退職代行の流れ
- 1LINE相談
- 2申込・支払い
- 3会社へ連絡
- 4出社不要に
- 52週間で退職確定
- 6離職票を受け取る
この記事の内容
「申し込んだら、次に何が起きるのか分からない」——退職代行を使うか迷っている人の不安の大部分は、ここにあります。この記事では、LINEで相談してから実際に会社を辞め終わるまでを、順番と日数で説明します。結論から言うと、会社に一度も出社せず、最短で申込の翌日には出社しなくてよくなるケースがあります。(退職代行Jobs・退職代行ニコイチとも公式サイトで「即日対応」を謳っている〈2026年8月時点の調査〉。ただし出社しなくてよくなるタイミングであって、法的な退職日ではありません。)ただし「退職が法的に完了する」タイミングは別にあり、そこを混同すると勘違いが起きます。
結論:流れは6ステップ、法的な完了は最短で申し入れから2週間
| ステップ | 内容 | かかる時間の目安 |
|---|---|---|
| ①相談 | LINEで無料相談・状況を伝える | 数分〜数十分 |
| ②申込・支払い | 料金を支払い正式依頼 | 即日 |
| ③会社へ連絡 | 業者が会社に退職の意思を伝える | 申込当日〜翌営業日 |
| ④出社しなくてよくなる | 有給消化 or 欠勤扱いで出社不要に | 会社への連絡と同時〜数日以内 |
| ⑤退職日が確定する | 民法627条により申し入れから2週間で契約終了 | 申し入れから2週間 |
| ⑥離職票等の受け取り | 退職完了後、書類が郵送される | 退職日から10日〜2週間程度が目安(会社→ハローワークの提出期限は雇用保険法施行規則第7条により資格喪失日の翌日から10日以内。本人の手元に届くのはその後になるため、会社の事務処理速度で前後する) |
「出社しなくてよくなる日」と「法律上、雇用契約が終わる日(退職日)」は別物です。 この2つを分けて理解すると、流れ全体が分かりやすくなります。
①LINE相談:まだ何も決めなくていい
ほとんどの退職代行は、LINEでの相談を無料・匿名で受け付けています。
- 「辞めたい」と思い始めた段階でも相談してよい
- 相談だけでは契約にならず、料金も発生しない
- 会社名・雇用形態・有給の残日数・未払いの有無などを聞かれるのが一般的
この段階で聞かれることが多い項目は次の通りです。
- 雇用形態(正社員・契約社員・アルバイトなど)
- 入社してからの年数(試用期間中かどうかで扱いが変わる場合がある)
- 有給休暇の残日数
- 未払い給与・残業代の有無
- 「即日で連絡してほしいか」「〇日後にしてほしいか」の希望
ここで正直に状況を伝えるほど、後の見積もりと流れがスムーズになります。
②申込・支払い:ここで初めて契約になる
相談内容に納得したら、正式に申し込み、料金を支払います。支払いはクレジットカード・銀行振込・後払いなど業者によって方法が異なります。支払いが完了するまで、業者は会社に連絡しません。 ここが「相談」と「依頼」の境目です。
料金は運営元によっておおよそ次のような相場になっています(2026年8月時点の各社公式サイト調査)。
| 運営元 | 料金相場 | 補足 |
|---|---|---|
| 民間企業 | 1.5万〜3万円程度 | 会社に退職の意思を伝えるのみ。有給消化などの「交渉」は弁護士法72条の非弁行為にあたるため対応不可 |
| 労働組合 | 1.5万〜3万円程度 | 団体交渉権に基づき、有給消化や退職日の調整交渉が可能。業者による料金差が大きい |
| 弁護士 | 5万円以上が目安(着手金) | 交渉に加え、未払い残業代・損害賠償請求などの法律事務にも対応。成功報酬が別途かかる場合あり |
民間企業・労働組合の料金帯が重なっているのは、業者によって設定額の幅が大きいためです。料金相場の詳しい内訳は別記事「退職代行の料金相場」で扱っています。
③会社への連絡:最短で申込当日
支払いが完了すると、業者が会社(多くの場合は人事担当か直属の上司)に電話または書面で連絡します。伝える内容は主に次の3つです。
- 本人が退職の意思を持っていること
- 本人への直接連絡を控えてほしいこと(私物・貸与品のやり取りは業者経由か郵送にしてほしい旨)
- 退職希望日、有給消化の希望
多くの業者が「最短即日」「当日中の連絡」をうたっています。実際、退職代行Jobsは「24時間365日対応」、退職代行ニコイチは「申込から最短10分で職場に連絡」を公式サイトに掲げています(2026年8月時点の調査)。これは各社公式サイトの記載であり、会社の休日・営業時間・担当者の不在などで、実際にはずれることがあります。なお、この所要時間はどれも各社が自分で言っている数字で、第三者が測ったものではありません。
出社しなくてよくなるのはいつか
会社への連絡が終わった時点から、多くの人は出社しなくてよくなります。理由は主に2つのどちらかです。
- 有給休暇が残っている場合 → 残りの有給を退職日まで消化する扱いにしてもらう
- 有給が足りない、またはない場合 → 欠勤扱い、または会社との合意で即日退職扱いにしてもらう
有給消化で対応する場合、労働組合系・弁護士系の退職代行であれば会社との調整(有給取得の交渉)ができます。民間企業の退職代行が交渉を行うと、弁護士資格を持たない者が報酬を得て法律事務を行う「非弁行為」(弁護士法72条違反)にあたるおそれがあるためです。労働組合は憲法・労働組合法が保障する団体交渉権に基づいて交渉できます。そのため、有給消化がすんなり認められるかどうかは、民間企業系の場合は会社の対応次第という違いがあります。この違いは別記事「退職代行は違法ではない|非弁行為との境界線」で詳しく説明しています。
⑤退職日が確定する:民法627条の「2週間」
ここが法律上いちばん大事なポイントです。期間の定めのない雇用契約(正社員など)は、退職の意思表示をした日から2週間が経過すると、会社の承諾がなくても終了します(民法627条1項)。
つまり、
- 会社が「認めない」「引き継ぎが終わるまで辞めさせない」と言っても、法的には無効
- 有給が2週間分以上残っていれば、出社せずそのまま退職日を迎えられる
- 有給が足りない場合、残りの日数は欠勤の扱いになることが多い(給与から引かれることがあります。引き方は就業規則によって違います)
契約社員・パートなど期間の定めがある雇用形態の場合は、この「2週間ルール」がそのまま適用されない場合があります。契約期間中の退職については別記事で扱います。
⑥退職完了後:離職票・書類が届くまで
退職日を過ぎると、会社側で退職手続きが進みます。届く書類の代表例は次の通りです。
| 書類 | 主な用途 | 届くまでの目安 |
|---|---|---|
| 離職票 | 失業保険の申請に必要 | 退職後10日〜2週間程度が目安(会社→ハローワークの提出期限は雇用保険法施行規則第7条により資格喪失日の翌日から10日以内。会社の事務処理速度で前後する) |
| 源泉徴収票 | 年末調整・確定申告に必要 | 退職後1ヶ月以内が原則(所得税法第226条) |
| 健康保険資格喪失証明書 | 国民健康保険への切り替えに必要 | 会社による |
退職代行はここまで対応してくれる場合とそうでない場合があるため、「離職票の発行までフォローしてくれるか」は申込前に確認しておくと安心です。
実際どのくらいの日数がかかるか(パターン別)
| ケース | 相談から出社不要になるまで | 相談から退職日確定まで |
|---|---|---|
| 有給が2週間分以上残っている | 最短翌日 | 有給消化中に2週間が経過し確定 |
| 有給がほぼない | 最短翌日(欠勤扱い) | 申し入れから2週間 |
| 会社が引き止めを続ける | 最短翌日(業者経由のため影響なし) | 2週間(会社の承諾は不要) |
会社がどう反応しても、出社しなくてよくなるタイミングは早い一方、法律上の退職日は「申し入れから2週間」が基準になる、という2段構えで理解しておくと迷いません。
実体験について、正直に書きます
私自身は2026年に会社を辞めた際、退職代行は使わず自分で退職の意思を伝えました。そのため、LINE相談から会社への連絡までの体感的な速さについては、業者を利用した本人としての経験談ではありません。この記事の手順・日数は、各社公式サイトの案内と民法627条などの条文を調べた範囲でまとめたものです。
一方で、退職後に離職票を受け取るまでの待ち時間は自分の実体験として書けます。退職日から離職票が手元に届くまで、思っていたより時間がかかりました。失業保険の申請は離職票がないと進められないため、退職代行を使う・使わないに関わらず、この待ち時間があることは覚悟しておいた方がよいです【本人の実体験。日数の正確な値は別記事「失業保険の申請方法」で扱う】。
次にやること
申し込む前に、LINE相談で「有給の残日数」「退職希望日」「離職票発行までフォローしてくれるか」の3点を伝えてください。この3点を伝えることで、あなたの状況に合わせた見積もりを相談段階で確認しやすくなります。
※本記事は2026年8月時点の調査に基づく一般的な情報です。個別の状況における法的判断は、弁護士など専門家にご確認ください。料金・サービス内容・所要日数は各社公式サイトで最新情報をご確認ください。