辞めたあとまで分かる退職ガイド 辞める前の不安から、辞めたあとの手続きまで
ホーム › 簿記2級は独学で取れるか

簿記2級は独学で取れるか

この記事の結論
  • 簿記2級の合格率は統一試験で15〜24%程度で推移している(商工会議所公式データ、2026年6月・2月・2025年11月の3回分)
  • 独学に必要な学習時間の目安は、簿記未経験者で400〜500時間、簿記3級の知識がある人で250〜350時間とされる(TAC公式サイトで確認)
  • 独学の壁になりやすいのは工業簿記(2級から新しく入る範囲)と、つまずいた箇所を自分で判定できないこと
  • スクールの費用相場は通信講座で2万円台〜8万円台まで幅がある(スタディング・TAC公式サイトで確認、2026年9月時点)
  • ネット試験の受験料は5,500円+事務手数料550円(商工会議所公式サイトで確認)。統一試験の受験料は商工会議所の本部サイトに全国一律の金額記載がなく、地域の商工会議所ごとに窓口が異なる
この記事の内容
  1. 結論:まず自分の状況を3つの軸で確認する
  2. 独学に必要な学習時間はどれくらいか
  3. 独学で進める場合の教材とペース配分
  4. 独学でつまずきやすいポイント
  5. スクールを使うと何が変わるか
  6. 独学かスクールか、判断基準
  7. 受験料と試験形式(統一試験・ネット試験)
  8. 実体験について、正直に書きます
  9. 次にやること

この記事は、退職後の転職準備や在職中のキャリアアップで簿記2級を検討している人に向けて書いています。 結論から言うと、独学で取れるかどうかは「簿記3級の知識があるか」でほぼ決まります。この記事では、必要な学習時間の目安と、スクールを使ったほうがいいケースを整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 独学でどれくらい時間がかかるのか分からず、仕事や転職活動と両立できるか不安
  • スクールに申し込むべきか、参考書だけで足りるのか判断がつかない
  • 工業簿記という言葉を初めて聞いて、3級より難しそうで気後れしている

結論:まず自分の状況を3つの軸で確認する

簿記2級を独学で取れるかどうかは、才能や気合いの問題ではなく、次の3つの軸でかなり見通しが立ちます。

軸 独学が向いている スクールを検討したほうがいい
簿記3級の知識 すでに3級を持っている、または直近で学習した 簿記そのものが初めて
使える学習時間 1日1〜2時間を継続して確保できる まとまった時間が取りにくい、短期間で合格したい
つまずいたときの対処 参考書・ネット情報で自己解決できる 質問できる相手がいないと止まってしまう
ここが要点

3つとも「独学」側に当てはまるなら、独学で十分に合格を狙えます。逆に「簿記が初めて」かつ「時間が限られている」場合は、遠回りを避ける意味でスクールの通信講座を検討する価値があります。

独学に必要な学習時間はどれくらいか

資格スクールが示す目安をまとめると、必要な学習時間には次のような差があります。

前提知識 学習時間の目安 1日2時間の場合の期間目安
簿記の学習経験がない(初めて2級から始める) 400〜500時間 約6〜8ヶ月
簿記3級の知識がある 250〜350時間 約4〜6ヶ月

(出典:TAC公式サイト「簿記2級独学合格のコツと勉強法」2026年9月確認。個人差が大きいため、あくまで計画を立てる際の参考値として書いています)

ここが要点

3級から間を置かずに2級の学習を始めると、仕訳の感覚が残っているぶん立ち上がりが早くなります。逆に3級から数年空いている場合は、2級の教材に入る前に3級の復習を1〜2週間挟んだほうが結果的に早く済むことが多いです。

独学で進める場合の教材とペース配分

独学で進める場合、一般的には次の順番で学習を組み立てます。

  1. テキストで全体像をつかむ(商業簿記・工業簿記それぞれ1〜2周)
  2. 単元ごとの問題集で仕訳・計算に慣れる
  3. 過去問・予想問題を時間を計って解く(本番の制限時間内で解き切る練習)
  4. 間違えた論点だけをテキストに戻って解き直す

商業簿記だけでなく、2級から新しく加わる工業簿記の配点比重も小さくありません。テキストを最初から最後まで順番に進めるのではなく、「商業簿記と工業簿記を並行して進める」計画のほうが、直前期に工業簿記が手つかずのまま焦る事態を避けやすくなります。

独学でつまずきやすいポイント

独学で挫折する人の多くは、能力ではなく「詰まった場所で止まってしまう」ことが原因です。具体的には次の3つが挙げられます。

  • 工業簿記への切り替え。 商業簿記(仕訳の積み上げ)とは考え方が異なり、原価計算の図(ボックス図・シュラッター図など)に慣れるまで時間がかかります。ここで止まって学習全体が止まる人が多い論点です
  • 連結会計・税効果会計などの応用論点。 出題範囲に含まれる年度・回によって難易度の振れ幅が大きく、参考書の説明だけでは理解しづらいことがあります
  • 間違えた理由が分からないまま次に進んでしまう。 「答えは合っているが、たまたま合っただけ」という状態に自分で気づきにくいのが独学の弱点です
ここが要点

独学を続ける場合でも、SNSやQ&Aサイトで同じ論点に詰まっている人の質問と回答を検索する、という手はあります。ただし情報の正確さにばらつきがあるため、最終的には公式テキスト・問題集の記述に立ち返って確認することをおすすめします。

スクールを使うと何が変わるか

スクールを使う最大のメリットは、「どこでつまずいているか」を質問できる仕組みがあることです。独学で1週間止まっていた論点が、講師への質問1回で解決することもあります。

通信講座の費用相場は、調べた範囲では次のような幅がありました(※2026年9月時点の調査。最新価格・キャンペーンの有無は各社公式サイトで確認してください)。

価格帯の目安 特徴
2万円前後〜 Web動画中心、通信特化型でテキスト・サポートを絞った価格重視のコース(例:スタディング簿記2級講座、一括19,800円)
4〜6万円台 大手予備校の通信・映像講座。質問対応やスケジュール管理のサポートが付くことが多い
8万円台〜 通学も選べる大手スクールの総合コース(例:TAC簿記2級合格本科生 DVD通信講座テキストあり、キャンペーン価格89,000円)
ここが要点

値段が高いほど合格しやすいわけではありません。「質問できるサポートが自分に必要か」「動画だけで理解できるタイプか」を基準に選ぶほうが、価格帯だけで選ぶより失敗しにくいです。

なお、在職中・離職後の条件によっては、指定された講座を受講すると教育訓練給付金で受講費用の一部が戻る場合があります。制度の詳しい条件は別記事プログラミングスクールで教育訓練給付金が使える講座で解説した3制度と同じ枠組みで、簿記講座にも対象になり得るものがあります。申し込む前に、厚生労働省の教育訓練給付金講座検索システム(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/)で講座名を検索して確認してください。

独学かスクールか、判断基準

ここまでの内容を整理すると、判断の分かれ目は次のようになります。

状況 おすすめ
3級知識があり、1日1〜2時間を継続できる 独学(市販テキスト+問題集で十分狙える)
簿記が初めて、かつ半年以内に合格したい スクールの通信講座を検討
独学を始めたが工業簿記で1週間以上止まっている 単発の質問サービスや講座への切り替えを検討
転職・退職のタイミングに合わせて期限が決まっている スクールでスケジュール管理してもらう

受験料と試験形式(統一試験・ネット試験)

簿記2級には、年3回(6月・11月・2月)実施される統一試験(ペーパー方式)と、テストセンターで随時受けられるネット試験(CBT方式)の2つの受験方法があります。ネット試験は空きがあれば自分の都合で日程を選べるのが特徴です。

直近の統一試験の合格率は、商工会議所の公式データによると次のとおりでした。

回 実施日 合格率
第173回 2026年6月14日 15.1%
第172回 2026年2月22日 15.1%
第171回 2025年11月16日 23.6%

(出典:商工会議所の検定サイト「簿記2級受験者データ(統一試験)」https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class2、2026年9月2日確認)

簿記2級は相対評価(上位◯%が合格)ではなく、100点満点中70点以上を取れば合格する絶対評価の試験です。回によって合格率が上下するのは、その回の出題の難易度によるところが大きいとされています。

受験料は、試験方式によって確認できた内容が異なります。

ネット試験(CBT方式)は、商工会議所の公式サイトに「2級:5,500円(消費税込)」「事務手数料550円(消費税込、インターネット申込方式の場合)」と明記されています(商工会議所の検定試験公式サイト、2026年9月確認)。会場に直接問い合わせて申し込む方式では、事務手数料が0円〜と受験するネット試験施行機関によって異なる場合もあります。

一方、統一試験(ペーパー方式)の受験料は、商工会議所の本部サイトに全国一律の金額の記載がありませんでした。統一試験は各地の商工会議所が窓口となって運営しており、たとえば東京23区では2級・3級の統一試験そのものを受け付けておらず、ネット試験のみとなっています(東京商工会議所の公式サイト、2026年9月確認)。つまり、統一試験は地域ごとに運営の実態が異なり、全国共通の金額が公表されていないのが実情です。申し込み前に、受験を予定している商工会議所の窓口で最新の金額を確認してください。

実体験について、正直に書きます

私の場合

正直に書きます。私自身は2026年6月末に前職を会社都合退職し、ハローワークで求職申込みと失業保険(基本手当)の手続きは経験していますが、簿記2級を受験した経験、および職業訓練としての簿記講座を受講した経験はありません。

そのため、この記事の学習時間・スクール比較の部分は、複数の資格スクールが公開している情報を整理したものです。一方で、ハローワークの窓口は制度・目的ごとに担当が分かれていて、聞きたいことを最初にはっきり伝えないと別の窓口に案内されることがある、という実感はあります。簿記講座について教育訓練給付金の相談をする場合も、「求職相談の窓口」と「教育訓練給付の窓口」は別だと思って、最初から目的を伝えることをおすすめします。

次にやること

まず、簿記3級の知識があるかどうかを自分で確認してください。 3級のテキストを開いて仕訳がすぐ思い出せるなら独学で十分に狙えます。ゼロから2級を始める場合、あるいは半年以内という期限がある場合は、通信講座の無料体験や資料請求で「自分に合った教材か」を確認してから始めるほうが、遠回りを避けられます。


※本記事は2026年9月時点で確認できた商工会議所の公式データと、各資格スクールが公開する一般的な情報、筆者個人の体験に基づくものです。学習時間には個人差があり、受験料・講座費用は変更される場合があります。申し込み前に、受験を予定している商工会議所・各スクールの公式サイトで最新情報を確認してください。

出典 - 商工会議所の検定試験「簿記2級受験者データ(統一試験)」https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class2 (2026年9月2日、WebFetchで原文を確認) - 商工会議所の検定試験「日商簿記検定試験(2級・3級・簿記初級・原価計算初級)ネット試験について」https://www.kentei.ne.jp/33013 (2026年9月2日確認。ネット試験の受験料・事務手数料を記載) - 東京商工会議所検定サイト「試験要項・受験案内」https://kentei.tokyo-cci.or.jp/boki/exam-info/ (2026年9月2日確認。東京23区は統一試験を受け付けていない旨を記載) - TAC公式サイト「簿記2級独学合格のコツと勉強法」https://www.tac-school.co.jp/kouza_boki/boki_sk_idx/boki_contents_selfstudy_class2.html (2026年9月2日確認。学習時間の目安を記載) - TAC公式サイト「2級合格本科生」https://www.tac-school.co.jp/kouza_boki/boki_crs_2goukaku_n.html (2026年9月2日確認。受講料を記載) - スタディング簿記講座 https://studying.jp/boki/ (2026年9月2日確認。受講料を記載) - 教育訓練給付金講座検索システム https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/ (2026年9月2日確認。厚生労働省の公式検索システムであることを確認)

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

あわせて読みたい