休職は何ヶ月まで認められるか
- 1就業規則を確認
- 2雇用保障期間を確認
- 3満了時の扱いを確認
- 4延長可否を確認
- 5復職か退職か判断
休職に入った、あるいはこれから休職する予定があり、「自分はあと何ヶ月休めるのか」が分からず不安な人向けの記事です。 結論を先に言うと、休職期間に全国共通の決まりはありません。何ヶ月まで休めるかは、会社の就業規則がすべてです。 この記事では、就業規則のどこを見れば分かるのか、全国の会社はだいたい何ヶ月にしているのか、期間が切れたらどうなるのかを整理します。
- 休職に入ったが、いつまで休めるのか分からない
- 就業規則を見ろと言われても、どこを見ればいいのか分からない
- 期間が切れたらクビになるのか、それとも延長できるのか不安
結論:休職期間は法律ではなく就業規則で決まる
| 論点 | 結論 | 根拠 |
|---|---|---|
| 休職できる期間の上限は法律で決まっているか | いいえ。労働基準法に休職の明文規定はない | 労働基準法(全文検索でヒット0件、既存記事053で確認済み) |
| では何が期間を決めているか | 会社が就業規則で任意に定めている | 各社の就業規則(一次情報は確認できず。会社ごとに異なる) |
| 全国の会社はどのくらいの期間にしているか | 「6ヵ月超〜1年」が最多(17.2%)。1年6ヵ月を超える会社も22.7% | JILPT調査シリーズNo.240 |
| 勤続年数で期間が変わるのは本当か | 変える会社が多いとされるが、全国集計での裏付けは確認できず | 複数の解説記事による一般論(公的な集計は見当たらない。2026年9月確認) |
「休職期間」と検索すると「3ヶ月」「6ヶ月」「1年」など、いろいろな数字が出てきて混乱しますが、それはすべて「よくある例」であって、自分の会社の答えではありません。 自分の期間は、自分の会社の就業規則にしか書いていません。
全国の会社はだいたい何ヶ月にしているか
自分の会社の就業規則を確認する前に、まず「世の中の会社はどのくらいの期間にしているのか」を知っておくと、自社の規定が長いのか短いのかの目安になります。
労働政策研究・研修機構(JILPT)が2022年12月に実施した企業調査(調査シリーズNo.240「治療と仕事の両立に関する実態調査(企業調査)」、全国10人以上の企業2万社に調査票を送付し、4,721社から有効回答・回収率23.6%)では、病気やけがで働けなくなったときの「休職期間のうち、解雇や退職にならずに雇用が保障される期間の上限」を尋ねています。結果は次のとおりです(2026年9月確認)。
| 雇用保障期間の上限 | 割合(全体) |
|---|---|
| 1ヶ月以下 | 4.4% |
| 1ヶ月超〜3ヶ月まで | 11.6% |
| 3ヶ月超〜6ヶ月まで | 14.0% |
| 6ヶ月超〜1年まで | 17.2%(最多) |
| 1年超〜1年6ヶ月まで | 16.2% |
| 1年6ヶ月超(2年まで・2年6ヶ月まで・3年まで・3年超・上限なしの合計) | 22.7% |
| 無回答 | 13.7% |
最も多いのは「6ヶ月超〜1年まで」ですが、次点の「1年超〜1年6ヶ月まで」もほぼ同じ割合で、「1年6ヶ月を超える」会社も合わせて2割強あります。1つの相場に集約されておらず、会社ごとにかなり幅があることが分かります。
同じ調査を正社員の人数規模別に見ると、規模が大きいほど休職期間を長く設定する傾向がはっきり出ています。「1年6ヶ月超」の割合は、正社員10〜29人の会社で21.1%なのに対し、1000人以上の会社では63.5%にのぼります(同調査、図表3-10)。
自分の会社が中小規模で、休職期間が「6ヶ月」や「1年」と定められていても、それは特別短いわけではなく、全国的にもよくある範囲です。「大企業は3年休める」といった話を聞いて焦る必要はありません。
なお、「勤続1年以上なら3ヶ月、勤続5年以上なら6ヶ月」のように、勤続年数に応じて休職期間の上限を段階的に決めている会社が多い、という説明は複数の社労士事務所や人事系メディアの解説記事で共通して見られます。ただし、この点を全国規模で集計した公的な統計は見当たりません。JILPT調査シリーズNo.240の本文(前掲PDF)を「勤続」で全文検索してもヒットせず、この調査には勤続年数別の集計が含まれていないことを確認しました。政府統計の総合窓口(e-Stat)や厚生労働省の他の統計でも、休職期間の上限を勤続年数別に集計したものは見当たりませんでした(2026年9月確認)。自分の会社が勤続年数によって休職期間を変えているかどうかは、二次情報の一般論では判断できないため、就業規則の該当条文で直接確認してください。
就業規則のどこを読めばいいか
休職期間は、就業規則の「休職」に関する条項に書かれています。多くの会社では、次のような項目に分けて定められています。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 休職の事由 | 私傷病(業務外の病気・けが)、事故欠勤、その他どんな場合に休職できるか |
| 休職期間の上限 | 何ヶ月(または何年)まで休職できるか。勤続年数による違いがあるか |
| 休職期間中の扱い | 給与が出るか出ないか、社会保険料の本人負担分をどう扱うか |
| 復職の条件 | 誰の診断・判断で復職と認められるか(主治医か産業医か) |
| 期間満了時の扱い | 復職できなければ退職になるのか、解雇の手続きを踏むのか |
就業規則は、多くの会社で社内のイントラネットに掲載されているか、総務・人事に請求すれば確認できます。常時10人以上を使用する事業場では就業規則の作成・届出と周知が労働基準法で義務づけられているため(労働基準法第89条、同第106条)、本来は在籍する従業員が確認できる状態になっているはずです。手元にない場合は、人事に「休職の条項を確認したい」と伝えれば見せてもらえることがほとんどです。
休職期間が満了したらどうなるか
休職期間が満了しても復職できない場合にどうなるかも、就業規則次第です。多くの会社の就業規則には、「休職期間が満了しても復職できない場合は退職(または解雇)とする」という趣旨の規定が置かれています。この規定がある場合、期間が満了した時点で、特段の手続きがなくても契約が終了する扱い(自然退職)になることが一般的です。
一方で、就業規則の定め方によっては解雇として扱われる場合もあり、その場合は解雇予告(30日前の予告、または不足日数分の平均賃金の支払い。労働基準法第20条)が必要になることがあります。どちらの扱いになるかは会社の就業規則の文言次第で、これを全国集計した公的な統計は見当たらないため(一次情報は確認できず)、自分の就業規則の条文そのものを確認する以外に確かめる方法がありません。
このテーマは、既存記事「休職中に退職できるか|復職せずに辞める流れ」でより詳しく扱っています。休職期間の満了が近づいていて、復職しないまま辞めることも考えている場合は、そちらもあわせて確認してください。
延長はできるか
就業規則で定められた休職期間の上限に近づいてきたとき、「延長できないか」と考える人は少なくありません。延長を認めるかどうかも会社の裁量で、就業規則に延長の規定がある会社もあれば、ない会社もあります。延長の可否・条件を全国集計した公的な統計は探した範囲では見当たらないため(一次情報は確認できず)、これも就業規則の確認と、人事への直接の相談が必要になります。
なお、休職の理由が病気やけがで、健康保険の傷病手当金を受給している場合、「休職期間の上限」と「傷病手当金の支給期間」は別の制度なので、両者は必ずしも一致しません。傷病手当金の支給期間・金額の詳しい条件は既存記事「うつ・適応障害で働けないとき|退職の前に傷病手当金を知る」で扱っています。休職期間が切れても傷病手当金の支給期間が残っている場合の扱いは、退職を決める前に確認しておく価値があります。
「休職期間の上限」「傷病手当金の支給期間」「延長の可否」は、それぞれ別の確認先(就業規則・健康保険組合や協会けんぽ・人事)を持つ、別々の情報です。1つ確認しただけで全部が分かった気にならないよう、順番に確認してください。
実体験について
私自身は2026年6月末に会社都合で退職しましたが、休職という制度そのものを利用した経験はありません。そのため、この記事の休職期間に関する内容は実体験ではなく、JILPTの調査データと既存記事の調査内容にもとづくものです。
実体験として言えるのは、就業規則や制度の細部は「聞いてみないと分からない」ことが多い、という感覚です。私が退職の手続きを進めたときも、離職票の扱いや手続きの順番など、事前に調べた情報と実際に人事とやり取りした内容で細かい違いがありました。休職期間についても、就業規則の文言をそのまま読むだけでなく、実際の運用がどうなっているかを人事に確認しておくと、認識のズレを防げると思います。
次にやること
まず、自分の会社の就業規則にある「休職」の条項を確認してください。 休職期間の上限が何ヶ月(何年)か、勤続年数による違いがあるか、期間満了時にどう扱われるかの3点が分かれば、この先の見通しが立てやすくなります。就業規則が手元にない場合は、人事・総務に請求すれば確認できます。休職期間の満了が近づいていて復職が難しい場合は、退職に向けた手続きも並行して調べておくと安心です。
会社に連絡すること自体が負担で動けない場合、退職代行Jobs、弁護士法人ガイア、退職代行ネルサポート、円満退職ユニオン のような退職代行サービスを使えば、会社との直接のやり取りをせずに退職の意思を伝えることもできます(※2026年9月時点の調査。各社のサービス内容・料金は公式サイトで最新情報を確認してください)。
※本記事は2026年9月時点の情報整理です。休職期間の上限・延長の可否・満了時の扱いは会社の就業規則によって異なるため、最終的な判断は自分の就業規則の確認と、必要に応じて社会保険労務士・弁護士への相談を通じて行ってください。心身の不調がある場合は、この記事の内容より先に医師・産業医にご相談ください。
出典(2026年9月確認) - 労働政策研究・研修機構(JILPT)調査シリーズNo.240「治療と仕事の両立に関する実態調査(企業調査)」(2024年3月公表。調査期間2022年12月2日〜21日、有効回答4,721社・回収率23.6%。図表3-9・図表3-10の休職期間(雇用保障期間)の上限データをPDF本文で確認) https://www.jil.go.jp/institute/research/2024/240.html - 労働基準法第89条(常時10人以上を使用する事業場の就業規則作成・届出義務)、第106条(周知義務)、第20条(解雇の予告) - 労働基準法(全文検索で「休職」の明文規定が無いことを既存記事053で確認済み) - 既存記事053「休職中に退職できるか|復職せずに辞める流れ」 - 既存記事052「うつ・適応障害で働けないとき|退職の前に傷病手当金を知る」