退職前にやることリスト
- 1退職を決める
- 2通院・受診を済ませる
- 3私物を整理する
- 4返却物を確認する
- 5有給消化を相談する
- 6引き継ぎを進める
退職を決めたけれど、何から手をつければいいか分からない人向けの記事です。結論を先に言うと、退職を伝える前後で一番後回しにされやすいのが「今の保険証で通院を済ませておくこと」です。この記事では、退職前にやることを時系列で並べ、特に見落としやすい通院のタイミングを詳しく説明します。
- 退職は決めたが、何から手をつけていいか分からない
- 引き継ぎや有給消化のことで頭がいっぱいで、通院や書類まで手が回っていない
- 「保険証、いつまで使えるんだっけ」と気になっている
結論:退職前にやることリスト
| 時期 | やること | 関連記事 |
|---|---|---|
| 退職を決めたらすぐ | 定期通院・歯科治療・処方薬の残数を確認する | この記事 |
| 退職を伝える前 | 有給休暇の残日数を確認する | 記事021 |
| 退職を伝える前 | 就業規則の退職予告期間を確認する | 記事024 |
| 伝えたあと〜最終出社まで | 通院で区切りがつくところまで受診を済ませる | この記事 |
| 伝えたあと〜最終出社まで | 私物を少しずつ持ち帰る | 記事128(私物の回収) |
| 最終出社日 | 会社への返却物(社員証・制服・鍵・PC等)をまとめる | 記事046 |
| 最終出社日 | 雇用保険被保険者証・年金手帳の所在を確認する | 記事024 |
| 退職日 | 保険証を返却する。この日までしか使えない | この記事 |
一番の見落としは、「保険証は退職日までしか使えない」という事実そのものを、退職を伝えるまで意識していないことです。通院中の人は、伝える前に確認しておいてください。
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なぜ「保険証があるうちに」なのか
会社の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)の資格を失うのは、退職日の翌日です。
健康保険法36条2号では、被保険者が「その事業所に使用されなくなったとき」に該当した日の翌日から資格を失うと定められています(厚生労働省 法令データベース、2026年8月確認)。協会けんぽの案内でも、「保険証・資格確認書の使用は退職日まで」「翌日からはそれまでの保険資格では受診できない」と明記されています(協会けんぽ宮城支部公式サイト、2026年8月確認)。
つまり、退職日を過ぎた瞬間に、これまでの保険証は使えなくなります。
次の保険(国民健康保険・任意継続・家族の扶養、記事015)への切り替えには、それぞれ手続きの期限があります。国民健康保険は資格取得の事由が生じてから14日以内に市区町村へ届出が必要です(国民健康保険法施行規則第3条、厚生労働省 法令データベースで条文を確認、2026年8月確認)。会社の保険を任意継続する場合は、資格を喪失した日から20日以内に申出が必要です(健康保険法第37条、本サイト保有の法令全文で条文を確認済み)。届出の期限内であっても、実際に保険証が交付されるまでの間に病院にかかると、資格が無いので使えず、いったん医療費の全額(10割)を自分で立て替えることになる場合があります。
全額を立て替えたあとでも、協会けんぽに療養費支給申請書・領収書・診療明細書を提出すれば、健康保険が負担するはずだった7〜9割分の払い戻しを受けられます(協会けんぽ公式サイト「立替えで医療費を全額負担したとき(療養費)」、2026年8月確認)。ただし申請の手間と時間がかかるため、先に済ませておけるものは、在職中に済ませておくほうが手間が少ないということです。
通院で済ませておきたいこと
「保険証があるうちに」で具体的に確認しておきたいのは、次のようなことです。
- 今かかっている病院・歯科の治療に区切りがつくか確認する — 歯科の詰め物や矯正など、複数回の通院が前提の治療は、途中で保険が切り替わると自己負担の計算がややこしくなります。区切りのつくところまで進めておくと安心です
- 処方薬の残数を確認する — 退職後すぐに次の保険証が使えるとは限りません。空白期間分の薬が足りるか、かかりつけ医に相談しておくと安心です
- コンタクトレンズ・眼鏡の処方箋を更新するか確認する — 保険適用の検査を受けるなら、在職中のほうが手続きが単純です
- 健康診断・人間ドックの結果が出ているか確認する — 会社の健康診断で経過観察・要受診と言われている項目があれば、退職前に病院へつないでおくと、次の保険への切り替え中に放置せずに済みます
これらは制度としての決まりではなく、「保険の切り替えで手続きが止まっている間に、通院の予定が止まらないようにする」ための実務上の工夫です。持病がなく、通院の予定も無い人には関係ありません。
心身の不調がある場合は、退職の手続きより先に医師・産業医に相談してください。この記事は医療判断をするものではありません。
私物・返却物・書類の確認
通院以外にも、退職前に確認しておくと当日慌てないものがあります。
- 私物 — 机やロッカーの中身は、伝えたあとに少しずつ持ち帰っておくと、最終出社日にまとめて運ぶ必要がなくなります(詳しくは記事128)
- 会社への返却物 — 社員証・制服・鍵・貸与PC・携帯電話など。最終出社日にまとめて用意しておくと、当日の手続きがスムーズです(詳しくは記事046)
- 雇用保険被保険者証・年金手帳 — 会社が保管しているケースがあります。退職前に所在を確認しておくと、退職後の手続きで焦りません(記事024)
- 離職票・源泉徴収票が届く見込み — いつ届くかを会社の担当者に確認しておくと、届かないときに気づきやすくなります(記事014・023)
有給消化・引き継ぎとの兼ね合い
通院や私物整理は、有給消化・引き継ぎのスケジュールと重なります。
残っている有給休暇の日数を先に確認し(記事021)、引き継ぎに必要な日数と合わせて、最終出社日までの流れを組み立ててください。通院の予定がある場合は、この段階で「いつ病院に行く時間を確保するか」も一緒に決めておくと、後から慌てずに済みます。
退職までの準備を月単位で逆算した表は、記事024にまとめています。合わせて確認してください。
実体験について
私自身は2026年6月末に会社都合で退職しましたが、退職前に通院や治療の区切りをどう付けたかについては、自分の記録としてまだ整理できていません。この記事の通院に関する部分は、調査した範囲での一般的な注意点にとどめ、体験として書くことはしません。健康保険の切り替え自体(国民健康保険を選んだこと)については、記事015に実体験として書いています。
次にやること
退職を決めたら、まず「今かかっている病院・歯科があるか」「処方薬の残数は足りるか」を確認してください。 通院中のものがあれば、退職日までに区切りがつくかをかかりつけ医に相談し、そのうえで有給消化や引き継ぎのスケジュールを組み立てます。保険証は退職日の翌日から使えなくなるという事実を、退職を伝える前に頭に入れておくだけで、当日以降の受診で慌てずに済みます。
※本記事は2026年8月時点の情報整理です。健康保険法36条2号(資格喪失日)・協会けんぽの療養費制度は公式情報で確認していますが、歯科治療の区切りや処方薬の残数調整など個別の医療に関わる判断は、必ずかかりつけの医師・歯科医師にご相談ください。心身の不調がある場合は、手続きより先に医師・産業医にご相談ください。
出典(2026年8月確認) - 健康保険法36条2号(資格喪失の時期):厚生労働省 法令データベース https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84024000&dataType=0 - 健康保険法37条(任意継続被保険者の申出は資格喪失日から20日以内):厚生労働省 法令データベース https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84024000&dataType=0 - 国民健康保険法施行規則第3条(資格取得の届出は事由発生から14日以内):厚生労働省 法令データベース https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84082000&dataType=0 - 協会けんぽ宮城支部公式サイト「マイナ保険証や資格確認書の使用について」(保険証・資格確認書の使用は退職日まで、資格喪失日は退職日の翌日) https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/miyagi/public_relations/019/index.html - 協会けんぽ公式サイト「立替えで医療費を全額負担したとき(療養費)」(自己負担割合を除いた分が払い戻される) https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r308/ - 本サイト記事014(離職票)・015(健康保険)・021(有給消化)・023(源泉徴収票)・024(退職準備の逆算表)・046(返却物)