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退職金の振込はいつ?目安は1〜2か月、遅いときの確認先と相談先

この記事の結論
  • 退職金の支払時期に一律の法律上の期限はなく、就業規則・退職金規程で定めた時期に支払えば足りるとする行政解釈がある(労働基準法23条は「退職から7日以内」だが、これは請求時に定めがない場合の話。行政解釈は昭和26年12月27日基収第5483号・昭和63年3月14日基発第150号。原文で確認済み)
  • 一般的な目安は退職後1〜2か月以内(三井住友信託銀行等の解説)
  • 振込が遅いときは①就業規則の支給時期条項を確認②会社の人事・総務に問い合わせ③応じない場合は労働基準監督署に相談、の順で対応する
  • 退職金請求権の消滅時効は5年(労働基準法115条)で、昭和63年(1988年)4月に2年から5年へ延長されたもの。2020年改正では変更なし
ぜんたいの流れ
  1. 1退職
  2. 2就業規則で時期確認
  3. 3目安期間を待つ
  4. 4会社へ問い合わせ
  5. 5労基署へ相談
この記事の内容
  1. 結論:退職金の振込時期は就業規則で決まる。目安は1〜2か月
  2. なぜ法律で一律の期限が決まっていないのか
  3. まず確認すること:就業規則・退職金規程
  4. 目安の期間を過ぎても振り込まれないときの動き方
  5. 退職金には時効がある:5年で請求できなくなる
  6. 実体験について
  7. 次にやること

退職金がいつ振り込まれるのか分からず、不安になっている人向けの記事です。 結論から言うと、退職金の支払時期に一律の法律上の期限はなく、会社の就業規則・退職金規程で定めた時期に支払われます。目安は退職後1〜2か月以内が一般的ですが、それを過ぎても振り込まれない場合にまず何を確認し、どこに相談すればいいかをこの記事で整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 退職金がいつ振り込まれるのか、会社から具体的な案内がない
  • 「そろそろのはず」と思っていた時期を過ぎても振り込まれていない
  • 会社に催促していいのか、催促するとしたらどこに言えばいいのか分からない

結論:退職金の振込時期は就業規則で決まる。目安は1〜2か月

論点 結論
退職金の振込時期に法律上の期限はあるか 一律の期限はない。就業規則・退職金規程で定めた時期に支払えば足りるとする行政解釈がある
一般的な目安 退職後1〜2か月以内が多いとされる(実務上の相場。法律上の期限ではない)
まず何を見ればいいか 就業規則・退職金規程の「支払時期」条項
目安を過ぎても振り込まれないときは まず会社の人事・総務に問い合わせる
それでも解決しないときは 労働基準監督署に相談する
請求権はいつまで有効か 退職金請求権の消滅時効は5年(労働基準法115条)
ここが要点

ポイントは「退職金は”待てば必ず来る”ものではあるが、待つ期限は会社ごとに違う」ということです。まず自分の会社の就業規則にどう書かれているかを確認するのが最初の一歩です。

なぜ法律で一律の期限が決まっていないのか

労働基準法23条(金品の返還)には、次のように定められています。

使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。

(出典:労働基準法23条。taishoku/laws/労働基準法.txt収録の条文原文で確認)

「7日以内」という数字だけを見ると、退職金も7日以内に支払われるはずだと思うかもしれません。ですが、この7日以内のルールは「支払時期についてあらかじめ定めがない場合」を想定したものです。退職金については、就業規則等であらかじめ支払時期を定めている場合、その定めた時期に支払えば足りるとする行政解釈があります(昭和26年12月27日基収第5483号、昭和63年3月14日基発第150号)。この2つの通達番号は、厚生労働省労働基準局が編纂した「労働基準法関係解釈例規」(昭和63年3月14日基発第150号として発出されたもの)の中に「退職手当の支払時期:退職手当は、通常の賃金の場合と異なり、予め就業規則等で定められた支払時期に支払えば足りるものである」という項目として実際に記載されており、原文で確認できました。

つまり、多くの会社の退職金規程にある「退職金は退職後〇か月以内に支払う」という条項は、それ自体が法律違反ではありません。会社が独自に定めた期限のとおりに支払われていれば、法的には問題がないということです。

まず確認すること:就業規則・退職金規程

退職金がいつ振り込まれるかを知りたいときは、まず自分の会社の就業規則・退職金規程を確認してください。多くの場合、次のような項目が記載されています。

確認する項目 見るポイント
支給対象者の範囲 勤続年数や退職理由(自己都合・会社都合)によって支給の有無・金額が変わる場合がある
支払時期 「退職後〇か月以内」「翌々月の給与支払日」など、具体的な期限が書かれているか
支給方法 一括振込か、分割か

就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する事業場では作成・届出が義務付けられており(労働基準法89条)、労働者に周知する義務もあります。手元にない場合は、人事・総務に「退職金規程を見せてほしい」と伝えれば確認できるはずです。

一般的な目安としては、退職後1〜2か月以内に振り込まれるケースが多いという解説が複数のサイトで紹介されています(三井住友信託銀行、労働問題を扱う法律事務所の解説等)。ただし、これはあくまで実務上の相場であり、法律で決まった期限ではありません。就業規則に「6か月以内」などより長い期限が定められている場合、その期限内であれば違法ではないとされています。

目安の期間を過ぎても振り込まれないときの動き方

就業規則で定められた期限を過ぎても振り込まれない場合、次の順番で動くことをおすすめします。

  1. 会社の人事・総務に問い合わせる:電話だけでなく、メールなど記録に残る方法で「就業規則に定められた支払時期を過ぎているが、いつ振り込まれるか」を確認する
  2. 書面での催促を検討する:問い合わせても反応がない、曖昧な返答が続く場合は、内容証明郵便などで請求すると記録が残る
  3. 労働基準監督署に相談する:就業規則・退職金規程で支給が定められている退職金は、法的にも賃金としての性質を持つとされ、正当な理由なく支払われない場合は労働基準法違反にあたりうる。相談すると調査や指導が行われることがある
ここが要点

会社が倒産していた、担当者が退職して連絡が取れないといった事情がある場合も、まずは労働基準監督署に相談してください。一人で抱え込む必要はありません。

話し合いで解決しない場合、最終的には弁護士に相談したうえで労働審判や民事訴訟という選択肢もあります。ただし、ここまで進むケースは多くなく、まずは就業規則の確認と会社への問い合わせで解決することがほとんどです。

退職金には時効がある:5年で請求できなくなる

退職金を受け取る権利(退職金請求権)には、消滅時効があります。厚生労働省のリーフレットには、次のように明記されています。

※退職金請求権(現行5年)などの消滅時効期間に変更はありません。

(出典:厚生労働省リーフレット「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」)

退職金請求権の消滅時効は、労働基準法の制定当初は他の賃金請求権と同じ2年でしたが、①退職金は高額になりやすく資金調達に時間がかかること、②労使間で受給をめぐる争いが生じやすいこと、③退職した労働者にとって権利行使が定期賃金の請求より容易ではないこと、を理由に昭和63年(1988年)4月から5年に延長されました(出典:厚生労働省「賃金等請求権に関する消滅時効の在り方に関する検討会」資料、労働基準法コンメンタールの引用箇所で確認 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000189822.pdf)。2020年4月の労働基準法115条改正では、通常の賃金請求権の消滅時効が2年から5年(当分の間は3年。労働基準法附則143条3項)に延長されましたが、退職金請求権はこの時点ですでに5年だったため、この改正による変更はありませんでした。

つまり、退職金が振り込まれないまま放置していても、退職から5年以内であれば請求する権利自体は残っています。とはいえ、時間が経つほど会社側の担当者が変わったり資料が失われたりして交渉が難しくなるため、振込予定時期を過ぎて気づいた時点で早めに確認するに越したことはありません。

実体験について

私の場合

私自身は2026年6月末に前職を退職しましたが、退職金の受け取りに関する実体験は本記事の材料として使えるものがありませんでした。この記事の内容は、労働基準法の条文と厚生労働省の資料、複数の社会保険労務士・法律事務所の解説をもとに、退職金の振込時期について調査した範囲で整理したものです。

次にやること

まず、自分の会社の就業規則・退職金規程を確認し、退職金の支払時期がいつと定められているかを見てください。 手元にない場合は人事・総務に依頼すれば確認できます。定められた期限をすでに過ぎている場合は、記録に残る方法(メール等)で会社に問い合わせるところから始めてください。


※本記事は2026年9月時点の一般的な情報整理です。退職金の支給有無・金額・支払時期は会社の就業規則・退職金規程によって異なります。判断に迷う場合は、所轄の労働基準監督署または弁護士にご確認ください。

出典(2026年9月確認) - 労働基準法23条(金品の返還):条文原文(taishoku/laws/労働基準法.txt)で確認 - 労働基準法89条(就業規則の作成及び届出の義務):条文原文(taishoku/laws/労働基準法.txt)で確認 - 退職手当の支払時期に関する行政解釈(昭和26年12月27日基収第5483号、昭和63年3月14日基発第150号):厚生労働省労働基準局編纂「労働基準法関係解釈例規」原文で確認 - 退職金請求権の消滅時効(労働基準法115条・現行5年):厚生労働省リーフレット https://www.mhlw.go.jp/content/000617974.pdf 、昭和63年4月に2年から5年へ延長された経緯は厚生労働省「賃金等請求権に関する消滅時効の在り方に関する検討会」資料 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000189822.pdf 、2020年改正時の経過措置は労働基準法附則143条3項(taishoku/laws/労働基準法.txt)で確認 - 退職金の一般的な振込時期の目安:三井住友信託銀行 https://www.smtb.jp/personal/useful/market-column/happy-retirement/column_15

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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