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社用携帯・PC・制服の返却を郵送で済ませる方法

この記事の結論
  • 会社から支給・貸与された携帯・PC・制服・社員証などは会社の所有物なので返却義務がある
  • 出社せず郵送での返却が可能。多くの退職代行会社も郵送での返却を前提に案内している(※2026年8月時点の調査)
  • 記録が残る発送方法(書留・特定記録郵便など)を選べば「送った・届いていない」の水掛け論を避けやすい
  • 送料の負担は法律で決まっておらず会社の指示・慣行による
  • 正当な理由なく返さず処分すると横領罪(刑法252条・253条)に問われる可能性がある
ぜんたいの流れ
  1. 1返却物をリスト化
  2. 2私物データを消す
  3. 3梱包する
  4. 4記録付きで発送
  5. 5受領を確認
この記事の内容
  1. 結論:貸与品は郵送で返却できる
  2. 何を返す必要があるか
  3. 郵送の具体的な手順
    1. 1. 返却物をリスト化する
    2. 2. 梱包する
    3. 3. 発送方法を選ぶ
    4. 4. 発送し、受領を確認する
  4. 送料は誰が払うか
  5. 私物データ・私物の扱い
  6. 社用携帯を退職後に返す手順|サインアウト・初期化・着信の扱い
    1. 返却までの手順(退職日までに)
    2. 次に詰まること:退職後に、社用携帯の番号へ電話がかかってくる
    3. 判断が分かれるところ
  7. 返さないとどうなるか
  8. 退職代行を使う場合の返却の流れ
  9. それでも不安なとき
  10. 次にやること

会社を辞めるときの支給品の返却は、出社して手渡しする以外に方法がないと思われがちです。実際には、多くの場合郵送で完結します。この記事では、何を返す必要があるか、どう梱包して送るか、送料は誰が払うか、返さなかったらどうなるかを順番に整理します。

こんな状態ではありませんか
  • もう職場に顔を出したくないが、支給品はどうやって返せばいいのか分からない
  • 会社に着払いで送っていいのか、着払いを断られたらどうすればいいのか不安
  • 携帯やPCに入っている自分のデータや写真がどうなるのか心配

社用携帯は、退職後も会社の物です。 退職日以降に自分で使い続けたり、売ったりはできません。

返し方は、出社しなくても郵送で足ります。返す前に、個人のアカウントのサインアウトと、私物データの退避だけは済ませてください。 ただし、会社が初期化を指定している場合は、自分で初期化せず指示に従います。

具体的な順番は、下の「社用携帯を退職後に返す手順」にまとめました。

結論:貸与品は郵送で返却できる

論点 結論 根拠・理由
会社から借りている物(携帯・PC・制服等)を返す義務はあるか ある。所有権が会社にあるため 一般的な所有権の考え方(貸与品である以上、当然の義務)
出社せず郵送で返却できるか できる。手渡しが必須という決まりはない ―
郵送する際に気をつけることは何か 発送記録が残る方法(書留・特定記録郵便等)を選ぶ 「送った・届いていない」のトラブルを避けるため
送料はどちらが負担するか 原則は返す側(本人)の負担。会社が着払い等を指示すればそれに従う 民法485条(弁済の費用)
返却しないとどうなるか 損害賠償を請求される可能性があるほか、処分・隠匿すると横領罪に問われる可能性もある 刑法252条・253条(正当な理由なく処分・隠匿した場合)
ここが要点

「会社に行きたくない」という気持ちと、「借りている物を返す」ことは両立します。郵送という手段を使えば、一度も顔を合わせずに返却を終えられます。

何を返す必要があるか

まず、自分の手元にある会社の物をリスト化することから始めます。基準はシンプルで、所有権が会社にあるかどうかです。

分類 具体例 返却の要否
会社から支給・貸与された物 社用携帯・スマートフォン、社用PC・タブレット、制服・作業着、社員証・入館証、名刺(未使用分)、有効期限内の健康保険の資格確認書(発行されている場合)、鍵・カードキー 返却が必要
会社が費用を出したが個人所有扱いの物 会社支給の資格取得費用で買った教材(規程による) 就業規則・契約による((一次情報は確認できず)。会社ごとに規程が異なり、全社共通の基準を示す公的資料は存在しない)
紙の健康保険証(青色のカード)・資格情報のお知らせ・有効期限が切れた資格確認書 2025年12月1日の経過措置終了で従来の保険証は使用できなくなった。有効期限が切れたものは自分で破棄してよい 返却不要
自分で用意した私物 私物のスマートフォン・PC、自分で買った文房具・カバン 返却不要

社員証・カードキー・鍵は紛失すると会社側でセキュリティ上の対応(パスの再発行等)が必要になることが多く、忘れやすい割に催促されやすい物です。健康保険証は2024年12月2日に新規発行が終了してマイナ保険証への移行が始まり、最長1年の経過措置を経て2025年12月1日で従来の保険証が使えなくなりました。この経過措置終了にともない、有効期限が切れた保険証・資格情報のお知らせ・資格確認書は自分で破棄してよく、返却は不要です(協会けんぽ石川支部公式サイトの案内で確認。2026年8月時点)。返却が必要なのは、有効期限内の「資格確認書」を持っている場合で、事業所が資格喪失届とともに返す必要があります。退職日以降に旧保険証や資格確認書を誤って使うと、後日医療費(総医療費の7〜9割相当)を返還することになるため、使わないよう注意してください。

ここが要点

「制服だけ返せばいい」と思い込んで、社員証や鍵を出し忘れるケースがあります。退職の連絡をする際に、会社側に「返却物一覧」を出してもらうと、漏れを防げます。

郵送の具体的な手順

1. 返却物をリスト化する

自宅にある会社の物を一箇所に集め、リストを作ります。会社から返却物のリストが提示されている場合は、それと照合してください。

2. 梱包する

  • 精密機器(携帯・PC・タブレット)は、購入時の箱や緩衝材があれば使う。無ければプチプチ・タオルなどで包み、輸送中の破損を防ぐ
  • 制服はクリーニングが必要かどうかを事前に会社に確認する(会社によって指定が異なる)
  • 付属品(充電器・ケーブル・ケース)を貸与されていた場合は一緒に返却する

3. 発送方法を選ぶ

対面で受け渡しをしない以上、「送った」という記録が残る方法を選ぶことが重要です。主な選択肢は次の通りです。

発送方法 特徴
簡易書留・一般書留 引受から配達までの記録が残る(基本運賃+簡易書留350円/一般書留480円)。一般書留は10万円まで損害賠償の補償が付く、簡易書留は5万円まで
特定記録郵便 引受の記録が残るが、対面での受け取りサインは無い(ポスト投函完了)。基本運賃+210円。補償は無い
レターパックプラス/ライト 追跡番号付き。プラスは対面受け取り、ライトはポスト投函
普通郵便・宅配便(記録無し) 追跡・補償が無く、「届いていない」と言われた場合に証明しづらい

(料金は日本郵便公式サイトの料金表で2026年8月に確認した加算額。基本運賃に別途上乗せされます)

高額な物(PCなど)を送る場合は、補償が付く発送方法を選ぶことをおすすめします。追跡番号や控えは、返却が完了したことを証明する材料になるため、受領確認が取れるまで保管してください。

4. 発送し、受領を確認する

発送後、追跡番号で配達完了を確認します。可能であれば、会社の担当者に「発送した旨」と追跡番号をメールなどの文面で伝えておくと、受け取り漏れのトラブルを避けやすくなります。

送料は誰が払うか

送料の負担について、貸与品の返却だけを名指しした法律の条文はありません。ただし一般原則として、民法485条(弁済の費用)は「弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする」と定めています。貸与品を返す義務を負っているのは退職者側なので、原則は本人負担、会社が着払いを認めるなど別段の指示をすればそちらに従う、という整理になります。実務としては、次のようなパターンが見られます。

  • 会社が着払い伝票を用意し、送付先の負担で送れるよう手配してくれる
  • 会社から特に案内が無く、本人が実費で発送する
  • 退職代行を利用している場合、代行会社経由で会社に送付先・送料負担の確認を依頼できることがある

着払いにできるかどうかは会社の対応次第のため、退職の連絡をする際に一度確認しておくとよいでしょう。確認しないまま自己負担で送る場合、書留・特定記録郵便であれば基本運賃に数百円を加算した程度で収まることが多いですが、PCなど重量物をゆうパック・宅配便で送る場合は千円を超えることもあります(具体的な金額はサイズ・重量・発送方法によって変わるため、発送前に日本郵便・宅配業者の料金表で確認してください)。

私物データ・私物の扱い

社用携帯やPCには、業務用のデータだけでなく、個人的な写真・連絡先・アプリのログイン情報が入っていることがあります。返却前に、次の点を確認してください。

  • 私物の写真・連絡先・メモは、返却前に自分でバックアップ・削除しておく(会社が初期化する前提で、返却後にデータを取り戻すことは基本的に期待できません)
  • 個人のアカウント(SNS・メール等)でログインしたままの状態で返却しない。ログアウト、もしくは可能であればアカウント自体を削除する
  • 会社によっては、返却前に情報システム部門による初期化・データ消去を指定してくる場合がある。指定があればそれに従う

私物のデータをうっかり残したまま返却してしまうと、退職後に取り戻すのが難しくなります。梱包の前に、データの確認を済ませておきましょう。

社用携帯を退職後に返す手順|サインアウト・初期化・着信の扱い

退職後の社用携帯で詰まりやすいのは、「返し方」よりも、返す前の下ごしらえと、返したあとの電話です。順番に書きます。

返却までの手順(退職日までに)

  1. 会社の担当(総務・情報システム・上司)に、返却の方法と期限をメールで確認する。 郵送でよいか、送り先はどこか、期限はいつかを聞いて、返信を残します。
  2. 初期化をするかどうかを聞く。 会社が「こちらで初期化する」「返却前に消してほしい」のどちらかを決めていることが多く、自己判断で消すと、会社側の管理(遠隔で端末を管理する仕組み)の設定まで消えて困らせることがあります。
  3. 個人のアカウントをサインアウトする。 Apple ID・Googleアカウント・LINEなどのSNSやメールを、この端末から外します。ログインしたまま返すと、次に使う人に自分のアカウントが見える状態になります。
  4. 二段階認証の受け取り先を確認する。 個人の銀行・SNS・ネットサービスの認証コードを、社用携帯で受け取る設定にしていないかを見ます。返したあとでは、認証コードが届かずログインできなくなります。先に私物のスマホへ切り替えてください。
  5. 私物データを退避する。 写真・連絡先・メモを自分の端末かクラウドへ移します。
  6. 付属品をそろえ、記録の残る方法で送る。 送り方は上の「郵送の具体的な手順」のとおりです。
  7. 発送後、追跡番号を担当へメールで伝え、届いたかを確認する。
ここが要点

チェックリスト(返す前の最終確認) □ 返却方法・送り先・期限を、メールで確認して残した □ 初期化は自分でするのか、会社がするのかを確認した □ Apple ID・Googleアカウントなど個人のアカウントをサインアウトした □ 個人サービスの認証コードの受け取り先を、私物のスマホに変えた □ 写真・連絡先・メモを退避した □ 充電器・ケース・SIMなど付属品を同封した □ 追跡番号と発送の控えを保管した

次に詰まること:退職後に、社用携帯の番号へ電話がかかってくる

返したあとも、取引先が古い連絡先のまま、その社用携帯の番号に電話をかけ続けることがあります。ここで迷いやすいのは、「出なければいけないのか」「番号は自分のものにできるのか」の2点です。

  • 退職後に、元の会社の仕事の電話に出る義務は、一般には無いと考えられます。 雇用契約が終わっているため、業務の指示を受ける立場ではなくなっているからです。そもそも端末は返却済みで、手元にありません
  • 番号は、会社の契約です。 自分の番号として引き継げるかは、会社の同意と、携帯会社の手続きが必要になります。会社が認めるかどうかは会社次第なので、引き継ぎたい場合は、返却の相談と同じ時期に、担当へ早めに聞いてください
  • 連絡先の引き継ぎは、会社が担当者を決めて行うものです。 取引先に新しい連絡先を知らせる作業を、退職者がずっと背負う必要はありません。依頼されても、退職後は引き受けるかどうかを自分で決められます
  • 返却前に、会社の指示で番号の案内メッセージ(留守番電話)を変える場合があります。 会社の指示があれば従い、無ければ触らないでおきます

判断が分かれるところ

  • 会社が「初期化してから返して」と言う場合 → 私物データを退避したうえで、指示された方法で初期化して返します。方法が分からなければ担当に聞きます
  • 会社が「そのまま返して」と言う場合 → 自分では初期化せず、サインアウトと退避だけして返します。会社側で初期化します
  • すでに自分で初期化してしまった場合 → 隠さず、返却の連絡のときに「初期化した」と伝えます。業務データの扱いは会社が判断することなので、先に知らせておくほうが、あとでこじれにくくなります

返さないとどうなるか

会社の貸与品を返却しない場合、主に次のようなリスクがあります。

  • 会社から返還請求(民事上の請求)を受ける可能性がある。所有権は会社にあるため、返却するまで請求され続けることになる
  • 物の代金相当額を損害賠償として請求される可能性がある
  • 正当な理由なく、会社の物を自分の物として売却・処分・隠匿した場合は、業務上横領罪(刑法253条)・単純横領罪(刑法252条)に問われる可能性がある

ただし、これは「うっかり返し忘れている」「引っ越しでどこにあるか分からなくなった」といった状況にただちに当てはまるものではありません。横領罪が成立するには、判例上、他人の物について所有者でなければできないような処分をする意思(不法領得の意思)が必要とされており、単に返却が遅れているだけでは、この意思が認められず横領罪が成立しない可能性があります。もっとも、実際に問われるかどうかは個別の事情によるため、断定はできません。督促を無視し続けると話がこじれやすいため、返せない事情があるなら早めに会社側に伝え、不安な場合は弁護士に相談することをおすすめします。

退職代行を使う場合の返却の流れ

退職代行を利用して会社と直接連絡を取らずに退職する場合でも、貸与品の返却自体は必要です。たとえば退職代行Jobsは、公式サイトのQ&Aで「健康保険証や職場へ返却すべき貸与品がある場合は、郵送で返却してください。返却のために出社する必要はありません」と、郵送での返却を前提に案内しています。退職代行ネルサポートは、公式サイトのQ&Aで「代行後に郵送していただきます。又は最終出社日に会社に置いてくることをお勧めします」と、郵送と最終出社日の持参の両方を選択肢として案内しています(いずれも各社公式サイトのQ&Aで確認。※2026年8月時点の調査)。退職代行ニコイチ・退職代行CLEARを含め、案内内容は会社ごとに違うため、申し込み時に公式サイト・担当者の説明で個別に確認してください。

会社との直接連絡を避けたい場合、退職代行Jobs、弁護士法人ガイア、退職代行ネルサポート、円満退職ユニオン のようなサービスを使えば、退職の意思表示だけでなく、返却物の送付先・送料負担の確認まで代行会社経由でやり取りできる場合があります。返却物のやり取りが不安な場合は、申し込み時に相談してみてください。

それでも不安なとき

「返し忘れがあったらどうしよう」「会社に何か言われるかもしれない」という不安で気持ちが落ち着かないときは、無理に一人で抱え込まず、返却物のリストと発送記録を手元に残しておくことで、後から説明できる状態を作っておくと安心材料になります。それでも眠れない、動悸がするといった不調がある場合は、退職の手続きより先に医師や産業医に相談してください。

次にやること

まず、自宅にある会社の物を「返す必要がある物」だけリストにしてください。携帯・PCは私物データの削除を済ませ、記録が残る発送方法(書留・特定記録郵便など)で送ります。送料の負担は会社によって対応が違うため、発送前に一度確認しておくと後のトラブルを避けられます。


※本記事は2026年8月時点の一般的な情報整理です。個別の雇用契約・就業規則・郵便サービスの内容によって状況は異なります。判断に迷う場合は、勤務先の担当部署や弁護士・労働基準監督署にご確認ください。

出典 - 刑法252条(単純横領罪)・253条(業務上横領罪)(委託を受けて占有する他人の物を、不法領得の意思をもって横領した場合に成立し得る。2025年6月1日施行の刑法改正で法定刑は「懲役」から「拘禁刑」に変更) - 不法領得の意思の考え方(判例法理) - 民法485条(弁済の費用):別段の意思表示がないときは、費用は債務者(返す側)の負担とする - 健康保険証・資格確認書の返却ルール(協会けんぽ石川支部公式サイト「健康保険証等の返却について(令和7年12月2日より)」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/ishikawa/public_relations/010/index.html 。2024年12月2日の新規発行終了、2025年12月1日の経過措置終了・返却不要となる範囲、旧保険証を誤用した場合の返還額(総医療費の7〜9割相当)を確認。2026年8月時点) - 簡易書留(+350円・補償5万円まで)・一般書留(+480円・補償10万円まで)・特定記録郵便(+210円・補償なし)の加算料金・補償額(日本郵便公式サイト「国内の料金表(オプションサービス)」https://www.post.japanpost.jp/send/domestic/charge/list/option.html 、2026年8月時点) - 退職代行の郵送返却案内(退職代行Jobs公式サイト https://jobs1.jp/ Q&A・退職代行ネルサポート公式サイト https://newlife-support.com/ Q&A、2026年8月時点)

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退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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