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20代の退職は3年待つべき?法律上の義務と転職への影響

この記事の結論
  • 「3年は続けろ」に法律上の根拠はなく、民法627条上はいつでも退職を申し入れられる
  • 早期離職率の数字は年度で変動するため最新値は厚生労働省の公表資料で要確認、かつ数字が高いこと自体は個人の判断の誤りを意味しない
  • 3年未満の在籍が転職で不利になるかは退職理由の説明の仕方次第という面が大きく、在籍年数だけで決まるわけではない
この記事の内容
  1. 結論:法律上、3年続ける義務はない
  2. 「石の上にも3年」「七五三現象」の数字はどこから来ているか
  3. 3年未満で辞めると転職で本当に不利になるか
  4. 20代の退職に法律上の制約はあるか
  5. 続ける・辞めるを判断する3つの視点
  6. 実体験について、正直に書きます
  7. 次にやること

「3年は続けないと、次の転職で不利になる」——20代で退職を考えたとき、一度はこの言葉を聞いたことがあるはずです。この記事では、この言葉に法律上の根拠があるのか、実際の転職市場でどこまで本当なのかを整理します。結論から言うと、「3年は続けろ」に法的な拘束力はなく、民法上はいつでも退職を申し入れられます。転職で不利になるかどうかも、在籍年数そのものより「なぜ辞めたかをどう説明するか」で大きく変わります。

結論:法律上、3年続ける義務はない

まず法律の話を先に済ませます。民法627条1項では、期間の定めのない雇用契約について「各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる」「雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」と定められています【民法627条】。つまり、入社から半年でも1年でも、法律上は退職を申し入れて2週間後に辞めることができます。「3年は続けなければならない」という法的なルールは存在しません。

ここが要点

「3年は続けろ」は法律ではなく、慣習・経験則として語られている言葉です。この言葉に従うかどうかは、あなた自身の判断の範囲であって、破ると罰則があるようなものではありません。

「石の上にも3年」「七五三現象」の数字はどこから来ているか

「3年」という数字がよく使われる背景には、大きく2つの出どころがあります。

出どころ 内容
ことわざ「石の上にも3年」 冷たい石でも3年座り続ければ温まる、という故事から来た慣用句。統計的な根拠があるわけではない
早期離職率の調査 厚生労働省が毎年公表している「新規学卒就職者の離職状況」。新卒者の一定割合が入社3年以内に離職している実態を示す調査で、俗に「七五三現象」(中卒者のおよそ7割・高卒者のおよそ5割・大卒者のおよそ3割が3年以内に離職するとされたことに由来する通称。近年は中卒・高卒の離職率は当時より下がっている)と呼ばれることがある

ことわざのほうは、そもそも統計的な裏付けを持つ言葉ではなく、「辛抱すれば道が開ける」という価値観を表す慣用句です。一方の厚生労働省の調査は実在する公的統計で、「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」として毎年公表されています(2026年8月時点の最新は2025年10月発表分、2022年3月卒業者が対象)。離職率の具体的な数値は年度によって変動するため、最新の数字は同資料で直接確認してください。

ここで押さえておきたいのは、この調査は「3年以内に辞めた人がいる」という事実を示しているだけで、「3年未満で辞めるのが悪いこと」だと結論づけている調査ではないという点です。数字が独り歩きして、辞めること自体への罪悪感につながっているケースは少なくありません。

3年未満で辞めると転職で本当に不利になるか

厚生労働省の転職者実態調査(雇用の構造に関する実態調査)などの公的統計には、「在籍年数が3年未満だと転職で不利になるか」を直接示す数値はありません(一次情報は確認できず)。転職市場で「3年未満の在籍は見られ方に影響することがある」というのは、人材業界の解説記事に共通して見られる目安であり、次のような要素との組み合わせで語られています。

  • 退職理由をどう説明するか:「合わなかったから辞めた」と「〇〇のスキルを伸ばすために環境を変えた」では、同じ在籍期間でも伝わり方が変わります。この書き方は別記事「辞めたあとの職務経歴書|退職理由をどう書くか」で扱っています
  • 応募する職種・業界の傾向:未経験可の職種やポテンシャル採用の枠では在籍年数が重視されにくい一方、専門性の積み上げを前提にした職種では在籍期間が見られやすい傾向があると言われています
  • 2回目以降の短期離職かどうか:1回だけの3年未満在籍と、短期離職を繰り返している場合とでは、受け止められ方が異なるとされています

20代は「第二新卒」という枠で採用する企業が一定数あり、社会人経験の年数よりもポテンシャルを見る採用が行われやすい年代だと言われています。ただしこれも企業や職種によって差があり、一律に有利・不利が決まるものではありません。

20代の退職に法律上の制約はあるか

在籍年数による法律上の制約は基本的にありません。ただし、次の2点は年齢に関係なく共通の注意点として押さえておく必要があります。

  1. 有期雇用契約の場合:契約社員などで契約期間が定められている場合、原則として契約期間の途中で辞めるには「やむを得ない事由」が必要とされています【民法628条】。正社員(期間の定めのない雇用)とはルールが異なるため、自分の雇用形態を先に確認してください
  2. 就業規則の退職予告期間:会社の就業規則で「退職の1か月前までに申し出ること」などと定められている場合があります。これについて、就業規則で民法627条の2週間より長い予告期間を定めても労働者の解約の自由を制約するものとして無効と判断した裁判例があります(高野メリヤス事件・東京地判昭和51年10月29日、福岡高判平成28年10月14日)。会社の就業規則より民法の2週間が優先されると解されるのが一般的ですが、個別の事情によって判断が変わり得るため、迷う場合は専門家に確認してください

「3年」という数字は、これらの法律上の制約とは別の、慣習・市場の見られ方の話だという整理をしておくと、何を根拠に不安を感じているのかが整理しやすくなります。

続ける・辞めるを判断する3つの視点

「3年」という年数を判断基準にするのではなく、次の3つの視点で考えることをおすすめします。

ここが要点
  1. 心身の状態:体調やメンタルに明確な不調が出ている場合、在籍年数を理由に我慢を続けることは推奨できません。この場合は医師・産業医への相談を優先してください
  2. 今の環境で得られるものが残っているか:スキル・経験・人間関係のいずれかで、まだ得られるものがあるなら続ける選択肢もあります。すでに頭打ちだと感じているなら、年数にこだわる理由は薄くなります
  3. 辞めたあとの説明が組み立てられるか:「なぜ辞めるのか」を自分の言葉で説明できる状態にしておくと、在籍年数の短さは決定的な弱点になりにくくなります

在籍年数はあくまで結果であって、判断の出発点にする必要はありません。

実体験について、正直に書きます

私の場合

私自身は2026年6月末に前職を退職しましたが、これは新卒からの在籍年数や「3年ルール」を意識した退職ではなく、執行役員という立場からの退任という形でした。そのため、「20代で3年未満に辞めるかどうか」という悩みそのものを自分の実体験として語ることはできません【本人の実体験の範囲外】。

ただ、退職を決める際に自分が実際に確認したのは、在籍年数の長さではなく「有給がどれだけ残っているか」「引き継ぎに何日必要か」「離職票が届くまでどれくらいかかるか」といった実務面でした。年数の目安よりも、辞める前後の実務を具体的に洗い出すことのほうが、実際に動くときには役に立った、というのが正直な感覚です。

次にやること

「3年続けたかどうか」を判断基準にするのをいったん脇に置き、上の3つの視点(心身の状態・得られるものが残っているか・辞める理由を説明できるか)に沿って、今の状況を自分の言葉で書き出してみてください。書き出してみて説明に詰まる部分があれば、そこが今考えるべき論点です。


※本記事は2026年8月時点の調査に基づく一般的な情報です。個別の状況における法的判断は、弁護士など専門家にご確認ください。統計数値は年度により変動するため、最新の数字は厚生労働省など一次情報でご確認ください。

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退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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