法を確認する。請求書を出したら7日後の日付をカレンダーに入れ、その日に入金の有無を確認する。

出典(2026年9月16日調査)

  • e-Gov法令検索「労働基準法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049(第18条の社内預金制度の根拠、第23条の7日以内の返還義務を確認。本文の記載と一致)
  • 厚生労働省「社内預金の下限利率は何%ですか。」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyunhou_36.html(社内預金の下限利率が年0.5%(5厘)であることを確認。本文の記載と一致)
  • 厚生労働省「財形貯蓄制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106564.html(一般財形・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄の3種類であることを確認。本文の記載と一致)
  • 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html(相談無料であることと、匿名可否の明記が無く「相談者の方のプライバシーの保護に配慮した相談対応を行います」との記載にとどまることを確認。本文の記載と一致)
  • 国税庁「No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1310.htm(源泉徴収税率が20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)であることを確認。本文の記載と一致)

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退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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