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退職代行のキャンセル方法

この記事の結論
  • 退職代行のキャンセル・返金ルールは業者ごとの規約次第です(着手前後で扱いが変わる業者・常に返金しない業者の両方あり)
  • 根拠は民法651条の委任契約の任意解除ルール
  • 通信販売のクーリングオフは役務提供にあたるため対象外です
ぜんたいの流れ
  1. 1状況を整理
  2. 2着手前か後かを確認
  3. 3業者に連絡
  4. 4返金の有無を確認
  5. 5自分で退職を伝える
この記事の内容
  1. キャンセルできるかは「着手したか」で決まる
    1. 実例:ある業者の利用規約に書かれていること
  2. 自分でキャンセルする手順
    1. 自分でキャンセルする手順
  3. 業者へのキャンセル連絡文例(コピーして使える)
  4. 自分で会社に伝えるときの文例
  5. キャンセル前に確認するチェックリスト
  6. よくある質問
  7. キャンセル後、それでも代行に頼みたくなったら
  8. 次にやること
  9. 出典(2026年9月16日調査)

退職代行に申し込んだあと、「気持ちが落ち着いて自分でも言えそう」「思ったより会社が普通に対応しそう」と状況が変わることがあります。この記事は、そのときにキャンセルできるか、返金はどうなるか、何をすればいいかだけに答えます。

結論は一つです。キャンセルそのものはいつでもできますが、返金されるかどうかは「業者がもう会社に連絡したか」と「契約した業者の規約」で決まります。

こんな状態ではありませんか
  • 申し込んだあと、自分でも言えそうな気がしてきた
  • キャンセル料や返金がどうなるか分からず、連絡をためらっている
  • 業者からの連絡をこのまま無視していいのか迷っている

キャンセルできるかは「着手したか」で決まる

退職代行の契約は、法律上「委任契約」(正確には準委任契約)にあたります。委任契約は、依頼した側・受けた側のどちらからでも、いつでも解除できるのが原則です(民法651条1項)。

つまり「もうキャンセルはできません」ということ自体は、法律上は起こりません。

ただし民法651条2項には例外があります。相手方にとって不利な時期に解除した場合や、受任者(業者)の利益にもなっている委任を依頼者側から解除した場合は、損害賠償が必要になることがあります(やむを得ない事情があれば賠償は不要)。

退職代行に当てはめると、業者がすでに会社へ退職の意思を伝えたあと(着手後)のキャンセルは、業者側がすでに動いた分の「不利な時期の解除」にあたりやすく、これがキャンセル料や返金なしの根拠になります。

段階 何が起きているか 法的な位置づけ
着手前(会社にまだ連絡していない) 業者はまだ動いていない 委任の任意解除(民法651条1項)
着手後(会社に連絡済み) 業者が退職の意思を伝達済み 「不利な時期の解除」として賠償の対象になり得る(651条2項)

返金の扱いは業者によって差があります。 2026年9月に主要業者の公式規約を確認したところ、次のように分かれていました(いずれも2026年9月16日確認)。

  • 退職代行モームリ:着手前なら手数料を控除した金額を返金、着手後は原則返金なし(利用規約第9条)
  • 退職代行Jobs:着手前・着手後を問わず、依頼者都合のキャンセルは原則返金なし。返金対象は「代行サービスを利用しても退職できなかった場合」のみ(利用規約第4条)

「着手前なら一部でも返金される」とは限りません。 契約前に、自分が使う業者の規約で「いつ・いくら返金されるか」を確認してください。

なお、通信販売にはクーリングオフ制度がありません。さらに退職代行は「商品」ではなく「役務(サービス)」の提供にあたるため、通信販売にある8日間の返品ルールの対象からも外れます。つまり法律による無条件のキャンセル保護は無く、あるのは民法651条の解除権と、契約した業者の利用規約だけです。申し込む前に規約を保存しておくと、キャンセル時に迷いません。

実例:ある業者の利用規約に書かれていること

一例として、退職代行「モームリ」の利用規約第9条には、次のように書かれています(2026年9月16日確認。同社は非弁提携の疑いで運営会社社長らが逮捕・起訴されたと報道されており、本記事は同社の利用を勧める意図ではなく、条文の実例として引用する)。

  • サービスの着手前であれば、支払済み料金から各種手数料を控除した金額の返金を請求できる(第9条2項)
  • 退職を法的に終了させられなかった場合を除き、着手後は料金が返金されない(第9条1項・3項1号)
  • 有給休暇の扱いや未払賃金など、退職の意思伝達以外の事項が希望通りにならなかった場合も、料金は返金されない(第9条3項2号)

一方、退職代行Jobsの利用規約(第4条)では、依頼者都合のキャンセルはいつでもできますが、着手前・着手後を問わず料金は原則返金されません。返金されるのは「代行サービスを利用しても退職できなかった場合」だけです(2026年9月16日確認)。

条文の書きぶりは業者ごとに違います。契約時に届いたメールやマイページに、同じような「着手前」「着手後」の条項がないか探してください。

自分でキャンセルする手順

自分でキャンセルする手順

  1. 業者に「着手済みか」を確認する連絡をする(LINEか電話。まずここだけを聞く)
  2. 契約時の利用規約・キャンセル規定を読み直す(申込み時のメール・マイページに記載されていることが多い)
  3. キャンセルの意思をはっきり伝える(次の章の文例を使う)
  4. 返金の有無・金額・時期を、テキストで残る形で確認する(電話だけで済ませない)
  5. キャンセルが完了したら、自分で会社に伝えるか、他の選択肢を取るかを決める

順番を守る理由は、①と②を飛ばして③をやると、着手済みかどうかを確認しないまま「キャンセルします」とだけ伝えることになり、返金交渉の材料が無いまま話が進むためです。

業者へのキャンセル連絡文例(コピーして使える)

件名: 退職代行のご依頼キャンセルについて

◯◯様

お世話になっております。
◯月◯日に退職代行をお申込みしました◯◯(氏名)です。

大変恐縮ですが、状況が変わりましたため、
本サービスのご依頼をキャンセルさせていただきたく、ご連絡いたしました。

つきましては、下記2点をご確認いただけますでしょうか。

・現時点で、会社への連絡は着手されていますでしょうか
・キャンセルの場合、返金は可能でしょうか(可能な場合、金額と時期)

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

会社にはまだ何も伝わっていない段階なら、この1通で着手前・着手後がはっきりします。返信は、文字で残る形式(LINE・メール)で受け取ってください。電話口の「大丈夫です」だけでは、あとで金額を確認できません。

自分で会社に伝えるときの文例

キャンセルしたあと、自分で退職を伝えることに決めた場合の文例です。正社員であれば、退職の申し入れから2週間で雇用契約は終了します(民法627条1項)。会社の承諾は要りません。

◯◯部長

お疲れ様です。
折り入ってお話がありまして、少しお時間をいただけますでしょうか。

一身上の都合により、◯月◯日をもって退職させていただきたく存じます。
正式な退職届は別途提出いたします。

引き継ぎについてもご相談させてください。よろしくお願いいたします。

口頭で伝えるのが不安な場合は、この文面をそのままメールで送るか、退職届に添えて渡す形でも構いません。伝える相手は直属の上司が基本で、いきなり人事部やさらに上の役職に伝える必要はありません。

キャンセル前に確認するチェックリスト

  • □ 業者がすでに会社へ連絡したか(着手済みか)を確認したか
  • □ 契約時のメール・マイページでキャンセル・返金の条項を読み直したか
  • □ キャンセルの連絡は、あとで見返せる手段(LINE・メール)で送ったか
  • □ 返金される場合、金額と着金時期をテキストで確認したか
  • □ 自分で会社に伝える場合、いつ・誰に・何を言うかを決めたか

1つでも「まだ」があれば、そこだけ先に済ませてからキャンセルを伝えてください。

よくある質問

Q. キャンセル料を払いたくない場合はどうすればいいですか

A. 業者の規約によります。モームリのように着手前なら手数料を引いて返金する業者もあれば、Jobsのように着手前後を問わず原則返金しない業者もあります。契約時の規定を確認し、着手前のうちに連絡するのが確実です。

Q. 業者からの連絡を無視してもいいですか

A. おすすめしません。無視すると「着手した・していない」の記録が曖昧になり、あとで金額をめぐるやり取りが長引きやすくなります。自分からテキストで意思表示してください。

Q. キャンセルしたら、自分で会社に言わなければいけませんか

A. いいえ。キャンセルしたあと、そのまま在籍を続ける選択も、別の退職代行に申し込み直す選択もできます。決めるのは自分です。

キャンセル後、それでも代行に頼みたくなったら

自分で言おうとしたものの、やはり難しいと感じることもあります。その場合は、あらためて別の退職代行に相談する選択肢もあります。

次にやること

まず、契約した業者に「着手しましたか」の一言を送ってください。着手前か後かに加え、業者の規約そのものによってもキャンセル料と返金の有無が変わります。


※本記事は2026年9月時点の調査に基づく一般的な情報です。返金・キャンセルの条件は契約した業者ごとに異なるため、契約前・キャンセル前に各社の利用規約をご確認ください。会社との間で法的なトラブルに発展しそうな場合は、弁護士にご相談ください。

出典(2026年9月16日調査)

  • 民法651条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_651(委任契約は各当事者がいつでも解除できること、相手方に不利な時期の解除等では損害賠償が必要になり得ることを確認)
  • 民法627条1項(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_627(期間の定めのない雇用は解約の申し入れから2週間で終了すると定めた条文を確認)
  • 特定商取引法第15条の3(通信販売における契約の解除等) https://hourei.net/law/351AC0000000057(条文が対象を「商品又は特定権利」に限定しており、役務提供が対象外であることを確認)
  • 「通信販売はクーリング・オフできません」(国民生活センター) https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen471.html(通信販売がクーリングオフの対象外であることを確認)
  • 退職代行モームリ ご利用規約第9条 https://momuri.com/terms/(着手前・着手後で返金の扱いが異なる条項の実例として2026年9月16日に確認)
  • 退職代行Jobs 利用規約第4条 https://jobs1.jp/terms/(着手前後を問わず依頼者都合のキャンセルは原則返金しない条項の実例として2026年9月16日に確認)

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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