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会社都合退職にしてもらえないとき

この記事の結論
  • 離職理由を最終的に判定するのは会社ではなくハローワーク(公共職業安定所長)
  • 離職票の「異議あり」欄に丸をして「具体的事情記載欄」に経緯を書けば、ハローワークが会社に事実確認を行う
  • 退職勧奨・長時間残業・賃金未払いなどは「特定受給資格者」に該当する可能性があり、認定されれば給付制限がなくなる
  • 自己都合の給付制限は2025年4月の改正で原則1ヶ月に短縮された(過去5年に2回以上の自己都合離職がある場合は3ヶ月)【厚生労働省の解説記事等をもとに2026年8月時点で確認・詳細は本文参照】
ぜんたいの流れ
  1. 1離職票を受け取る
  2. 2離職理由欄を確認
  3. 3異議ありに丸
  4. 4具体的事情を記入
  5. 5証拠を用意し提出
  6. 6ハローワークが判定
この記事の内容
  1. 会社都合と自己都合、何が違うのか
  2. 離職票が届いたら最初に見る場所
  3. 異議ありに丸をつけるとどうなるか
  4. 証拠として何を用意すればいいか
  5. 「特定受給資格者」に当てはまりそうなケース
  6. 会社が離職票をなかなか出さないとき
  7. 次にやること

「本当はリストラなのに、離職票には『自己都合』と書かれていた」——こういうケースは珍しくありません。離職理由を最終的に決めるのは会社ではなく、ハローワーク(公共職業安定所長)です。離職票の「異議あり」欄に丸をつけて事情を書けば、ハローワークが会社に事実確認を行い、判定をやり直すことができます。この記事では、その手順と、証拠として何を用意すればいいかを説明します。

会社都合と自己都合、何が違うのか

同じ「退職」でも、離職票に書かれる理由によって、失業保険(基本手当)の受け取り方が変わります。2025年4月1日の雇用保険法改正(雇用保険法第33条)で自己都合側の給付制限が短縮されましたが、それでも差はまだ残っています。

会社都合(特定受給資格者等) 自己都合
給付制限 なし 原則1ヶ月(過去5年以内に自己都合離職で2回以上受給資格決定を受けている場合は3ヶ月)
給付が始まる時期の目安 待期7日後から 待期7日+給付制限1ヶ月後から
給付日数 年齢・勤続年数に応じて手厚くなる場合がある 会社都合より短くなる場合がある

会社都合(特定受給資格者)は自己都合よりも所定給付日数が手厚く設定されているケースがあります(雇用保険法第22条・第23条)。年齢や勤続年数ごとの具体的な日数はハローワークの窓口や厚生労働省の所定給付日数表でご確認ください。

給付制限の短縮(2025年4月1日施行)については、厚生労働省の公式ページで「退職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月」「退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合は3か月」と明記されていることを確認しました(雇用保険法第33条、出典:厚生労働省)。この差があるからこそ、「本当は会社都合のはずなのに」というときは、泣き寝入りせずに異議を申し立てる価値があります。

離職票が届いたら最初に見る場所

退職後、会社から「雇用保険被保険者離職票」が届きます。この中に「離職理由」を書く欄があり、事業主(会社)が記載した内容と、それに対して本人が「異議あり」「異議なし」のどちらかに丸をつける欄がセットになっています。

まず確認すべきは次の2点です。

  • 離職理由の欄に、会社側がどう書いているか(「一身上の都合」=自己都合の表現になっていないか)
  • 実際の経緯(退職勧奨を受けた、雇止めだった、パワハラがあった等)と食い違っていないか

私自身も2026年に会社都合で退職しました(離職票には会社都合の離職理由コードが記載されていました)。私の場合は最初から離職票に正しく書かれていたので異議申し立て自体は経験していませんが、離職票が届くまでの日数や窓口での手続きは実際に経験しています。退職日から3日で離職票が届き、ハローワークの窓口での待ち時間は15分ほどでした。離職理由に納得できない場合、この「本人記載欄」に丸をつけるタイミングを逃さないことが最初の分かれ道になります。

異議ありに丸をつけるとどうなるか

離職票の本人記載欄で「異議あり」に丸をつけると、離職票にある「具体的事情記載欄(離職者用)」に、自分が認識している退職の経緯を書き込みます。

  • 「会社から退職勧奨を受けて退職した」
  • 「月80時間を超える残業が続いていたため退職せざるを得なかった」
  • 「契約更新を希望したが会社側から更新されなかった(雇止め)」

このように、できるだけ具体的に書くことが重要です。書いた内容を持ってハローワークの窓口に申し出ると、ハローワークが会社側にも事実関係を確認し、最終的な離職理由を判定し直します。

ここが要点

異議申し立ては「会社と揉める手続き」ではなく、ハローワークという第三者に判定してもらう手続きです。会社に直接抗議するより先に、この制度を使う方法があります。

証拠として何を用意すればいいか

「言った・言わない」にならないよう、主張を裏付ける客観的な資料を用意しておくと、ハローワークでの確認がスムーズになります。

状況 用意できると良い証拠
退職勧奨を受けた 面談の記録・録音・退職勧奨の内容が分かるメールやメッセージ
長時間残業が続いていた タイムカード・勤怠記録・給与明細(残業代の記載)
賃金の未払いがあった 給与明細・振込明細・雇用契約書
パワハラ・嫌がらせがあった 該当するメール・チャットのやり取り・メモ(日時と内容を記録したもの)
雇止め(契約更新なし)だった 雇用契約書・更新の可否についてのやり取り

証拠が完璧に揃っていなくても申し出はできます。ハローワーク側が会社に確認する調査も行われるため、「証拠がないから申し立てをあきらめる」必要はありません。ただし、手元にある資料は捨てずに残しておくことをおすすめします。

「特定受給資格者」に当てはまりそうなケース

会社都合に近い扱いを受けられる区分として、「特定受給資格者」「特定理由離職者」という制度があります。倒産・解雇のようなケースだけでなく、次のような場合も対象になり得るとされています。

  • 退職勧奨を受けて退職した場合(ただし、恒常的に設けられている早期退職優遇制度に自分から応募した場合は対象外/雇用保険法施行規則第36条第9号)
  • 賃金の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった場合、または賃金がそれまでより85%未満に下がった場合(雇用保険法施行規則第36条第3号、ハローワークの公式ページで確認)
  • 離職前6か月のうち、連続する3か月で残業が月45時間を超えた場合、いずれか1か月で残業が100時間を超えた場合、または連続する2か月以上で残業が月平均80時間を超えた場合(ハローワークの公式ページで確認)
  • 3年以上契約更新を続けてきたのに雇止めになった場合、または更新すると明示されていたのに雇止めになった場合(雇用保険法施行規則第36条第7号・第7号の2)

自分のケースがどの区分に当てはまるかは、最終的にハローワークの窓口で個別に確認するのが確実です。

会社が離職票をなかなか出さないとき

「異議あり」に丸をつけるにも、そもそも離職票が届かなければ手続きが始まりません。離職票の発行が遅れている、あるいは会社が発行に応じないと感じる場合は、まずハローワークに直接相談する方法があります。前述のとおり私自身の場合は退職日から3日で届きましたが、マイナンバーと紐づけていたことが早さの理由だったようで、会社によって発行の早さにはかなり差があるようです。会社に催促の連絡を入れづらい状況であれば、退職代行サービスを使って会社とのやり取り自体を減らすという選択肢もあります。

次にやること

離職票が届いたら、まず「離職理由」の欄と「本人記載欄(異議あり/異議なし)」を確認してください。内容に納得できなければ「異議あり」に丸をつけ、具体的事情記載欄に経緯を書いた上で、手元にある証拠を持ってハローワークの窓口に相談することから始めてください。


※本記事は2026年8月時点の調査に基づく一般的な情報です。個別の状況における法的判断は、弁護士や社会保険労務士など専門家、または最寄りのハローワークにご確認ください。給付制限期間・給付日数・認定基準の詳細は、必ず厚生労働省・ハローワークの最新情報でご確認ください。

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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