退職代行の当日の朝の流れ
- 当日の朝、本人がすることは基本的にありません。代行会社が始業時刻に合わせて会社へ連絡します
- 上司が慌てて本人へ連絡しようとしても、多くの代行会社が「直接連絡は控えてほしい」とあわせて伝えます
- 私物・貸与品は郵送でのやり取りになることが多く、前夜までに私物を持ち帰っておくことが重要です
- 退職が法律上成立するのは連絡した瞬間ではなく、意思表示から2週間後(民法627条1項)
- 1前夜に持ち物準備
- 2始業前に代行が連絡
- 3上司が本人へ連絡試行
- 4代行が間に入り収束
- 5午後に結果報告
この記事の内容
退職代行に申し込んだ人に向けた記事です。「明日の朝、自分は何をすればいいのか」「会社から電話が来たらどうしよう」——契約が終わった直後、この不安が一番大きくなります。結論から言うと、当日の朝、本人がすることはほとんどありません。 この記事では、始業前から午後にかけて実際に何が起きるかを、時間の流れに沿って説明します。
- 契約はしたけど、当日の朝どう動けばいいか分からない
- 上司から電話が来たら、出てしまいそうで怖い
- 会社が荒れて、周りに何を言われるか分からない
結論:当日の流れをひと目で
| 時間帯 | 起きること | 本人がすること |
|---|---|---|
| 前夜まで | 私物・貸与品の整理 | 会社に置いてある私物を持ち帰る |
| 始業時刻ごろ | 代行会社が会社へ電話・メールで連絡 | 何もしない(連絡を待つ) |
| 直後〜午前中 | 上司が状況を把握し、本人へ連絡を試みることがある | 電話・LINEに出ない(代行会社に任せる) |
| 当日中 | 職場に退職の事実が伝わる(伝え方は会社次第) | 特にすることはない |
| 午後〜数日 | 代行会社から本人へ結果の報告、貸与品・私物のやり取りの調整 | 郵送物の受け取り準備 |
前夜までにやっておくこと
当日の朝を楽にする準備は、実は前の晩までにほぼ終わっています。
- POINT 01
会社に置いてある私物を、可能な範囲で持ち帰っておく
連絡した日から出社しない前提で動くため、机の中の私物は取りに行きにくくなります。文房具や写真程度のものでも、思い出すのは連絡が終わったあとです。
- POINT 02
保険証・社員証・パソコン・鍵など、会社に返す物を手元にまとめておく
これが遅れると、返却の郵送手続きだけが長引きます。
- POINT 03
代行会社に、退職日・有給の希望・受け取りたい書類を伝え終えておく
運営元が労働組合か弁護士かによって、ここで交渉できる範囲が変わります(詳しくは別記事「退職代行おすすめ3選」で扱っています)。
始業時刻:代行会社が会社へ連絡する
朝、本人が何かをする前に、代行会社が会社へ連絡を入れます。連絡手段は電話またはメールで、担当部署(人事・総務)や直属の上司にあてて行われることが一般的です。
退職代行Jobsは公式サイトで「今日から出社不要」「最短30分で即日退職」と説明しており(※2026年8月時点の調査)、同様の「即日対応」「連絡した当日から出社不要」という説明は、他の代行会社の公式サイトでも広く見られます。ただし、始業時刻ちょうどに連絡する、何時何分までに連絡するといった具体的な時刻の記載は、確認した範囲の公式サイトにはありませんでした。始業時刻に合わせて連絡することが多い、という運用は各社の説明から読み取れますが、「何時何分に必ず連絡する」という保証ではありません。
この時点で、法律上の退職はまだ成立していません。正社員(期間の定めのない雇用)であれば、退職の意思表示から2週間で契約が終了します(民法627条1項)。当日の連絡は「意思表示をした日」であって、「退職が成立した日」ではない、という点は覚えておく必要があります。
上司は本人に連絡してくるか
代行会社からの連絡を受けた上司が、事実確認のために本人へ電話やLINEを送ろうとすることはあります。
ただし、労働組合・弁護士が運営する代行会社の多くは、会社への連絡の際に「本人への直接連絡は控えてほしい」ということも合わせて伝えます。実際、弁護士が運営するアディーレ法律事務所の退職代行サービスは、公式サイトのFAQで「今後の連絡はすべてアディーレにしていただき、依頼者の方への直接の連絡はしないようにすること」を会社へ申し入れると説明しています(※2026年8月時点の調査)。この申し入れをしているかどうかは、契約前の相談で確認しておくと安心です。
私は退職届を受け取る側に長くいました。代行会社から朝一番で連絡が来たとき、こちらが最初にすることは「本人に電話して確かめる」ことではなく、「本人の意思で間違いないか」を代行会社側に確認することでした。そこがはっきりしていれば、本人への直接連絡をすぐに試みる必要はなくなります。当日の朝に本人の携帯が鳴り続ける、という状況は、実務の現場ではあまり起きません。
会社が本人と連絡が取れないと判断した場合、緊急連絡先(家族など)に連絡することはあります。心配なら、契約時の相談で「本人・家族への直接連絡は不要」と会社への連絡文に入れてもらえないか、代行会社に確認してください。
同僚には何と伝わるか
これは本人が決められる部分ではありません。何を・いつ・誰にどう伝えるかは会社側の判断です。
朝のうちに口頭で共有される会社もあれば、しばらく引き継ぎの調整だけが進み、周囲への説明が数日後になる会社もあります。伝わり方をコントロールしたい場合は、代行会社を通じて「〇〇とだけ伝えてほしい」という希望を伝えられることがありますが、そのとおりに伝わる保証はありません。
私物・貸与品はその日どうなるか
連絡した日から出社しない前提のため、私物・貸与品のやり取りは郵送になることがほとんどです。
- 会社に返すもの(保険証・社員証・制服・パソコンなど)は、会社の指示に従って郵送する
- 会社から受け取るもの(離職票・源泉徴収票・私物)も、後日郵送で届く
離職票は失業保険の手続きに必要な書類ですが、これはハローワークが交付するものです。その手前で、会社(事業主)には、労働者が離職した際に資格喪失の届出をハローワークへ提出する義務があり、本人が離職票の交付を希望すれば離職証明書を添える必要があります。さらに本人から離職証明書の交付を求められた場合、会社はこれに応じなければなりません(雇用保険法施行規則第七条・第十六条)。会社が任意に発行を拒否できるものではない、という点はこの規定にもとづきます。当日の朝に届くものではなく、退職日から数日〜数週間後になるのが一般的です。届くまでの間、催促の連絡が要るかどうかは代行会社に確認してください。
会社が強く出てきたらどうなるか
「引き継ぎが終わっていない」「損害賠償を検討する」といった強い言葉が、代行会社を通じて伝わってくることがあります。
実際に損害賠償の請求が認められた例はほとんどありません。会社側が金銭的な損害の発生とその原因が労働者の故意・重大な過失によることを具体的に証明する必要があり、その立証は現実には難しいためです(弁護士事務所の解説記事より、※2026年8月時点の調査)。ただし、脅し文句として使われること自体はあります。この段階で本人が直接会社と話し合う必要はありません。対応は代行会社に任せ、内容が法的な話に発展しそうな場合は、契約している代行会社(特に弁護士が運営するところ)に相談してください。
心身に不調を感じている場合、退職の当日にどう動くかより先に、医師・産業医への相談を優先してください。この記事は法律と手続きの説明であり、医療的な判断はできません。
午後以降:本人に来る連絡
会社への連絡が終わると、代行会社から本人へ「会社に伝わった」という結果の報告が来ます。多くの場合、この報告は当日中、早ければ連絡直後に届きます。
その後は、退職日・有給消化の扱い・私物や貸与品の受け渡し方法について、代行会社を経由して会社と調整が進みます。本人がやることは、指定された私物の受け取り準備と、届く書類の確認くらいです。
よくある質問
当日の朝、会社の電話に出てしまったらどうすればいいですか
「詳しいことは代行会社にお伝えしています」とだけ伝えて、それ以上は話さなくて構いません。契約内容や退職の理由を、その場で説明する必要はありません。
有給消化中でも、当日の朝に何かする必要がありますか
基本的にありません。有給消化の開始日や期間は、事前に代行会社を通じて会社と調整されているはずです。当日になって新たに手続きが必要になることは、通常はありません。
連絡した当日に、退職は成立しますか
成立しません。連絡した日は「退職の意思表示をした日」であり、正社員であれば、そこから2週間で契約が終了します(民法627条1項)。この2週間を有給や欠勤で埋める形になることが一般的です。
次にやること
前夜までに、会社に置いてある私物を持ち帰り、返却するもの(保険証・社員証・パソコン・鍵)を手元にまとめておいてください。当日の朝は、代行会社からの連絡を待つだけで大丈夫です。
まだ代行会社を決めていない場合は、退職代行Jobs、弁護士法人ガイア、退職代行ネルサポート、円満退職ユニオン のような、弁護士が運営・監修している、または労働組合と提携しているサービスなら、当日の連絡の仕方や本人への連絡を控える対応についても、契約前の無料相談で確認できます(※2026年8月時点の調査。運営形態・対応内容は各社公式サイトで最新情報を確認してください)。
※本記事は2026年8月時点の調査に基づきます。料金・サービス内容は各社公式サイトで最新情報をご確認ください。