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40代からのリスキリング

この記事の結論
  • 40代のリスキリングは、資格の人気度ではなく「対象講座の種類(一般・特定一般・専門実践)」と「取得までの期間」から逆算して選ぶほうが現実的
  • 特定一般教育訓練給付金の対象講座(介護・IT実務系など)は、比較的短期間で再就職に直結しやすい
  • 一般教育訓練給付金の対象講座(社労士・行政書士・簿記など)は、40代までの社会人経験と相性が良い分、学習期間が長くなりやすい
  • 専門実践教育訓練給付金は給付率が最も高いが、対象は看護師・介護福祉士などの国家資格養成課程に限られ、受講期間も長い
この記事の内容
  1. 結論:分野選びは「対象講座の種類」と「期間」から逆算する
  2. 40代が分野選びで迷いやすい理由
  3. 選択肢1:IT・デジタル系|特定一般教育訓練給付金の対象講座
  4. 選択肢2:介護・福祉系|人手不足が指摘される分野
  5. 選択肢3:士業・事務系資格|社会人経験と相性が良い分野
  6. 3つの分野を比較する
  7. 40代だからこそ有利な点もある
  8. 実体験について、正直に書きます
  9. 次にやること

この記事は、40代で退職や転職を考えていて、「学び直しをしたいが、何を学べば給付金の対象になり、かつ実際に役立つのか分からない」人に向けて書いています。 結論から言うと、40代のリスキリングは「人気がある資格」や「話題になっている分野」から選ぶのではなく、教育訓練給付金の対象講座の種類(一般・特定一般・専門実践)と、取得までにかかる期間から逆算して選ぶほうが現実的です。この記事では、40代が選びやすい現実的な分野を、給付金の仕組みに沿って整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 学び直しに興味はあるが、何から手を付ければいいか分からない
  • 資格の情報を調べるほど、選択肢が多すぎて逆に決められなくなる
  • 40代からの挑戦が、若い人と同じ土俵での競争になるのが不安

結論:分野選びは「対象講座の種類」と「期間」から逆算する

教育訓練給付金には、給付率も対象講座もまったく違う「一般」「特定一般」「専門実践」の3種類があります(教育訓練給付金とは|一般・特定一般・専門実践の3種類の違い)。40代からのリスキリングを考えるとき、まず「どの分野が人気か」ではなく、「自分が現実的にかけられる期間」と「その期間で対象になる講座の種類」を先に決めるほうが、遠回りになりません。

ここが要点

つまり、半年以内に結果を出したいのか、2〜3年かけて国家資格を取り直す覚悟があるのかで、選ぶべき講座の種類が変わります。この記事では、期間の目安で分野を3つに分けて紹介します。

40代が分野選びで迷いやすい理由

40代の学び直しでよく起きるのが、「せっかく学ぶなら」という思いから、難易度の高い資格や、取得まで数年かかる分野に手を伸ばしてしまうことです。意欲があること自体は悪いことではありませんが、在職中に時間を確保しづらい年代でもあるため、学習期間が長引くほど途中で挫折するリスクも上がります。

反対に、「40代からでは遅い」と感じて、学び直し自体をあきらめてしまう人もいます。ただし、教育訓練給付金の対象講座には、数か月〜1年程度で修了できるものも多くあります。まずは「自分にとって現実的な期間」を先に決めることが、遠回りをしない一番の近道です。

ここが要点

40代の学び直しに「正解の分野」はありません。ここで紹介する3つは、あくまで給付金の対象講座の傾向から見た選択肢の整理であり、どれを選ぶべきかは、これまでの職歴や今後働きたい業界によって変わります。

選択肢1:IT・デジタル系|特定一般教育訓練給付金の対象講座

特定一般教育訓練給付金の対象講座には、情報通信技術関係の資格が含まれています。たとえば基本情報技術者試験などのITSSレベル2に相当する講座は、特定一般の対象講座の例として挙げられています(教育訓練給付金とはの一般・特定一般の対象講座一覧を参照)。給付率は受講費用の40%(修了のみ)で、資格取得のうえで修了後1年以内に雇用されると50%まで上乗せされます(雇用保険法施行規則第百一条の二の七第二号・第三号)。

IT・デジタル分野は、前職での業界を問わず、事務職・管理職などの経験があれば実務理解が早い人も多い分野です。ゼロからプログラマーを目指すというより、業務でITツールを使う立場・ITと現場をつなぐ立場としてのスキルを身につける、という考え方のほうが、40代からの現実的な選び方に近いと言えます。

選択肢2:介護・福祉系|人手不足が指摘される分野

介護分野では、介護職員初任者研修や介護支援専門員実務研修が特定一般教育訓練給付金の対象講座の例として挙げられています(教育訓練給付金とは)。介護職員初任者研修は数週間〜数か月程度で修了できる入門的な講座で、未経験からでも始めやすい設計になっています。

介護・福祉分野の人手不足は数字にも表れています。厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、介護サービス職業従事者の有効求人倍率は3.63倍(令和8年3月、パートを含む常用)で、全職業計の1.10倍を大きく上回ります(厚生労働省 参考統計表、2026年9月確認)。求職者1人に対して求人が3件以上ある計算で、未経験者を受け入れる求人も多い分野です。40代からの転職では、対人経験やマネジメント経験など、これまでの社会人経験がそのまま評価されやすい分野の一つでもあります。

介護福祉士など国家資格の養成課程まで進む場合は、専門実践教育訓練給付金の対象になり、給付率は最大80%まで上がりますが、その分、受講期間も長くなります(専門実践教育訓練給付金|受講費の最大80%が戻る条件)。

選択肢3:士業・事務系資格|社会人経験と相性が良い分野

社会保険労務士、行政書士、簿記検定などは、一般教育訓練給付金の対象講座の例として挙げられています(教育訓練給付金とは)。給付率は受講費用の20%(上限10万円)です(雇用保険法施行規則第百一条の二の七第一号・第百一条の二の八第一号)。

これらの資格は、労務・総務・経理といった実務経験がある40代にとって、学習内容と実務経験が重なりやすい分野です。ただし、いずれも合格までに長期間の学習を要する難関資格です。直近の合格率は、社会保険労務士試験が5.5%(第57回・令和7年度、受験43,421人・合格2,376人。厚生労働省の合格者発表による)、行政書士試験が14.54%(令和7年度、受験50,163人・合格7,292人。行政書士試験研究センター公表の試験結果による)です。なお「平均学習時間」については公的な統計が存在しないため、本記事では扱いません。独学・通信講座を含めた学習計画を、在職中の時間の使い方まで含めて現実的に見積もっておく必要があります。

3つの分野を比較する

分野 主な給付金の種類 期間の目安 向いている人
IT・デジタル系 特定一般(一部は一般) 数か月〜1年程度 業務でITツールを使ってきた人、現場とITをつなぐ役割を目指す人
介護・福祉系 特定一般(初任者研修等)〜専門実践(国家資格養成課程) 数週間(初任者研修)〜数年(国家資格) 対人経験・マネジメント経験がある人、未経験から始めたい人
士業・事務系資格 一般 数か月〜数年(資格による) 労務・総務・経理などの実務経験がある人
ここが要点

表の「期間の目安」は講座によって幅があります。実際にどの講座が対象になっているか、給付率がいくらかは、受けたい講座ごとに厚生労働省の検索システムで確認してください(教育訓練給付金の対象講座の探し方)。

40代だからこそ有利な点もある

教育訓練給付金には、受講開始日までの被保険者期間(雇用保険に加入していた期間)の要件があります。一般・特定一般教育訓練給付金は、通算3年以上(初めて給付を受ける場合は1年以上)という要件です(雇用保険法施行規則第百一条の二の七)。長く働き続けてきた40代は、若い世代に比べてこの被保険者期間の要件を満たしやすい傾向があります。

一方で、離職者が利用する場合は「被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)から受講開始日までが原則1年以内」という期限があります(教育訓練給付金とは)。退職を検討している段階で学び直しも視野に入れているなら、退職前にハローワークで自分の被保険者期間を照会しておくと、退職後に慌てずに済みます。

ここが要点

40代は「若手と同じ土俵で新しいことを始めるのは不利」と感じやすい年代ですが、被保険者期間の要件や、実務経験がそのまま評価される分野があることを考えると、必ずしも不利な条件ばかりではありません。

実体験について、正直に書きます

私の場合

私自身は2026年に会社都合で退職し、離職票を受け取ってハローワークで失業保険の手続きをした実体験はありますが、教育訓練給付金を利用してリスキリングをした経験はありません。退職後の生活の中で「学び直しをしたほうがいいのか」という思いがよぎったこと自体はありますが、実際に講座を選び、給付金を申請するところまでは進んでいないため、この記事の分野選びの整理は、自分の体験ではなく、厚生労働省が公開している対象講座の分類を調査した範囲でのものです。

次にやること

まず、自分にとって現実的な学習期間(数か月なのか、数年かけられるのか)を決めてください。そのうえで、この記事で紹介した3つの分野のうち、これまでの職歴や興味に近いものを選び、教育訓練給付金の対象講座の探し方を参考に、厚生労働省の検索システムで実際に対象講座を探してみることをおすすめします。制度の種類自体がまだ分からない場合は、先に教育訓練給付金とは|一般・特定一般・専門実践の3種類の違いを読むと、対象講座の見方が理解しやすくなります。

退職を機に学び直しを考えている場合、退職の進め方自体に迷っているなら退職代行の利用も選択肢の一つです。


※本記事は2026年9月時点で確認できた情報の整理です。給付率・対象講座・支給要件は制度改正により変わる可能性があり、有効求人倍率・合格率も毎月・毎年度更新されるため、実際の受講・申請にあたっては厚生労働省の公式サイトおよび最寄りのハローワークで最新の内容をご確認ください。

出典 - 雇用保険法施行規則第百一条の二の七、第百一条の二の八(教育訓練給付金の給付率・対象講座の区分。条文本文で確認、2026年9月1日確認) - 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」参考統計表7-1(職業別・パート含む常用): https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001695527.pdf (介護サービス職業従事者3.63倍・職業計1.10倍。親ページ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72811.html 、2026年9月6日確認) - 厚生労働省「第57回社会保険労務士試験の合格者発表」: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63952.html (令和7年度、受験43,421人・合格2,376人・合格率5.5%。2026年9月6日確認) - 一般財団法人行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験実施結果(都道府県別)」: https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/prefsummary.pdf (受験50,163人・合格7,292人・合格率14.54%。2026年9月6日確認) - 教育訓練給付金とは|一般・特定一般・専門実践の3種類の違い - 専門実践教育訓練給付金|受講費の最大80%が戻る条件 - 教育訓練給付金の対象講座の探し方|厚労省の検索システムの使い方

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退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

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