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傷病手当金の申請書の書き方

ぜんたいの流れ
  1. 1待期3日間を確認
  2. 2申請書に記入
  3. 3医師に意見書を依頼
  4. 4事業主に証明を依頼
  5. 5書類をまとめて提出
  6. 6保険者が審査し支給
この記事の内容
  1. 結論:誰が何を書くか
  2. まず3日間の待期期間を確認する
  3. 申請書に自分で書く項目
  4. 医師に書いてもらう意見書
  5. 会社に書いてもらう証明
  6. 提出先と申請の頻度
  7. 申請の期限(時効)
  8. 次にやること

病気やけがで会社を休むことになり、「傷病手当金を申請したいが、何をどこに出せばいいのか分からない」という人向けの記事です。傷病手当金の申請書は、本人・医師(歯科医師)・会社の3者がそれぞれ別の欄に記入する書類です。この記事では、誰が何を書くか、どこに提出するかを順番に整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 体調が悪い中で、何をいつまでに準備すればいいのか分からず焦っている
  • 「医師の証明が必要」と聞いたが、診断書とは違うのか分からない
  • 会社に何を頼めばいいのか、言い方も含めて不安

結論:誰が何を書くか

論点 結論 根拠
いつから対象になるか 休み始めて3日間(待期)を経た、4日目以降の労務不能期間 健康保険法99条1項
誰が記入するか 本人・医師(または歯科医師)・会社(事業主)の3者が別々の欄に記入 健康保険法施行規則84条
提出先 加入している健康保険(協会けんぽ支部、または勤務先の健康保険組合) 健康保険法施行規則84条1項
医師に何を証明してもらうか 発病日・原因・主症状・経過の概要・労務不能期間についての意見書 健康保険法施行規則84条2項1号
会社に何を証明してもらうか 労務不能期間・その間に報酬を受けたかどうかについての証明書 健康保険法施行規則84条2項2号
申請できる期限 労務不能だった日ごとに、その翌日から2年 健康保険法193条1項
ここが要点

申請書は1枚の書類ですが、中身は「本人が書く欄」「医師が書く欄」「会社が書く欄」に分かれています。 自分だけでは完成しません。まず医師と会社、両方に依頼が必要だと知っておくことが最初の一歩です。

まず3日間の待期期間を確認する

傷病手当金は、休み始めた初日から支給されるわけではありません。労務に服することができなくなった日から数えて3日間(これを「待期」と呼びます)を経過した、4日目以降の労務不能期間が対象になります(健康保険法99条1項)。

この3日間には、土日・祝日や有給休暇を使った日も含まれますが、連続して3日間休むことが条件です。途中で1日でも出勤すると待期は成立せず、休み始めからやり直しになります(協会けんぽ公式サイトによる。2026年9月確認)。3日間の待期が一度成立したあとは、その後に出勤した日が挟まっても待期そのものが取り消されることはありません(協会けんぽ・厚生労働省の公式資料に明記された一文は見当たらないが、複数の社会保険労務士の解説で一致している考え方。2026年9月確認)。ただし支給対象になるのはあくまで労務不能だった日に限られます。

ここが要点

「休み始めてすぐに満額もらえる」わけではなく、最初の3日間は対象外です。この期間は会社の休暇制度(有給・欠勤)でまかなう形になります。

申請書に自分で書く項目

申請書の本人記入欄には、次のような事項を書きます(健康保険法施行規則84条1項)。

  • 被保険者記号・番号(保険証や資格確認書に記載)
  • 業務の種別(どんな仕事をしているか)
  • 傷病名、その原因、発病または負傷の年月日
  • 労務に服することができなかった期間
  • その期間に会社から報酬(給与)の全部または一部を受け取ったかどうか、受け取った場合はその額と期間

傷病名や発病日は、あとで医師に意見書を書いてもらう際の内容と食い違わないようにしておくと、申請がスムーズです。不安な場合は、通院時に医師へ直接確認しながら記入して問題ありません。

医師に書いてもらう意見書

申請書には、医師(または歯科医師)による意見書を添付する必要があります(健康保険法施行規則84条2項1号)。この意見書に記載される内容は、次のとおりです。

  • 疾病または負傷が発生した年月日、その原因
  • 主な症状
  • 経過の概要
  • 労務に服することができなかった期間についての医師の判断

意見書には、診断した医師の診断年月日と氏名の記載が必須です(健康保険法施行規則84条3項)。多くの場合、通院している病院の窓口で「傷病手当金の申請書に医師の欄を記入してほしい」と伝えれば対応してもらえます。意見書の作成は保険診療の「傷病手当金意見書交付料」として算定され、自己負担割合(通常3割)に応じた金額(3割負担ならおおむね300円程度)がかかります(診療報酬点数表・厚生省保険発第27号通知〔昭和60年3月29日〕による。2026年9月確認)。医療機関ごとに料金を自由に設定しているわけではありません。

ここが要点

診断書とは書式も目的も異なる書類です。「診断書を出してください」ではなく「傷病手当金の申請書に、医師記入欄への記載をお願いしたい」と伝える方が、窓口での手続きがスムーズになります。

会社に書いてもらう証明

申請書には、事業主(会社)による証明書も必要です(健康保険法施行規則84条2項2号)。会社側が証明する内容は、主に次のとおりです。

  • 労務に服することができなかった期間(欠勤・休職の期間)
  • その期間に給与(報酬)を支払ったかどうか、支払った場合はその額

会社を通さずに申請することはできません。総務・人事担当者に「傷病手当金の申請書に会社記入欄への証明をお願いしたい」と伝え、記入・押印してもらう必要があります。休職中で会社に連絡しづらい場合でも、この証明だけは会社側の対応が必須になる点は押さえておいてください。

体調が悪く、会社とのやり取り自体がつらいと感じる人もいます。その場合、退職の意思表示だけを代わりに伝える退職代行(退職代行Jobs、弁護士法人ガイア、退職代行ネルサポート、円満退職ユニオン、※2026年9月時点の調査。各社のサービス内容・料金は公式サイトで最新情報を確認してください)という選択肢もありますが、傷病手当金の申請に必要な会社の証明そのものは、退職代行を使っても不要にはなりません。 退職と傷病手当金の受給継続の関係は、別記事188を確認してください。

提出先と申請の頻度

申請書は、加入している健康保険に提出します(健康保険法施行規則84条1項)。全国健康保険協会(協会けんぽ)加入の場合は、加入している都道府県支部が提出先です。会社の健康保険組合に加入している場合は、その健康保険組合が提出先になります(様式や提出方法は健康保険組合ごとに異なり、全国共通の情報は存在しない。勤務先の健康保険組合に直接確認してください)。

申請は、休んだ期間をまとめて1回で出す必要はありません。会社の証明には給与の支払い有無を記載する項目があるため、協会けんぽは「傷病手当金の申請は、給与の支払い有無について事業主の証明が必要になりますので、1か月単位で給与の締切日ごとに申請されることをお勧めします」と案内しています(全国健康保険協会公式サイトFAQ、2026年9月確認)。長期間休む場合は、この単位で繰り返し申請していく形になります。

ここが要点

1回申請すれば残りの期間も自動で振り込まれる、という制度ではありません。休んでいる期間中、申請書の提出を繰り返す必要があることは覚えておいてください。

申請の期限(時効)

傷病手当金を受け取る権利は、「これを行使することができる時」から2年で時効により消滅します(健康保険法193条1項)。この期間の計算には民法の期間計算に関する規定(初日不算入)が準用されるため(健康保険法194条1項)、実務上は労務不能だった日ごとに、その翌日を起算日として2年以内に申請する必要があるという扱いになります。つまり、体調が回復してから落ち着いて申請しても、労務不能だった日の翌日から2年以内であれば申請できます。

体調が悪い最中に無理して手続きを急ぐ必要はありませんが、2年という期限があることは頭の片隅に置いておいてください。心身の不調がある場合、手続きより先に医師・産業医への相談を優先してください。

次にやること

まず、通院している医療機関に「傷病手当金の申請書に医師記入欄への記載をお願いしたい」と伝えてください。 同時に、会社の総務・人事担当者にも申請書の会社記入欄への証明を依頼します。申請書の様式は、協会けんぽ加入なら協会けんぽの公式サイトから、健康保険組合加入なら勤務先の健康保険組合から入手できます。


※本記事は2026年9月時点の情報整理です。申請書の様式・提出方法は加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)によって異なる場合があります。正確な手続きは、加入している健康保険の窓口にご確認ください。心身の不調がある場合は、手続きより先に医師・産業医にご相談ください。

出典 - 健康保険法99条1項(支給要件・待期期間)・104条(資格喪失後の継続給付)・193条1項(時効)・194条1項(期間計算は民法の規定を準用)。原文はtaishoku/laws/健康保険法.txtで2026年9月3日に確認 - 健康保険法施行規則84条(傷病手当金の支給の申請・記載事項・添付書類)。原文はtaishoku/laws/健康保険法施行規則.txtで2026年9月3日に確認 - 待期期間(3日間)の考え方(土日・祝日・有給休暇を含む、途中で出勤すると待期が成立しない):全国健康保険協会(協会けんぽ)公式サイト「傷病手当金」(2026年9月3日確認) - https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/index.html - 申請を1か月単位で行う運用の案内:全国健康保険協会(協会けんぽ)公式サイト「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」よくあるご質問(2026年9月3日確認。「1か月単位で給与の締切日ごとに申請されることをお勧めします」との記載を確認) - https://www.kyoukaikenpo.or.jp/faq/benefit/002/index.html - 傷病手当金意見書の作成費用(傷病手当金意見書交付料):厚生省保険発第27号通知(昭和60年3月29日、算定要件)、および診療報酬点数表(点数、100点)による(2026年9月3日確認) - 待期3日間が一度成立したあとは取り消されないという考え方:協会けんぽの公式資料には明記箇所が見当たらなかった(2026年9月5日確認)。複数の社会保険労務士の解説サイトで一致している考え方として本文に記載

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退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

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