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簿記3級と簿記2級の違い、転職で評価されるのはどちらか

この記事の結論
  • 経理・会計職への未経験転職を目指すなら、事実上のボーダーラインは2級である
  • 3級は「簿記の基礎知識がある」ことの証明にとどまり、経理職の求人では2級以上を条件にするケースが多いと専門転職エージェントの解説記事で報告されている(2026年9月確認)
  • 2級の合格率は直近で15〜24%程度、3級は29〜42%程度で推移しており、2級は3級より明確に難易度が上がる(日本商工会議所公表データ)
  • 学習時間の目安は3級が50〜100時間、2級が200〜300時間とされる
  • 経理以外の職種(営業事務・独立準備・家計管理の延長)であれば3級の知識で足りる場面も多く、目的次第で答えが変わる
この記事の内容
  1. 結論:目的別に見る3級と2級の違い
  2. 3級で証明できること・できないこと
  3. 2級が経理求人で評価される理由
  4. 合格率と学習時間で見る難易度の差
  5. 経理以外の職種なら3級で足りる場合もある
  6. 受験料と試験形式
  7. 失業保険・教育訓練給付金との関係
  8. 実体験について、正直に書きます
  9. 次にやること

退職を機に学び直しを考えていて、日商簿記の3級と2級のどちらを目指すか迷っている人向けの記事です。 結論から言うと、経理・会計職への未経験転職を目指すなら、事実上のボーダーラインは2級です。3級は「簿記の基礎知識がある」ことの証明にとどまり、経理職の求人では2級以上を条件にしているケースが多いと報告されています。ただし目指す職種によっては3級で十分な場合もあるため、この記事では合格率・学習時間の実データと、求人での扱われ方の両面から整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 簿記の勉強を始めたいが、3級と2級のどちらから目指すべきか決められない
  • 「2級まで取らないと意味がない」と聞いたことがあるが、自分の目指す職種でも本当にそうなのか分からない
  • 働きながら、または失業中に、どのくらいの学習時間を見込んでおけばいいのか知りたい

結論:目的別に見る3級と2級の違い

目的 向いている級 理由
経理・会計職への未経験転職 2級 求人条件に「日商簿記2級以上」が入っているケースが多いと報告されている(経理専門転職エージェントの解説、後述)
営業事務・一般事務職への転職 3級で足りる場合が多い 請求書・伝票処理など日常業務の理解に必要な基礎知識は3級の範囲でおおむねカバーできる
独立・副業(フリーランス経理代行等)の準備 2級以上が実務上望ましい 商業簿記に加え工業簿記(原価計算)まで扱えないと、対応できる業務の幅が限られる
家計管理・お金の基礎教養として 3級で十分 そもそも転職での評価を目的としていないため、資格の「効き目」を気にする必要が薄い
ここが要点

この記事で一番伝えたいのは、「3級と2級、どちらが優れているか」という比較では答えが出ないということです。「転職で何を証明したいか」によって必要な級が変わります。次の見出しから、それぞれの級が何を証明できるのかを具体的に見ていきます。

3級で証明できること・できないこと

日商簿記3級は、個人商店・中小企業を想定した「商業簿記」の基礎(仕訳・伝票・決算の一連の流れ)を扱う級です。合格すれば、日々の取引を帳簿に記録し、簡単な決算書を作れる程度の知識があることを証明できます。

一方で、3級の範囲には工業簿記(原価計算)や、株式会社を前提としたより複雑な会計処理は含まれていません。そのため、経理職の求人票では「簿記3級歓迎」という表現があっても、多くは「未経験でも構わないが、簿記の基礎用語が分かっているとなお良い」程度の位置づけで扱われている場合が多く、3級だけで即戦力として評価されることは少ないと考えられます。

2級が経理求人で評価される理由

日商簿記2級は、3級の商業簿記に加えて工業簿記(原価計算)が加わり、株式会社の会計処理をより実務に近い形で扱います。この範囲の広さから、経理・会計専門の転職エージェントの解説記事では、未経験者向けの経理求人であっても「日商簿記2級以上」を応募条件・歓迎条件にしている企業・事務所が多いと報告されています(MS-Japan、ジャスネットキャリア等の解説記事、2026年9月確認)。

これらは求人票そのものを集計した一次統計ではなく、各社の編集記事としての報告である点には注意が必要です。ただし複数の経理専門メディアが同じ傾向(未経験転職では2級が実質的な足切りラインになりやすい)を述べていることから、この記事では「2級が経理求人での評価の分かれ目になりやすい」という方向性自体は妥当だと判断しました。

ここが要点

「2級を持っていれば経理に転職できる」わけではありません。実務経験の無さを補う材料の一つにはなりますが、多くの解説記事は「2級+実務経験(アシスタント業務等)」の組み合わせが最も評価されやすいとも述べています。2級はあくまで「応募できる求人の選択肢を広げる」ための資格と捉えるのが実態に近いでしょう。

合格率と学習時間で見る難易度の差

3級と2級の難易度差は、日本商工会議所が公表している合格率にはっきり表れています(統一試験、2026年9月に一次データを確認)。

級 直近5回の合格率(統一試験) 目安の学習時間
3級 28.7%〜42.4%(第169回〜第173回、2025年2月〜2026年6月) 50〜150時間程度
2級 15.1%〜23.6%(第169回〜第173回、同期間) 200〜500時間程度

直近2回(第172回・第173回)の2級合格率は15.1%と、それ以前の20%台からさらに下がっており、年度・回によって難易度に変動があることも分かります。

学習時間の目安については、日本商工会議所の公式ページでは統計として公表されていません(本記事の調査で確認)。上記の数値は、資格予備校・転職メディア各社が独自に示している目安を集めたもので、情報源によって3級は50〜150時間、2級は200〜500時間程度と幅があります。学習経験の有無や、平日にどれだけ時間を確保できるかによって大きく変わるため、あくまで目安として捉えてください。

ここが要点

2級は3級の延長ではなく、範囲(工業簿記の追加)と学習時間(数倍程度)の両方で一段階負荷が上がります。失業保険・教育訓練給付金の受給期間中に2級までを目指す場合は、期間内に学習時間を確保できるかを先に見積もっておくことをおすすめします。

経理以外の職種なら3級で足りる場合もある

転職先が経理・会計職でない場合、2級までは不要なケースも多くあります。

  • 営業事務・一般事務: 請求書処理や経費精算の理解に3級の知識で対応できる場面が多い
  • 販売・接客からのキャリアチェンジ: 「数字に強い」ことのアピール材料として3級を取得するケースがある
  • 将来の独立・副業を見据えた基礎教養: まず簿記の全体像を掴む段階では3級から始めるのが自然

「転職で有利になるかどうか」だけでなく、「今の自分に必要な知識の範囲はどこまでか」で考えると、無理に2級まで進まなくてよい場合もあります。

受験料と試験形式

日商簿記は、指定会場で実施される「統一試験」(年3回、2月・6月・11月実施)と、随時受験できる「ネット試験(CBT方式)」の2方式があり、いずれも同じ難易度・出題範囲とされています(日本商工会議所検定試験サイト、2026年9月確認)。試験時間・合格基準は3級が60分・70%以上、2級が90分・70%以上です(同サイトで確認)。

受験料は、2024年4月1日施行分から3級3,300円・2級5,500円(いずれも税込)に改定されています(日本商工会議所「2024年度からの『商工会議所検定試験』の受験料に関するお知らせ」、2026年9月確認)。ネット試験の場合はこれに加えて事務手数料550円(税込)が別途かかります。二次的な情報源で見られる「3級2,850円・2級4,720円」という金額は2024年3月までの旧料金であり、現在は上記の金額に置き換わっています。改定される可能性もあるため、受験前に最寄りの商工会議所または統一試験・ネット試験の申込ページで最新の受験料を確認してください。

失業保険・教育訓練給付金との関係

退職後に簿記の学習を始める場合、失業保険(基本手当)を受給しながら学習すること自体は、通学スタイルによっては可能ですが、この記事の範囲では扱いません(別記事失業保険をもらいながらプログラミングスクールに通えるかを参照)。

また、簿記の講座を厚生労働大臣指定のスクールで受講する場合、教育訓練給付金の対象になっていることもあります。給付金制度の全体像は教育訓練給付金とは|一般・特定一般・専門実践の3種類の違いを、独学かスクールかで迷っている場合は次の記事簿記2級は独学で取れるか|学習時間とスクールの使いどきを参照してください。

実体験について、正直に書きます

私の場合

私自身は2026年に前職を会社都合で退職し、離職票を受け取ってハローワークで失業保険の手続きをした実体験はありますが、日商簿記を受験した経験はありません。そのため、この記事の合格率・学習時間・求人での評価に関する記述は、自分の体験ではなく、日本商工会議所の公式データと、経理・会計専門の転職エージェントの解説記事を調査した範囲で整理したものです。

次にやること

経理・会計職への転職を考えているなら、まず自分が応募したい求人の応募条件を数件確認し、「簿記3級」なのか「簿記2級以上」なのかを見てください。2級を条件にする求人が多ければ、学習時間200〜500時間程度を見込んで2級から逆算した学習計画を立てるのが現実的です。経理以外の職種を目指しているなら、3級から始めて、必要性を感じたときに2級へ進む形で問題ありません。独学かスクールかで迷う場合は、簿記2級は独学で取れるか|学習時間とスクールの使いどきを参考にしてください。

退職を機に学び直しを考えている場合、退職の進め方自体に迷っているなら退職代行の利用も選択肢の一つです。


※本記事は2026年9月時点で確認できた情報の整理です。合格率・受験料・求人条件は変動するため、実際の受験・応募にあたっては日本商工会議所の公式サイトおよび求人票で最新の内容をご確認ください。

出典 - 日本商工会議所「簿記 2級・3級受験者データ(統一試験)」https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class2 、https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class3 (2026年9月1日確認) - 日本商工会議所「簿記 3級」試験情報ページ https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3 、https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3/exam (2026年9月1日確認) - 日本商工会議所「簿記 2級」試験情報ページ https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class2/exam (2026年9月1日確認) - 日本商工会議所「2024年度からの『商工会議所検定試験』の受験料に関するお知らせ」https://www.kentei.ne.jp/42846 (2026年9月1日確認) - 日本商工会議所「日商簿記検定試験(2級・3級・簿記初級・原価計算初級)ネット試験について」https://www.kentei.ne.jp/33013 (2026年9月1日確認) - 日本商工会議所「『日商簿記検定試験(2級・3級)』へのネット試験方式の追加について」https://www.kentei.ne.jp/31498 (2026年9月1日確認) - MS-Japan「日商簿記2級で経理や会計事務所に転職できる?未経験から採用されるコツを解説」https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/11740.html (2026年9月確認) - ジャスネットキャリア「第二新卒でも日商簿記2級があれば経理に転職可能!未経験でもOKな転職先を紹介」https://career.jusnet.co.jp/keiri/keiri_81_01.php (2026年9月確認)

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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