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退職後に会社から連絡が来たら

ぜんたいの流れ
  1. 1電話が来る
  2. 2用件を確認
  3. 3契約終了か判断
  4. 4応否を判断
  5. 5書面に切替
  6. 6続けば記録
この記事の内容
  1. 結論:契約終了後は「業務命令に従う義務」は消える
  2. なぜ「辞めたのにまだ縛られる」感覚が残るのか
  3. 会社からの連絡、用件別に応じる必要があるか
  4. 電話に出たくないとき、無視してよいか
  5. 文例:電話ではなくメールでの連絡に切り替えてもらう
  6. 退職代行を使った場合、本人への直接連絡は原則ない
  7. チェックリスト:会社から電話・呼び出しが来たら確認する4つ
  8. 次にやること
  9. 出典(2026年9月9日調査)

退職して、もう関係が終わったはずの会社から電話がかかってくる、あるいは「一度来てほしい」と呼び出される。この記事は、そのとき応じる法的な義務があるのかを知りたい人向けに書く。結論から言うと、雇用契約が終了した後は、業務上の指示に従う義務そのものが無くなる。ただし用件によっては、応じたほうが自分のためになるものと、応じなくてよいものが混ざっている。この記事ではその見分け方と、実際に電話が来たときの対応を順番に答える。

結論:契約終了後は「業務命令に従う義務」は消える

  • 雇用契約は、労働者が使用者の指揮命令に従って働き、使用者が賃金を払う契約だ(民法623条)。退職日をもって契約は終了するので、その日以降、会社の指示に従う義務(指揮命令に服する義務)は無くなる
  • ただし、契約終了後も「元の契約に付随して残っている用件」については、信義則(民法1条2項。契約関係にあった者どうしが互いに不誠実な対応をしないという一般原則)に基づき、常識の範囲で応じたほうがよい場合がある
  • 用件を聞かずに全部無視すると、かえって自分の不利益(離職票が届かない、私物が戻らない、貸与品の扱いで揉める)につながることもある。「出る/出ない」より先に、まず用件が何かを確認するのが順番になる

以下、用件ごとに応じる必要があるかを整理する。

なぜ「辞めたのにまだ縛られる」感覚が残るのか

在職中は、会社からの連絡に応じないと「業務命令違反」になりうる。この感覚が退職後も抜けないまま電話を取ってしまい、結果として在職中と同じ調子で長時間対応してしまう人は多い。

しかし退職後は、労働契約法・民法上の使用者・労働者という関係そのものが終わっている。会社が「出社しろ」「今すぐ来い」と言っても、それは業務命令ではなく、単なる「お願い」でしかない。応じるかどうかは、労働者ではなく一人の個人としての判断になる。

会社からの連絡、用件別に応じる必要があるか

会社が退職後に連絡してくる理由はいくつかのパターンに分かれる。用件によって、応じたほうがよいものと、応じなくてよいものがある。

用件 応じる必要 理由・対応
離職票・源泉徴収票など必要書類の確認 応じたほうがよい こちらが受け取れないと困る書類。連絡先や住所の確認程度なら短時間で済む
引継ぎ内容の確認(在職中に済ませられなかった分) 内容によって判断 電話口で分かる範囲は答えてよいが、資料作成や長時間の対応まで義務はない
貸与品(パソコン・制服・社員証等)の返却 応じたほうがよい 会社の所有物は返す必要がある(民法206条、所有権に基づく返還請求)。郵送で済むか確認する
私物の受け取り(会社に置いてきた荷物) 任意 自分の所有物なので、取りに行くかどうかはこちら次第。郵送を依頼できる
「一度会って話したい」という抽象的な呼び出し 応じる義務なし 用件を先に聞く。答えられないなら電話・メールでの対応を求めてよい
損害賠償・引継ぎ不備を理由にした呼び出し 応じる義務なし(ただし放置は不利) その場で応じず、内容を書面で示すよう求める。込み入る場合は弁護士に相談する
「辞めたことを撤回してほしい」という説得 応じる義務なし 退職の意思表示は民法627条により効力が生じている。撤回する義務は無い

表の右側(応じる義務なし)にあたる用件でも、無視し続けると「話がこじれた」という印象を会社側に持たれやすい。義務が無いことと、連絡を絶つことは別の話として考える。

電話に出たくないとき、無視してよいか

義務が無い用件であれば、電話に出ないこと自体に法的な問題はない。ただし次の点は分けて考える必要がある。

  • 書類のやり取りなど、自分の利益に関わる連絡まで無視すると、離職票や源泉徴収票が届くのが遅れる。この場合は、電話ではなくメールや書面でのやり取りに切り替えるよう依頼するのが現実的
  • 執拗に何度もかけてくる、深夜にかけてくる、居留守を疑って自宅に来ようとするといった行為は、内容によっては会社側の行為が不法行為(民法709条)にあたる可能性がある。どの頻度・態様から不法行為と評価されるかを示した公的な統一基準や確立した判例は見当たらず、労働問題を扱う弁護士の解説記事でも「個別の事情による総合判断」とされている(2026年9月確認)。悪質な場合は弁護士や警察(生活安全課)への相談が選択肢になる

文例:電話ではなくメールでの連絡に切り替えてもらう

電話で話すこと自体を避けたい場合、一度だけ返信して窓口を固定してしまう方法がある。

件名:ご連絡の件について

〇〇部長

お電話をいただいたようで恐れ入ります。
現在、電話でのやり取りが難しい状況のため、
恐れ入りますが、ご用件はメールにてお知らせいただけますでしょうか。

確認のうえ、できるだけ早くご返信いたします。

〇〇(氏名)

このメールを送っておくと、以後の連絡が書面(メール)に残る形になる。「言った・言わない」を防げるだけでなく、応じる必要がある用件かどうかを、電話口でその場で判断せずに済むようになる。

退職代行を使った場合、本人への直接連絡は原則ない

退職代行を利用して退職した場合、会社との連絡窓口は代行業者になる。会社が本人に直接連絡してくることは原則想定されていないが、代行業者とすぐに連絡がつかない場合や、貸与品の返却など急ぎの用件があるときに、会社が本人へ直接連絡してくることもあると労働問題を扱う複数の弁護士事務所の解説記事で説明されている(2026年9月確認)。その場合は「退職代行を通してご連絡ください」と伝え、詳細は代行業者に共有するとよい。

  • 私物の返却や必要書類の送付先の確認など、事務的な連絡は代行業者経由で進められる

  • 本人に直接何度も連絡が来る、退職を撤回するよう迫られるといった状況が続く場合は、契約している代行業者や、弁護士対応のサービスに状況を伝えて対応してもらう

  • PR:弁護士法人ガイア

※いずれも2026年8月時点の調査。料金・対応範囲は各社サイトで要確認。

チェックリスト:会社から電話・呼び出しが来たら確認する4つ

  • □ 用件は何か(書類・返却物・引継ぎ・撤回の説得など)を、電話に出る前後で言葉にして整理したか
  • □ 自分の利益に関わる連絡(離職票・源泉徴収票など)を、無視して埋もれさせていないか
  • □ 応じる義務が無い用件について、電話口でその場で長時間対応してしまっていないか
  • □ 連絡が繰り返し・執拗になっている場合、メール等の書面でのやり取りに切り替える提案をしたか

次にやること

会社から電話や呼び出しが来たら、出るかどうかより先に用件を確認する。自分の利益に関わる書類の話なら対応し、それ以外の説得や呼び出しなら、メールでのやり取りに切り替えるよう1通送っておく。

出典(2026年9月9日調査)

  • e-Gov法令検索「民法」第623条(雇用) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (「雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し…」の条文を確認。本文の記載と一致)
  • e-Gov法令検索「民法」第1条第2項(基本原則・信義則) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」の条文を確認。本文の記載と一致)
  • e-Gov法令検索「民法」第206条(所有権の内容) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する」の条文を確認。本文の記載と一致)
  • e-Gov法令検索「民法」第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (「解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」の条文を確認。本文の記載と一致)
  • e-Gov法令検索「民法」第709条(不法行為による損害賠償) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (「故意又は過失によって他人の権利又は法律上の利益を侵害した者は…損害を賠償する責任を負う」の条文を確認。本文の記載と一致)

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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