退職時にマイナポータルでできる手続き一覧
- 1離職前に連携設定
- 2離職票を受け取る
- 3資格喪失日を確認
- 4国保・年金を申請
- 5ハローワークへ
この記事の内容
会社を辞めるとき、マイナンバーカードを持っている人が「役所やハローワークに行く回数を減らせるか」を知りたいときの記事です。先に答えを言います。マイナポータルでできるのは、離職票の受け取り・国民健康保険の加入届・国民年金の切り替え・年金保険料の免除申請・健康保険の資格情報の確認の5つ。ただし、離職票だけは「辞める前」の準備が要ります。
辞めた直後は、届け出の期限が一斉に来ます。この記事は、画面の中で済ませられるものと、窓口が要るものを分けて並べました。
マイナポータルでできる退職手続きは5つ
先に全体を表にします。
| 手続き | マイナポータルで | 期限の目安 | 準備 |
|---|---|---|---|
| 離職票の受け取り | できる | 会社の手続き後 | 離職前に雇用保険WEBサービスとの連携が必要 |
| 国民健康保険の加入届 | できる(自治体による) | 退職から14日以内 | 資格喪失日が分かるものを添付 |
| 国民年金の種別変更(第1号へ) | できる | 退職から14日以内 | 離職票などを添付 |
| 国民年金保険料の免除・納付猶予 | できる | 随時 | 失業の場合は離職票などを添付 |
| 前の健康保険の資格情報の確認 | できる | いつでも | 資格喪失日の確認に使える |
出どころは、デジタル庁・日本年金機構・各自治体の案内です(2026年9月21日確認。末尾に一覧があります)。国民健康保険法9条・国民年金法12条は届出そのものを義務づける条文で、「14日以内」という期限は国民健康保険法施行規則2条・12条、国民年金法施行規則6条の2に定められています(条文を確認済み)。
マイナンバーカードがない人は、この記事の手続きの大半が窓口か郵送になります。電子申請には、カードと、暗証番号(署名用電子証明書のパスワードなど)が要るためです。カードがなくても手続きはできます。
離職票は、辞める前の連携設定が条件
離職票は、失業保険(雇用保険の基本手当)をもらうために、ハローワークで出す書類です。会社から紙で届くのを待つのが従来のやり方でした。2025年1月20日から、マイナポータルで受け取れるようになっています(デジタル庁の案内)。
ただし条件が3つあります。
- 自分のマイナンバーが、ハローワークに登録されていること
- マイナンバーカードを持っていて、マイナポータルが使える状態であること
- 会社が、電子申請で雇用保険の離職手続きをすること
そして案内には「雇用保険WEBサービスとの連携は離職前までに行う必要があります」と書かれています。連携の手順は次のとおりです(マイナポータルの利用マニュアルによる)。
- マイナポータルのトップから「外部サイトとの連携」、または「雇用保険」を選ぶ
- 「雇用保険WEBサービス」を選んで「連携をはじめる」を押す
- 注意書きを読んで「同意して次へ」を押す
- 「連携手続き完了」の画面が出たら終わり
そのあと、会社が電子申請で離職の手続きをし、ハローワークの処理が終わると、「雇用保険被保険者離職票が交付されました」という通知が届きます。ハローワークに行くときは、スマートフォンなどで取得した離職票のPDFを見せて受給の手続きをします。
会社が電子申請でなければ、紙で届く
3つ目の条件は自分では決められません。辞める前に会社へ聞くのがいちばん確実です。すでに退職している人は、連携が「離職前まで」と案内されているため、この方法は使えない可能性があります。会社に送付状況を聞いてください。聞き方の文例です。
件名:離職票の受け取り方法について(○○ ○○)
人事ご担当者様
お疲れさまです。○○部の○○です。
退職にあたり、離職票について1点確認させてください。
1. 貴社では、雇用保険の離職手続きを電子申請で行っていますか。
2. 電子申請の場合、マイナポータルで離職票を受け取れる設定を
こちらで済ませておく必要があれば、教えてください。
3. 紙で送付になる場合、発送予定日を教えてください。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
私自身はマイナポータルで離職票を受け取った経験がありません。上の手順と条件は、公的な案内を読んで書いたものです。
国民健康保険の加入届は、資格喪失日の証明をマイナポータルで代用できる
会社の健康保険を抜けると、次の日から無保険になります。そのため、国民健康保険(または家族の扶養、任意継続)のどれかに入る必要があります。国民健康保険は、法律上は資格を得た日から14日以内に届け出ます(国民健康保険法9条の届出義務、期限は同法施行規則2条)。
マイナポータルの「ぴったりサービス」から、退職による加入届を出せる自治体があります。横浜市の案内では、対象は次のとおりです(2026年9月21日確認)。
- 対象の手続き: 「職場の健康保険の資格喪失に伴う国民健康保険の加入届」
- 申請できる人: 加入する本人、または同じ世帯の代理人で、マイナンバーカードを持っている人
- 添付するもの: 前の健康保険の資格喪失日が分かるもの
- 対象外: 市外からの転入にともなう加入、加入する人が11人以上の場合
自治体によって、オンラインで受け付けているか・添付書類・対象外の条件が違います。上は横浜市の場合です。お住まいの市区町村の案内で確認してください。
資格喪失証明書がなくても進められる
会社から「健康保険資格喪失証明書」が届くのは、退職後しばらくたってからのことがあります。これを待たずに進められるのが、マイナポータルの健康保険証の画面です。
前に入っていた健康保険の資格がなくなっていると、画面に「この資格情報では、医療機関・薬局等で利用できません。有効終了日:令和○年○月○日」と出ます。この有効終了日が、資格を失った日の目安です。板橋区や渋谷区の案内では、この画面を印刷したものやスクリーンショットを、資格喪失証明書の代わりに添付書類として出せるとされています。
ここも自治体によって扱いが違うので、加入届を出す前に、自分の自治体のページで添付書類の欄を確認してください。
任意継続は、マイナポータルの手続きには入っていない
会社の健康保険を最長2年続ける「任意継続」は、資格を失った日から20日以内に申し込む決まりです(健康保険法37条)。ただ、今回確認した公式の案内(マイナポータルの雇用保険・年金・国保の各ページ)には、任意継続をマイナポータルで申し込めるという記載はありませんでした(2026年9月21日確認)。協会けんぽや健康保険組合の案内に従って、書類で申し込むことになります。
国民年金は、種別変更と免除の申請ができる
会社員のときは厚生年金に入っていて、保険料は給料から引かれていました。退職すると、国民年金の第1号被保険者への切り替えが要ります。期限は退職から14日以内です(国民年金法12条の届出義務、期限は同法施行規則6条の2)。配偶者の扶養に入る場合は、切り替え先が違います(第3号)。その場合は配偶者の勤め先を通じた手続きになります。
日本年金機構のマイナポータル電子申請ページには、次の手続きが載っています(2026年9月21日確認)。
- 国民年金被保険者の資格取得(種別変更)の届出
- 国民年金付加保険料の申出(辞退)
- 国民年金保険料免除・納付猶予申請
- 国民年金保険料学生納付特例申請
- 口座振替納付(変更)申出
添付書類は、JPEGかPDFの電子データで出せます。退職直後に第1号被保険者になる手続きでは、厚生年金の資格を失った日が分かるもの(離職票など)のアップロードが求められると、複数の自治体が案内しています。ここでも離職票が要るため、届くのが遅い人は、後述のとおり順番を入れ替える工夫が要ります。
保険料が払えないときは、免除・納付猶予もオンラインでできる
退職して収入が途切れると、国民年金の保険料が重く感じられます。そういうときの「免除」や「納付猶予」の申請も、マイナポータルからできます。
失業を理由にする場合は、離職票または雇用保険受給資格者証などの、失業が分かる書類の添付が案内されています。免除は、失業した月の前月から申請できる、と自治体は案内しています(詳しい期間と審査の条件は、日本年金機構の「免除・納付猶予」の案内で確認してください)。
マイナポータルではできないこと
次のものは、今回確認した範囲では、マイナポータルの手続きとして見つかりませんでした(2026年9月21日確認)。
| 手続き | どこで |
|---|---|
| 失業保険の求職申込み・認定 | ハローワーク(来所が必要) |
| 任意継続の申し込み | 加入していた健康保険(協会けんぽ・健保組合)へ書類で |
| 傷病手当金の申請 | 加入している健康保険へ |
| 住民税の支払い方法の切り替え | 市区町村の案内(会社から届く書類を確認) |
失業保険は、離職票を電子で受け取れても、ハローワークに行く必要は残ります。マイナポータルで減るのは「離職票が届くのを待つ時間」で、「ハローワークへ行く回数」ではありません。
手順とチェックリスト|退職前後にやる順番
辞める日が決まった時点から、順番に並べました。□を上から1つずつ確かめてください。
辞める前(できれば退職日の2週間前まで)
□ マイナンバーカードの有効期限と、暗証番号(署名用・券面事項補助用)を覚えているか確かめる □ マイナポータルにログインして、「雇用保険WEBサービス」との連携を済ませる □ 会社に、離職票が電子か紙かを聞く(前掲の文例が使えます) □ マイナポータルの健康保険証の画面が開くか確かめる
辞めた日から14日以内
□ 健康保険の有効終了日を、マイナポータルの画面で確かめて、スクリーンショットを撮る □ 国民健康保険に入るなら、自治体のオンライン受付の有無を確かめて、加入届を出す(家族の扶養や任意継続を選ぶ場合は別の手続き) □ 国民年金の種別変更を出す(配偶者の扶養に入る場合は配偶者の勤め先へ) □ 保険料の支払いが厳しいなら、免除・納付猶予の申請を出す
離職票が届いてから
□ 離職票を受け取る(マイナポータルの通知か、会社からの郵送) □ ハローワークで求職の申込みをして、離職票を出す
順番の工夫: 年金の手続きで離職票の添付を案内している自治体もあります。離職票が届いていないときは、先に国民健康保険の加入届を出し、届いてから年金を出す順番でも構いません。期限に間に合わなそうなら、窓口に電話で事情を伝えておくと安心です。
次にやること
今日、マイナポータルにログインして、「雇用保険WEBサービス」との連携を済ませてください。まだ辞めていない人は、これが離職票をオンラインで受け取るための唯一の条件です。すでに辞めている人は、健康保険証の画面が開くかどうかだけ確かめておくと、国民健康保険の加入届のときに慌てずに済みます。
退職するとき、マイナポータルでできる手続きは何がありますか
離職票の受け取り・国民健康保険の加入届・国民年金の種別変更・国民年金保険料の免除申請・前の健康保険の資格情報の確認の5つです。このうち離職票だけは、辞める前に「雇用保険WEBサービス」との連携を済ませておく必要があります。国民健康保険の加入届は自治体によって対応が分かれ、失業保険の手続きはマイナポータルの対象に入っていません。
離職票をマイナポータルで受け取るには、いつまでに何をすればいいですか
離職前に、マイナポータルで「雇用保険WEBサービス」との連携を済ませておく必要があります。すでに退職した人は、この連携ができない可能性があります。連携を済ませたうえで、マイナンバーがハローワークに登録されていること、会社が電子申請で離職手続きをすることの2条件もそろって初めて、マイナポータルの通知から離職票を受け取れます。
マイナンバーカードがなくても、退職後の手続きはできますか
手続き自体はできますが、この記事で挙げた電子申請の大半が使えず、窓口か郵送になります。電子申請には、マイナンバーカードと、暗証番号(署名用電子証明書のパスワードなど)が必要なためです。カードを持っていない場合は、国民健康保険や国民年金の窓口、ハローワークで紙の手続きを進めることになります。
国民健康保険の加入届は、健康保険資格喪失証明書がなくても出せますか
出せる自治体があります。会社からの証明書が届く前でも、マイナポータルの健康保険証画面に表示される「有効終了日」を、資格を失った日の目安として使えるためです。板橋区や渋谷区では、この画面のスクリーンショットを証明書の代わりに添付できるとされています。ただし対応は自治体ごとに違うため、届け出る前に自分の自治体のページで確認が必要です。
失業保険の手続きは、マイナポータルだけで完結しますか
完結しません。マイナポータルで受け取れるのは離職票だけで、求職の申込みと認定は、これまでどおりハローワークへの来所が必要です。マイナポータルで短縮できるのは「離職票が届くのを待つ時間」であって、「ハローワークへ行く回数」ではありません。
この記事で使った情報の出どころ
すべて2026年9月21日に確認しました。
- デジタル庁 マイナポータル「1月20日より、マイナポータルで離職票が受け取れます」と、利用マニュアル「離職票をマイナポータルで受け取る」(img.myna.go.jp/manual/03-04/0230.html)
- 日本年金機構「電子申請(マイナポータル)」(nenkin.go.jp の denshibenri_kojin ページ)
- 横浜市「オンラインによる国民健康保険の手続きについて」
- 板橋区・渋谷区の国民健康保険の案内
- 国民健康保険法9条・同法施行規則2条/12条、国民年金法12条・同法施行規則6条の2、健康保険法37条
厚生労働省の被保険者向けFAQ(PDF)は、文字を読み取れず、内容を確認できていません。
出典(2026年9月24日調査)
- デジタル庁 マイナポータル「1月20日より、マイナポータルで離職票が受け取れます」 https://services.digital.go.jp/mynaportal/news/20250117-01/(離職票のマイナポータル受け取りが2025年1月20日に始まったという記述を確認。本文の日付と一致)
- 日本年金機構「マイナポータルを利用した電子申請(国民年金)」 https://www.nenkin.go.jp/denshibenri_kojin/denshibenri_kojin/index.html(国民年金の種別変更・免除等がマイナポータルの電子申請対象であることを確認)
- 横浜市「オンラインによる国民健康保険の手続きについて」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/kokuho/todokede/onlinetetuduki.html(対象手続き・申請できる人・添付書類・対象外の条件を確認。本文の記載と一致)
- e-Gov法令検索「国民健康保険法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000100053/(資格取得の届出期限が14日以内と定められていることを確認)
- e-Gov法令検索「国民年金法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000100012/(種別変更の届出期限が14日以内と定められていることを確認)