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企業型DCをiDeCoへ移換する手順

この記事の結論
  • 企業型DCの加入者資格を失ってから6ヶ月以内に移換手続きをしないと、資産は国民年金基金連合会へ「自動移換」される
  • 自動移換された資産は運用されず現金のまま管理され、管理手数料だけが引かれ続ける
  • 自動移換されている期間は老齢給付金の加入者期間に算入されず、受給開始が遅れる可能性がある
  • 既に自動移換されてしまった資産も、あらためてiDeCoへ移換手続きをすれば動かせる(その際にも手数料はかかる)
ぜんたいの流れ
  1. 1退職
  2. 26ヶ月放置
  3. 3自動移換
  4. 4手数料発生
  5. 5iDeCoへ移換
この記事の内容
  1. 結論:6ヶ月放置すると「自動移換」される
  2. 企業型DCとiDeCoの違い
  3. 自動移換されると何が起きるか
  4. iDeCoへ移す手順
  5. 必要書類と提出先
  6. 手続きが完了するまでの期間
  7. 既に自動移換されてしまっている場合
  8. 実体験について
  9. 次にやること

会社の企業型確定拠出年金(企業型DC)に入っていたが、退職してそのまま何もしていない。そんな人向けの記事です。 結論から言うと、企業型DCの加入者資格を失ってから6ヶ月以内に移換手続きをしないと、積み立てた資産は国民年金基金連合会へ自動的に移され(自動移換)、運用されないまま手数料だけが引かれ続ける状態になります。この記事では、iDeCoへの移し方の手順と、放置した場合に実際に何が起きるかを整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 退職した会社に企業型DCがあった気がするが、何もしないままになっている
  • 「自動移換」という言葉を見たが、何がまずいのか分からない
  • iDeCoに移すのに何を用意すればいいのか分からない

結論:6ヶ月放置すると「自動移換」される

企業型DCに加入していた人が退職・転職などで加入者資格を失った場合、原則として6ヶ月以内に資産の移換手続きをする必要があります。この期限内に手続きをしないと、資産の管理は国民年金基金連合会(事務委託先は特定運営管理機関)へ自動的に移されます。これを「自動移換」と呼びます(出典は末尾)。

ここが要点

自動移換は「資産が消える」わけではありません。ただし運用が止まり、手数料だけが引かれ続けるため、放置するほど目減りする仕組みになっています。次の章で企業型DCとiDeCoの違いを確認したうえで、自動移換の中身を見ていきます。

企業型DCとiDeCoの違い

まず前提を整理します。

区分 企業型DC iDeCo(個人型DC)
加入の主体 会社が制度を用意し、社員が加入する 自分で金融機関を選んで加入する
掛金の出どころ 原則として会社(会社によっては本人も上乗せ可) 原則として自分
退職後の扱い 加入者資格を失う(資産の運用指図はできなくなる) 自分の名義のまま続けられる

退職すると企業型DCの加入者資格は失われますが、それまで積み立てた資産(個人別管理資産)自体はなくなりません。この資産を、転職先の企業型DCか、iDeCoのどちらかに移す(移換する)必要があります。転職先に企業型DCが無い場合や、自営業・フリーランスになる場合は、iDeCoへの移換が主な選択肢になります。

自動移換されると何が起きるか

6ヶ月を過ぎて自動移換されると、次のようなことが起きます。

影響 内容
運用が止まる 資産は運用されず、現金として管理されるだけになる
手数料が引かれ続ける 移換時手数料に加え、管理手数料が資産から差し引かれ続ける
加入者期間に算入されない 自動移換されている期間は、老齢給付金を受け取るための通算加入者等期間に含まれない

手数料の金額は、自動移換時が4,348円(特定運営管理機関3,300円+国民年金基金連合会1,048円)です。月々の管理手数料は2026年3月まで52円(年間624円)でしたが、2026年4月1日の手数料改定により98円(特定運営管理機関58円+国民年金基金連合会40円、年間1,176円)に引き上げられました(三菱UFJ銀行「自動移換について」2026年4月1日現在の情報、確定拠出年金インフォメーション「自動移換者手数料改定通知物について」)。移換や再移換の手続き前に、特定運営管理機関の公式サイトで最新の手数料を確認してください。

ここが要点

「加入者期間に算入されない」影響は見えにくいですが、老齢給付金は原則として通算加入者等期間が10年以上ないと60歳から受け取れない仕組みになっています。60歳時点の通算加入者等期間が10年に満たない場合、受給開始可能年齢は「8年以上10年未満:61歳」「6年以上8年未満:62歳」「4年以上6年未満:63歳」「2年以上4年未満:64歳」「1月以上2年未満:65歳」というように先延ばしされます(企業年金連合会「通算加入者等期間」用語集)。自動移換されていた期間が長いほど、受給開始年齢が遅れる可能性が出てきます。

iDeCoへ移す手順

自動移換される前に動く場合も、既に自動移換されてしまっている場合も、やることの骨格は同じです。

  1. iDeCoを取り扱う金融機関(運営管理機関)を決める:手数料・運用商品のラインナップは金融機関ごとに異なる
  2. 加入(移換)の申し込みをする:書面またはオンラインで、個人型年金加入申出書などを提出する
  3. 国民年金基金連合会の審査を受ける:提出書類にもとづいて資格・内容が確認される
  4. 移換完了の通知を受け取る:個人型年金加入確認通知書・移換完了通知書などが届く

このうち1の金融機関選びは、退職前に企業型DCの運用商品・手数料を確認していない人ほど迷いやすいところです。既に加入していたiDeCo口座がある場合は、その金融機関にそのまま移すのが手間が少ない選択肢になります。

必要書類と提出先

必要書類は移す先の金融機関によって細かい違いがありますが、共通して求められるのは次のような書類です。

  • 個人型年金加入申出書(iDeCoに新規加入する場合)
  • 個人別管理資産移換依頼書(既にiDeCoに加入している場合)
  • 基礎年金番号が分かるもの(年金手帳・基礎年金番号通知書など)

退職した会社から「企業型確定拠出年金加入者資格喪失時の個人別管理資産移換のお知らせ」といった案内が届いている場合は、そこに記載の情報(運営管理機関名・資産額など)がそのまま手続きに使えます。案内が見当たらない場合は、退職した会社の人事・総務担当か、企業型DCを運営していた金融機関に問い合わせて確認してください。

手続きが完了するまでの期間

申し込みから移換完了までは、1ヶ月半〜2ヶ月半程度かかるとされています(りそなグループ「転職時の確定拠出年金の手続きは?」)。6ヶ月の期限ぎりぎりで動き出すと、書類の不備などで再提出になった場合に自動移換のタイミングに間に合わない可能性があります。退職が決まった時点、遅くとも退職後1〜2ヶ月以内には金融機関選びを始めておくと余裕を持てます。

既に自動移換されてしまっている場合

「6ヶ月」を過ぎて、既に国民年金基金連合会に自動移換されてしまっている場合でも、資産が失われるわけではありません。あらためてiDeCoへの移換手続きをすれば、資産を動かすことができます。ただし、この場合も移換時の手数料は発生し、自動移換されていた期間の管理手数料は既に資産から差し引かれています。「放置している期間が長いほど手数料の負担が増える」という構造は変わらないため、気づいた時点で早めに手続きするほど負担は小さくなります。

実体験について

私の場合

私自身は2026年6月末に前職を退職し、その後ハローワークで失業保険の手続きをした実体験があります。ただし企業型確定拠出年金への加入・iDeCoへの移換手続きについては、調査した範囲での情報整理にとどまり、体験として書ける記録はありません。本記事の内容は、国民年金基金連合会・特定運営管理機関などの公式情報にもとづいて整理したものです。

次にやること

まず、退職した会社から届いている「個人別管理資産移換のお知らせ」の有無を確認してください。 届いていない、あるいは見当たらない場合は、退職した会社の人事・総務担当か、企業型DCを運営していた金融機関に「自分の資産が今どこにあるか」を問い合わせるところから始めてください。6ヶ月の期限が過ぎているかどうかも、そこで分かります。


※本記事は2026年9月時点で確認できた公的情報にもとづく一般的な情報整理です。手数料額・手続きにかかる期間・加入者期間の算入ルールは制度改定によって変わる場合があります。実際の手続きは、国民年金基金連合会・特定運営管理機関、またはiDeCoを取り扱う金融機関に必ず確認してください。

出典(2026年9月確認) - 特定運営管理機関(JIS&T)「確定拠出年金の自動移換」:https://www.jis-t.kojingata-portal.com/retirement/portability/ - 国民年金基金連合会「自動移換にかかる手数料改定のお知らせ」(令和7年10月1日公表・令和8年4月1日施行):https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/tesuuryoukaitei202604.pdf - 三菱UFJ銀行「自動移換について」(2026年4月1日現在の情報):https://www.bk.mufg.jp/tameru/ideco/ikan/index.html - 確定拠出年金インフォメーション「自動移換者手数料改定通知物について」:https://faq.dcplan.co.jp/faq/show/5384?site_domain=user - 企業年金連合会「自動移換」用語集:https://www.pfa.or.jp/yogoshu/shi/shi75.html - 企業年金連合会「通算加入者等期間」用語集:https://www.pfa.or.jp/yogoshu/tsu/tsu08.html - iDeCo公式サイト「iDeCo加入者で転職・退職された方へ」:https://www.ideco-koushiki.jp/retirement/ - りそなグループ「転職時の確定拠出年金の手続きは?iDeCo(イデコ)への移換手続きを忘れずに!」:https://www.resonabank.co.jp/nenkin/ideco/column/procedure-at-change-of-job.html

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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