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退職時の健康診断結果

ぜんたいの流れ
  1. 1在職中に結果を確認
  2. 2退職前に人事へ請求
  3. 3受け取り・保管
  4. 4転職先へ提出
この記事の内容
  1. 会社は健康診断結果をどれくらいの期間保管しているのか
  2. 退職者本人が結果を請求できる根拠はあるか
  3. 退職前に確認すること(チェックリスト)
  4. 誰に確認すればいいか
  5. 請求する文例(コピーして使える)
  6. 転職先から提出を求められた場合
  7. そもそもなぜ健康診断結果を確認しておいた方がいいのか
  8. 次にやること

退職前後で「健康診断の結果、自分の手元に無いけど大丈夫だろうか」と不安なあなたへ。会社は診断結果を一定期間保管する義務があり、退職者本人も請求すれば見せてもらえる可能性が高い。この記事では、法律上の根拠と、実際に何を・誰に・どう聞けばいいかを説明する。

会社は健康診断結果をどれくらいの期間保管しているのか

会社は、定期健康診断や雇入時健康診断の結果を「健康診断個人票」という書類にまとめ、原則5年間保管する義務がある(労働安全衛生規則第51条)。この義務のもとになっているのが労働安全衛生法第66条の3(健康診断の結果の記録)だ。

つまり、在職中に受けた健康診断の記録は、退職してすぐに捨てられるものではない。「もう辞めたから資料は残っていない」という説明は、少なくとも法律上は正しくない。

項目 内容 根拠
保管する書類 健康診断個人票(様式第5号) 労働安全衛生規則第51条
保管期間 原則5年間 労働安全衛生規則第51条
保管義務の起点 個人票を作成・記載した日(実務上の一般的な扱い) 労働安全衛生規則第51条の条文には起算日を定める明文規定はない(2026年9月16日、e-Gov法令検索の条文で確認)
対象となる健診 雇入時健診・定期健診・特定業務従事者健診など 労働安全衛生法第66条(省令への委任規定)、労働安全衛生規則第43条・第44条・第45条

在職中の健康診断では、事業者は結果を「遅滞なく本人に通知」する義務も負っている(労働安全衛生法第66条の6、労働安全衛生規則第51条の4)。本来は受診した時点で本人にも結果が渡っているはずのものだ。手元の控えを紛失した、忙しくて受け取った記憶がない、という人が退職を機に「もう一度見たい」と思うケースが多い。

退職者本人が結果を請求できる根拠はあるか

会社が退職者本人に対して「原本の返却」を義務付けられているかどうか、労働安全衛生法・同規則の中に直接の規定は、今回確認した範囲では見当たらない(2026年9月16日確認)。保管義務はあくまで会社側の記録保存の話であり、「退職者に渡す義務」とは別の話だからだ。

ただし、個人情報保護法には、本人が自分に関するデータの開示を求める権利が定められている(個人情報保護法第33条・保有個人データの開示請求)。健康診断結果は本人の個人情報そのものなので、この規定に基づいて開示を請求できる可能性が高い。会社側にも、正当な理由なく開示を拒む理由は基本的に無い。

「権利として強く主張する」というより、「頼めば普通に出てくるもの」と考えて、まずは事務的に確認するところから始めるのが現実的だ。

退職前に確認すること(チェックリスト)

在職中、退職日が決まった時点で以下を確認しておくと、退職後に慌てずに済む。

  • □ 直近の定期健康診断をいつ受けたか(受診日・実施機関)を覚えているか
  • □ 結果の通知(紙・Web・メール)を受け取った記録が手元にあるか
  • □ 手元に控えが無い場合、社内の窓口(人事・総務・産業保健スタッフ)がどこか
  • □ 転職先から「前職の健康診断結果」の提出を求められているか(求められていないなら急ぐ必要は無い)
  • □ 退職日までに時間の余裕があるか(退職代行を使うなど直接連絡しづらい事情がある場合は、書類のやり取りだけ別途調整できないか)

誰に確認すればいいか

会社の規模や体制によって窓口が変わる。

会社の体制 確認先 備考
人事・総務部門がある 人事・総務担当 個人票の保管も基本ここが窓口
産業医・保健師が常駐 産業保健スタッフ 結果の医学的な内容の相談も可能
健診を外部機関に委託 委託先の健診機関 会社経由での取り寄せになることが多い(機関ごとの対応の違いをまとめた公的な統計・資料は見当たらない。2026年9月確認)
総務担当者が退職済み・不在 現在の人事責任者 退職者対応の引き継ぎ状況を確認

在職中に確認できるなら、退職日を迎える前に済ませておいた方が話が早い。退職後は会社側の窓口担当者が誰かも分からなくなりやすく、やり取りに時間がかかりがちだからだ。

特に注意したいのは、健診を外部の医療機関や健診センターに委託している会社のケースだ。この場合、結果の原本データは会社ではなく委託先が持っていることがある。会社の窓口に聞いても「委託先に確認する」というワンクッションが入る分、即日での回答は期待しにくい(所要日数についての公的な統計は見当たらない。2026年9月確認)。急ぎで必要な場合は、退職日までにどれくらい猶予があるかを先に伝えておくとやり取りがスムーズになる。

また、退職代行サービスを使って退職する場合、会社との直接連絡自体が難しくなる。健康診断結果のような事務的な書類のやり取りは、退職代行の担当者を通せば対応してもらえることが多いが、対応範囲はサービスによって異なる(各社の対応範囲を横断的にまとめた公的資料は無く、契約前に個別確認が必要。2026年9月確認)。離職票や源泉徴収票の受け取りと合わせて、必要な書類を最初にまとめて伝えておくと二度手間にならない。

請求する文例(コピーして使える)

在職中・退職後どちらでも使える、人事宛のメール文例。

件名: 健康診断結果の控えについて(お願い)

〇〇部 〇〇様

お世話になっております。〇〇です。

退職(予定日:20XX年XX月XX日)にあたり、
在職中に受診した健康診断の結果につきまして、
控えを頂戴できますでしょうか。

受診日:20XX年XX月頃(正確な日付が分かれば記載)
用途:自身の記録用(転職先への提出が必要な場合はその旨も記載)

お手数をおかけしますが、ご対応いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

〇〇

すでに退職済みで会社の担当者と連絡が取りづらい場合は、電話よりメールなど記録に残る形で問い合わせておくと、後から「言った・言わない」にならずに済む。

転職先から提出を求められた場合

転職先への入社日からさかのぼって3ヶ月以内に受けた健康診断結果があれば、それを証明する書面を提出することで、転職先での雇入時健診の該当項目を省略できる場合がある(労働安全衛生規則第43条・雇入時の健康診断の省略規定)。つまり、前職の結果が手元に無くても、転職先で改めて受診すれば済むケースが多い。前職からの取り寄せにこだわりすぎず、転職先の人事に「前職の控えが手元に無い場合はどうすればいいか」を先に聞いてしまうのも一つの方法だ。

転職先によっては、提出書類の様式を指定してくることもある。前職の健診結果をそのままコピーして渡せばいいのか、転職先指定の様式に転記し直す必要があるのかで、必要な準備が変わってくる。この点も、健診結果を請求する前に転職先へ確認しておくと、二度手間を避けられる。

なお、健康診断結果には血液検査の数値や既往歴など、機微な個人情報が含まれる。前職から受け取った結果を転職先に提出する際は、必要な項目だけを渡すのか、全項目をそのまま渡すのか、自分の判断で選べる場面もある。不安な場合は、転職先の人事担当者に「どこまでの情報が必要か」を確認してから提出するとよい。

そもそもなぜ健康診断結果を確認しておいた方がいいのか

退職や転職のタイミングでなければ、健康診断の結果をわざわざ見返すことは少ない。それでも確認しておく価値があるのは、次のような場面があるからだ。

  • 転職先の雇入時健診を省略できるかどうかの判断材料になる
  • 健康保険の切り替え(任意継続・国民健康保険)の際、持病の有無などを自分で把握しておく必要がある場面がある
  • 数年分の数値の推移(血圧・血糖値など)は、退職後に自分で健康管理を続ける上での基礎データになる

特に会社を辞めると、それまで年1回受けていた定期健康診断が無くなる。次にいつ健診を受けるかは自分で決めることになるため、直近の結果を手元に残しておくことは、退職後の健康管理の出発点としても意味がある。

次にやること

まずは在職中(または退職直後)に、人事・総務宛に上の文例でメールを1通送る。それで解決しない、返信が来ないという場合に初めて、個人情報保護法に基づく開示請求という選択肢を検討すればいい。

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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