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妊娠・出産を機に辞めるか続けるか

この記事の結論
  • 「辞めるか続けるか」の答えを急いで出す必要はない。辞めた場合、失業保険(基本手当)の受給期間は原則1年だが、妊娠・出産・育児で30日以上働けない場合はハローワークへの申出で最長3年延長でき、合計最長4年になる(雇用保険法第20条第1項)
  • 続けた場合は、育児休業を取得すると育児休業給付金という別の給付制度が使える(雇用保険法第61条の7)
  • どちらを選んでも「今すぐ全部決めなければいけない」わけではなく、延長制度は決断を先延ばしにする猶予にもなる
  • 体調の判断は必ず医師・産業医に相談する
ぜんたいの流れ
  1. 1妊娠・出産が分かる
  2. 2続けるか辞めるか検討
  3. 3辞める場合は延長申請
  4. 4落ち着いたら求職
  5. 5受給開始
この記事の内容
  1. 結論:今すぐ決めなくていい理由がある
  2. 「辞める」場合:失業保険の受給期間を延長できる
  3. 「続ける」場合:育児休業給付金という制度がある
  4. 辞める・続けるで、使える制度はこう変わる
  5. それでも決められないとき、確認しておくこと
  6. 実体験について、正直に書きます
  7. 次にやること

この記事は、妊娠・出産をきっかけに「今の会社を辞めるべきか、それとも続けるべきか」で迷っている人に向けて書いています。 結論から言うと、その答えを今すぐ出す必要はありません。辞めた場合には失業保険の受給期間を延長できる制度があり、続けた場合には育児休業給付金という別の制度があります。この記事では、その2つの選択肢を整理します。

こんな状態ではありませんか
  • つわりや体調の変化で、今の働き方を続けられる自信がなくなってきた
  • 辞めたら収入が途絶える不安があるが、無理して続けるのも怖い
  • 「辞める」「続ける」のどちらかを、今すぐ決めなければいけない気がして焦っている

結論:今すぐ決めなくていい理由がある

「辞めるか続けるか」は、他の退職理由と違って、体調や家庭の事情が絡む分、一度決めたら後戻りしにくいと感じやすい選択です。ただし、辞める場合に使える公的な制度の中には、「決断そのものを先延ばしにできる」性質のものがあります。

その代表が、雇用保険の「受給期間延長」です。辞めたとしても、すぐに次の仕事を探さなければいけないわけではなく、体調が落ち着くまで求職活動を始めない、という選択が制度として認められています。まずはこの制度の中身を知ったうえで、「辞める」「続ける」を考えても遅くありません。

ここが要点

心身の不調が強く出ている場合、この記事の内容より先に、医師・産業医に相談してください。ここで説明しているのは、あくまで手続き・制度面の話です。

「辞める」場合:失業保険の受給期間を延長できる

辞めることを選んだ場合、まず知っておきたいのが失業保険(基本手当)の「受給期間延長」という制度です。

失業保険は、離職日の翌日から原則1年間しか受け取れません(雇用保険法第20条第1項)。この1年のうちに求職活動をして所定給付日数分を受け取らなければ、残日数があっても打ち切りになります。

ここで、妊娠・出産・育児のように、引き続き30日以上働くことができない状態にある人は、ハローワークへの申出によってこの1年に働けない日数を加算できます(ハローワークインターネットサービス「基本手当について」、hellowork.mhlw.go.jp、2026年8月31日確認)。

項目 内容
対象理由 妊娠、出産、育児等(病気・けがも同様に対象)
延長できる上限 最長3年(本来の1年と合わせて最長4年)
申出先 住所または居所を管轄するハローワーク
申請方法 本人のほか、代理人による申請・郵送での申請も可能
増える金額 増えない(受け取れる期限が延びるだけ)

雇用保険法第20条第1項でも、働くことができない期間を加算し、「加算された期間が4年を超えるときは、4年とする」と定められています(法令リードサイト掲載の雇用保険法条文、hourei.net、2026年8月31日確認)。

ここが要点

延長で受け取れる金額や日数そのものが増えるわけではありません。変わるのは「いつまでに受け取ればいいか」という期限だけです。 出産・育児で今すぐ求職活動ができない状態でも、権利自体が消えないようにするための制度だと考えてください。

申請期限は、働けなくなった日の翌日以降、早めに申し出るのが原則ですが、延長後の受給期間の最後の日までであれば申請できるとされています(ハローワークインターネットサービス、同前)。必要書類は離職票と、延長の理由を確認できる書類です。公式サイトには具体的な書類名までは記載されていません(2026年8月31日確認)が、妊娠・出産の場合は母子健康手帳の写しなどが目安として使われることが複数の解説記事で紹介されています(一次資料なし・目安)。正式な必要書類は申請時に窓口で確認してください。窓口に出向くのが難しい体調のときは、代理人か郵送での申請を選べます。

具体的な申請書の書き方・持ち物の詳細は、別記事「妊娠・出産で受給期間を延長する手続き」で扱う予定です。ここでは、この制度が存在すること自体を知っておいてください。

「続ける」場合:育児休業給付金という制度がある

一方、今の会社を辞めずに育児休業を取得して続ける場合は、失業保険とは別の制度である「育児休業給付金」の対象になります(雇用保険法第61条の7)。

これは、1歳(場合によっては最長2歳)未満の子を養育するために育児休業を取得した雇用保険の被保険者に対して、休業中の収入の一部を補う給付金です。受け取るには、育児休業を始める前の2年間に、みなし被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが条件になります(雇用保険法第61条の7第1項)。

ここが要点

支給率は、育児休業を始めてから180日目までは休業開始時賃金日額の67%、181日目以降は50%です(雇用保険法第61条の7第6項)。実際の受給額は人によって異なるため、勤務先の人事担当かハローワークで個別に確認してください。

「続ける」を選ぶ場合、育児休業を取れるかどうか、取れる期間はどれくらいか、休業後に元の職場・部署に戻れるかといった条件は、会社の就業規則や育児・介護休業法に基づく制度によって変わります。この記事では制度の存在だけを紹介し、詳細は個別に確認することを前提にしています。

辞める・続けるで、使える制度はこう変わる

「辞める」「続ける」のどちらを選ぶかによって、使える公的な制度の種類そのものが変わります。

辞める場合 続ける場合
使える制度 失業保険(基本手当)の受給期間延長 育児休業給付金
根拠法 雇用保険法第20条第1項 雇用保険法第61条の7
もらえるタイミング 求職活動を始めて、認定を受けた後 育児休業の取得中
権利が消えるリスク 何もしないと受給期間(原則1年)が過ぎて消える 会社の育休制度の利用条件を満たさないと使えない
今すぐやること 延長を申し出て権利を確保しておく 会社の育児休業制度の利用条件を確認する

表からわかるのは、「辞める」を選んでも、すぐに求職活動を始めなければいけないわけではないという点です。 延長の申出さえしておけば、体調が落ち着いてから動き出しても、受け取る権利は残ります。

それでも決められないとき、確認しておくこと

制度を知っても、「辞める」「続ける」のどちらが自分にとって正しいのか、すぐには決められないことのほうが多いはずです。その場合、次の3点だけでも先に確認しておくと、判断の材料が増えます。

  • 今の体調で、今の働き方(勤務時間・通勤・業務内容)を続けられる見込みがあるか(判断は医師・産業医に相談してください)
  • 会社に育児休業の制度があるか、取得した実績が社内にあるか(人事・総務に確認できます)
  • 辞めた場合、生活費を何ヶ月分まかなえる貯蓄があるか(受給期間を延長しても、実際にお金が振り込まれるのは求職活動を始めて認定を受けた後です)
ここが要点

「辞める」「続ける」のどちらか一方が絶対に正しいということはありません。今の体調・会社の制度・生活資金の3つを並べて、今の自分にとって無理のない選択を探すための材料として、上の制度を使ってください。

実体験について、正直に書きます

私の場合

正直に書きます。私自身は2026年6月末に前職を退職し、失業保険の受給手続き・ハローワーク通いは実際に経験していますが、それは妊娠・出産や育児を理由にしたものではなく、会社都合による退職でした。そのため、妊娠・出産をきっかけに「辞めるか続けるか」で迷った経験や、育児休業を取得した経験は、自分自身のものとしては持っていません。

この記事で説明した受給期間延長制度の枠組み(対象理由・延長できる期間・申請方法)は、自分自身が失業保険の手続きを行った際に確認した制度の骨格と、公式資料・条文を突き合わせて整理したものです。ただし「妊娠・出産で悩む」という状況そのものへの当事者としての体験談ではない、という点は正直に書いておきます。

次にやること

まず、今の体調と会社の育児休業制度の有無を確認してください。 そのうえで「辞める」を選ぶ場合は、働けなくなった日を1つメモに書き出し、住所地のハローワークに受給期間延長の申出をしてください。「続ける」を選ぶ場合は、人事・総務に育児休業給付金の対象条件を確認してください。どちらの場合も、体調の判断そのものは、この記事ではなく医師・産業医に委ねてください。


※本記事は2026年8月時点で確認できた公式情報の整理と、筆者個人の体験に基づくものです。個別の状況については、弁護士・労働基準監督署・ハローワークなど専門機関にご確認ください。心身の不調がある場合は、医師・産業医にご相談ください。

出典 - 雇用保険法第20条第1項(受給期間の延長)・第61条の7第1項・第6項(育児休業給付金の要件・支給率) — e-Gov法令API取得の法令全文で条文を直接確認(2026年8月31日確認) - ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html、2026年8月31日確認) - 法令リードサイト掲載の雇用保険法条文(https://hourei.net/law/349AC0000000116、2026年8月31日確認)

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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