ハローワークの手続きはマイナンバーカードで何が変わるか
- マイナンバーカードで本人確認すると、求職申込み・失業認定などの手続きで証明写真2枚の提出が省略できる(ハローワークインターネットサービス「求職者の皆さまへ」の案内で確認)
- 条件を満たせば、離職票をマイナポータルで直接受け取れる仕組みもある(マイナポータル公式サイトで確認。ハローワークへのマイナンバー登録・マイナンバーカードでのマイナポータル利用・事業所側の電子申請の3つが条件)
- 写真省略・受給資格者証の持参省略の開始は2022年10月1日(厚生労働省通知・保保発0930第1号と雇用保険法施行規則の条文で確認)、離職票マイナポータル連携の開始は2025年1月20日(厚生労働省リーフレットの原文と兵庫労働局の公式ページで確認)
- マイナンバーカードが無くても、従来どおり写真を用意すれば手続きはできる
- 1会社への届出確認
- 2連携設定(退職前)
- 3離職票の受取
- 4求職申込み
- 5写真省略で手続き
この記事の内容
ハローワークで失業保険(基本手当)の手続きをするとき、マイナンバーカードを持っていくと何が変わるのか——気になっていませんか。この記事では、証明写真の提出が省略できる点と、離職票をマイナポータルで直接受け取れる仕組みの2つを、公式サイトの記載にそって整理します。
- ハローワークの手続きに証明写真が必要と聞いたが、マイナンバーカードがあれば省略できるのか知りたい
- 離職票がなかなか届かず困っている。マイナポータルで受け取れると聞いたが、条件が分からない
- マイナンバーカードを持っていない・使いたくない場合、手続きに支障が出るのか不安
結論:変わるのは主に2点
| 変更点 | 内容 | 出どころ |
|---|---|---|
| 証明写真の省略 | 求職申込みや以後の支給申請のたびに必要だった証明写真2枚を、マイナンバーカードでの本人確認に置き換えられる | ハローワークインターネットサービス |
| 離職票のマイナポータル受取 | 条件を満たせば、離職票を紙で待たずマイナポータルで直接受け取れる | マイナポータル公式サイト |
どちらも「使うと便利になる」オプションであって、義務ではありません。マイナンバーカードを持っていない、あるいは持っていても使いたくない場合は、これまでどおり紙の証明写真と離職票で手続きできます。
「マイナンバーカードが無いと失業保険がもらえない」という話ではありません。あくまで、写真の準備や離職票を待つ手間が減る、という手続き上の省略の話です。
変更点1:証明写真2枚の提出が省略できる
ハローワークで求職申込みをすると、通常は「最近の写真(正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm)」を2枚提出するよう案内されます。これは本人確認のためのものです。
ハローワークインターネットサービスには、この写真提出について次の記載があります(2026年9月3日、本セッションでWebFetch確認)。
個人番号カード(マイナンバーカード)を提示することで省略が可能です。
つまり、求職申込みの時点だけでなく、その後の支給申請(認定日ごとの手続き)のたびに必要だった写真も、毎回マイナンバーカードを見せることで代用できる、という内容です。写真を撮り直したり切らしたりする心配がなくなる分、地味に手間が減ります。
変更点2:離職票をマイナポータルで直接受け取れる
もう一つの変更点は、離職票そのものの受け取り方です。マイナポータル公式サイトには、離職票を直接受け取るための条件として次の3つが挙げられています(2026年9月3日、本セッションでWebFetch確認)。
- 自分のマイナンバーがハローワークに登録されていること
- 自分のマイナンバーカードを持っており、マイナポータルを利用できる状態であること
- 勤務先(事業所)が電子申請で雇用保険の離職手続きを行うこと
同じページには「雇用保険WEBサービスとの連携は離職前までに行う必要があります」ともあります。つまり、退職してから慌てて設定しても間に合わない可能性があり、在職中のうちに連携を済ませておく必要がある、という点が実務上のポイントです。
条件を満たしていれば、勤務先が電子申請で手続きした後、ハローワークでの処理が完了し次第、紙を待たずにマイナポータル上で離職票を受け取れます。
離職票は求職申込みに必須の書類です。届くのを待つ間に手続きが遅れると、その分だけ受給開始も後ろにずれます。マイナポータルで直接受け取れれば、この「待ち時間」を短縮できる可能性があります。
開始時期と「持参そのものが不要」という説明について
この2点についても、法令と厚生労働省・デジタル庁の一次情報で開始時期と根拠を確認できました。
証明写真・受給資格者証の省略が始まったのは、令和4年(2022年)10月1日です。厚生労働省の通知「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令の施行に伴う雇用保険受給資格者証の見直しへの対応について」(令和4年9月30日付 保保発0930第1号)に、この施行日とあわせて次の記載があります。
本人の希望に応じて、受給資格者がマイナンバーカードを提示して受給資格の確認を受けた場合には、失業認定等の雇用保険関係手続において、雇用保険受給資格者証の提出が不要とされ、当該者に対しては、従来の受給資格者証に代えて、必要な事項等が記載された雇用保険受給資格通知が交付される
また、雇用保険法施行規則第十九条第三項・第二十条第二項・第二十一条第二項及び第四項・第二十二条第一項にも、個人番号カードを提示して離職票を提出した者には受給資格者証に代えて「受給資格通知」を交付できること、その後の公共職業訓練等の届出や失業認定でも「受給資格者証を添えて」の代わりに「個人番号カードを提示して」手続きできることが定められています(本セッションで法令全文を確認)。つまり、「受給資格者証そのものの持参も、マイナンバーカードでの本人確認に置き換えられる」という説明は、この省令の仕組みそのものです。
離職票のマイナポータル受け取りが始まったのは、令和7年(2025年)1月20日です。厚生労働省・ハローワーク名義の事業主向けリーフレットに「2025年1月20日から、希望する離職者の方には、マイナポータルを通じて直接お送りするサービスを開始します」と明記されており、対象となる3条件も同リーフレットに原文で記載されています(届け出たマイナンバーが被保険者番号と適切に紐付いていること・離職者ご自身にマイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定を行っていただくこと・事業主より電子申請で雇用保険の離職手続きを行っていただくこと。2026年9月5日、リーフレット原文を直接確認)。兵庫労働局の公式ページ「令和7年1月から離職票をマイナポータルで受け取れるようになります」にも「令和7年1月20日から一定の条件を満たした場合に離職票をマイナポータルで直接受け取れる仕組みを開始します」とあり、開始日は一致しています(同日確認)。
マイナンバーカードが無い・使わない場合はどうなるか
マイナンバーカードを持っていない、または持っていても提示したくない場合は、従来どおりの手続きになります。
- 証明写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm、正面上三分身)を用意して提出する
- 離職票は、勤務先から紙またはメール等で受け取るのを待つ
マイナンバーカードを使うかどうかは選べるものであり、使わないからといって失業保険の受給資格や給付額に影響はありません。この点は、ハローワークインターネットサービスの案内でも「省略が可能」という任意の表現になっている(必須とは書かれていない)ことからも読み取れます。
実際の手続きで気をつけたいこと
調査した範囲では、この2つの変更点についていくつか気をつけておきたい点が見えてきます。
- 離職票のマイナポータル連携は退職前の準備が要る。 「雇用保険WEBサービスとの連携は離職前までに行う必要があります」という案内どおりだとすると、退職が決まった時点で早めに勤務先(人事・総務)に、電子申請に対応しているかを確認しておいたほうが安全です。
- 写真省略は求職申込みの窓口で申し出る形になる可能性が高い。 マイナンバーカードを持参し、窓口でその旨を伝えて本人確認を受ける、という流れになります。何も言わずに写真を省略できるわけではなく、マイナンバーカードそのものを提示する必要がある点は変わりません。
- 勤務先が電子申請に対応していなければ、マイナポータルでの離職票受取はできない。 条件の3つ目が勤務先側の対応にかかっているため、自分がマイナンバーカードとマイナポータルを準備しても、会社側が紙の手続きのままなら、これまでどおり会社経由で離職票を受け取ることになります。
なお、本人(2026年に退職し、失業保険を受給した実体験がある)は、マイナンバーカードでの本人確認や離職票のマイナポータル受け取りを実際には利用していません。そのため、この記事では体験談ではなく、公式サイトの記載にもとづく説明にとどめています。
次にやること
退職前であれば、まず勤務先の人事・総務に「雇用保険の離職手続きを電子申請で行っているか」を確認してください。対応していれば、退職前にマイナポータルとの連携を済ませておくと、離職票を待つ時間を減らせる可能性があります。すでに離職票を受け取っている場合は、ハローワークでの求職申込みにマイナンバーカードを持参すれば、その場で写真省略を申し出られます。
※本記事は2026年9月時点でハローワークインターネットサービス・厚生労働省・デジタル庁の各公式サイトおよび雇用保険法施行規則の記載を確認して整理したものです。個別の状況については、最寄りのハローワークにご確認ください。
出典(2026年9月3日調査) - ハローワークインターネットサービス「求職者の皆さまへ」の手続き案内 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html - マイナポータル「外部サイトとの連携/離職票をマイナポータルで受け取る」 https://img.myna.go.jp/manual/03-04/0230.html - デジタル庁「1月20日より、マイナポータルで離職票が受け取れます」(令和7年1月20日開始) https://services.digital.go.jp/mynaportal/news/20250117-01/ - 厚生労働省 事業主向けリーフレット「2025年1月から、希望する離職者のマイナポータルに『離職票』を直接送付するサービスを開始します!」(2025年1月20日開始・対象3条件を明記。2026年9月5日、PDF原文を直接確認) https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001353550.pdf - 兵庫労働局「令和7年1月から離職票をマイナポータルで受け取れるようになります」(令和7年1月20日開始の記載。2026年9月5日確認) https://jsite.mhlw.go.jp/hyogo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/koyou_hoken/20241224.html - 厚生労働省 通知「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令の施行に伴う雇用保険受給資格者証の見直しへの対応について」(令和4年9月30日付 保保発0930第1号、施行日令和4年10月1日) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7074&dataType=1&pageNo=1 - 雇用保険法施行規則 第十九条第三項・第二十条第二項・第二十一条第二項及び第四項・第二十二条第一項(個人番号カード提示による受給資格通知の交付・以後の手続の簡略化。本セッションで法令全文を確認) - (参考・二次情報)社会保険労務士法人アドバンス「マイナンバーカードで可能になった雇用保険の失業認定手続」 https://van.gr.jp/news/2022_1206/ - (参考・二次情報)Jinji社会保険労務士法人「マイナポータル連携による雇用保険実務への影響」 https://jinji-sr.jp/2025/02/13/news-136/