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住宅ローンがある人の退職

この記事の結論
  • 住宅ローンは金銭消費貸借契約に基づく債務で、退職・失業をしても返済義務は当然には消えない(民法587条)
  • 団体信用生命保険(団信)の基本保障は死亡・高度障害のみで、自己都合退職による失業は対象外が一般的
  • 返済が苦しくなったら滞納前に借入先の金融機関へ相談し、返済条件の変更(リスケジュール)を検討できる(免除ではなく総返済額が増える可能性がある点に注意)
  • これから住宅ローンを組む予定がある人は転職・退職のタイミングが審査に影響しうる。フラット35は勤続年数を審査基準にしていない点が民間ローンと異なる特徴とされる
ぜんたいの流れ
  1. 1退職を検討
  2. 2ローンの有無を確認
  3. 3既存者は返済確認
  4. 4新規者は審査確認
  5. 5苦しければ窓口相談
この記事の内容
  1. 結論:見る順番は「今の状態」で変わる
  2. すでに住宅ローンを組んでいる人:返済義務は退職しても消えない
  3. 団信は失業をカバーしない、よくある誤解
  4. 返済が苦しくなったら、まず金融機関に相談する
  5. これから住宅ローンを組む予定がある人:退職・転職は審査にどう影響するか
  6. 比較表:立場によって見るべき順番が変わる
  7. それでも辞めると決めたら
  8. 実体験について、正直に書きます
  9. 次にやること

この記事は、住宅ローンを組んでいる、またはこれから組む予定がある人で、退職を考えている人に向けて書いています。 結論から言うと、確認すべき順番は「今の自分がどちらの立場か」で逆転します。すでにローンを組んでいる人は「退職後も返済義務がどうなるか」を先に確認し、これから組む予定がある人は「退職・転職のタイミングが審査にどう影響するか」を先に確認する必要があります。

こんな状態ではありませんか
  • 住宅ローンが残ったまま辞めても大丈夫なのか、返済がどうなるのか分からない
  • 団体信用生命保険(団信)に入っているから、失業しても何とかなると思っていた
  • これから家を買う予定だが、転職・退職のタイミングを審査に響かせたくない

結論:見る順番は「今の状態」で変わる

住宅ローンと退職の関係を考えるとき、「住宅ローンがあるから辞められない」とひとまとめに考えてしまいがちですが、実際に確認すべきことは、今の自分がどちらの立場かによって変わります。

  • すでに住宅ローンを組んでいる人 → まず「退職しても返済義務がどうなるか」を確認する
  • これから住宅ローンを組む予定がある人 → まず「退職・転職のタイミングが審査にどう影響するか」を確認する

この2つは似ているようで、確認する制度も相談先もまったく別物です。順番を間違えると、必要ない不安を抱えたり、逆に必要な確認を後回しにしたりします。

すでに住宅ローンを組んでいる人:返済義務は退職しても消えない

住宅ローンは、金融機関との間で結んだ金銭消費貸借契約に基づく債務です。民法587条は、消費貸借について「当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる」と定めています。つまり、借りたお金は契約どおりに返す義務があり、退職や失業をしたからといって、この返済義務が当然に消えることはありません。

これは、退職代行を使って即日退職した場合でも同じです。退職代行は「辞める意思を会社に伝える」部分を代行するものであり、住宅ローンの契約自体には一切関与しません。

ここが要点

「退職すればローンもいったんリセットされる」というようなことはありません。辞めるかどうかとは別に、返済計画は自分で管理し続ける必要がある、という前提でこの先を読んでください。

団信は失業をカバーしない、よくある誤解

住宅ローンを契約する際、多くの金融機関で「団体信用生命保険(団信)」への加入が条件になっています。ここでよくある誤解が、「団信に入っているから、何かあっても大丈夫」というものです。

団信の基本的な保障は、契約者が死亡した場合、または所定の高度障害状態になった場合に、保険会社が住宅ローンの残債を金融機関に支払うというものです。自己都合退職による失業そのものは、この基本保障の対象に含まれないのが一般的です。

一部の金融機関では、病気やけがなどで働けない状態(就業不能)が一定期間続いた場合に給付金が出る「就業不能保障特約」をオプションとして用意している場合がありますが、これは基本保障とは別枠の商品であり、内容も金融機関ごとに異なります。

ここが要点

就業不能保障特約は、団信の基本保障(死亡・高度障害)とは別枠のオプションで、対象条件(何ヶ月働けない状態が続いたら給付対象になるか等)は金融機関ごとに異なります(三井住友銀行の公式解説で確認。2026年8月31日確認)。全国共通の基準は存在しないため、自分が契約している団信の内容は、契約時の書類か借入先の金融機関に直接確認してください。

返済が苦しくなったら、まず金融機関に相談する

退職・失業をきっかけに収入が途絶え、住宅ローンの返済そのものが苦しくなる場合もあります。ここで重要なのは、滞納が始まる前に、借入先の金融機関に自分から連絡することです。

事情を伝えて相談すると、返済期間の延長や毎月の返済額の減額、一時的な返済の猶予といった「返済条件の変更(リスケジュール)」に応じてもらえる可能性があります(住宅ローン滞納・任意売却の相談を扱う複数の専門機関の解説に基づく)。

ここが要点

リスケジュールは返済の免除ではありません。返済期間が延びれば、その分の利息が加算され、総返済額は増える可能性があります。「一時的に苦しい期間を乗り切るための制度」であって、根本的な解決策ではない、という点は理解しておいてください。

なお、失業保険(基本手当)は退職後の生活費を補うための給付であり、住宅ローンの返済のために設計された制度ではありません。給付制限期間や所定給付日数によっては、退職後すぐにまとまった金額が振り込まれるわけでもないため、退職前に「何ヶ月分の返済を貯蓄でまかなえるか」を計算しておくことが、相談のタイミングを判断する材料になります。

これから住宅ローンを組む予定がある人:退職・転職は審査にどう影響するか

一方、これから住宅ローンを組む予定がある人にとっては、話が変わります。多くの民間金融機関の住宅ローン審査では、勤続年数や雇用形態(正社員かどうか)、年収の安定性が確認項目に含まれており、転職・退職の直後は、審査で不利に働く可能性があります。

ここが要点

「勤続年数◯年以上」という具体的な基準は金融機関ごとに異なり、全国共通の基準はありません。三井住友銀行の公式コラムでも「勤続年数の基準は金融機関によって異なる」とされており、具体的な年数までは示されていません(2026年8月31日確認)。申込みを予定している金融機関に個別に確認してください。

これに対して、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」は、公式のご利用条件に勤続年数の記載がなく、審査基準として設けられていません(住宅金融支援機構【フラット35】公式サイトのご利用条件ページで確認。2026年8月31日確認)。転職直後で勤続年数が短い場合でも、年収に占める年間合計返済額の割合(総返済負担率)が「年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下」という基準を満たせば申込みができる、という枠組みです(同ページで確認)。

つまり、「転職・退職の予定があるが、これから家を買いたい」場合、どの金融機関に、いつ申し込むかによって結果が変わりうるということです。転職・退職の時期をずらせるなら、審査への影響を金融機関に事前相談したうえで決めるのが安全です。

比較表:立場によって見るべき順番が変わる

すでに住宅ローンがある人 これから組む予定がある人
最初に確認すること 退職後も返済義務が続くこと 転職・退職のタイミングが審査に与える影響
団信のカバー範囲 基本は死亡・高度障害のみ(失業は対象外が一般的) 契約時に保障内容(特約の有無)を確認する
苦しくなったときの相談先 借入先の金融機関(リスケジュールの相談) 事前に複数の金融機関・フラット35を比較
使える公的制度 失業保険(生活費の給付。ローン専用ではない) なし(審査基準は各金融機関次第)
今すぐやること 返済予定表を出し、何ヶ月分を貯蓄でまかなえるか計算する 申込み予定の金融機関に転職・退職予定を伝えて相談する

それでも辞めると決めたら

返済計画や審査への影響を確認したうえで、それでも「辞める」と決めた場合、次に負担になりやすいのが、会社に退職の意思を伝えること自体です。ここが難しいと感じる場合は、退職代行という選択肢があります。

退職代行Jobs、退職代行ニコイチ、退職代行ネルサポートなど、運営元(民間企業・労働組合・弁護士)によって対応できる範囲や費用が異なります(※2026年8月時点の調査。有給消化の交渉ができるかどうかは運営元によって変わるため、依頼前に各社公式サイトで確認してください)。

ここが要点

退職代行はあくまで「辞める意思を伝える」部分を代行するものです。住宅ローンの返済義務や審査への影響そのものは、退職代行を使っても使わなくても変わりません。先にこの記事の前半で挙げた確認を済ませたうえで、利用を検討してください。

実体験について、正直に書きます

私の場合

正直に書きます。私自身は2026年6月末に前職を退職していますが、当時は住宅ローンを契約しておらず、賃貸で暮らしていました。そのため、住宅ローンを抱えた状態での退職や、団信・審査に関するやり取りを自分自身が経験したことはありません。

この記事で説明した返済義務の考え方(民法587条)、団信の基本保障の範囲、リスケジュールという相談手段、フラット35の勤続年数の扱いは、公式資料・外部の解説記事を調査して整理したものです。「住宅ローンを抱えながら退職を考える」という状況そのものへの当事者としての体験談ではない、という点は正直に書いておきます。

次にやること

まず、自分が「すでに住宅ローンを組んでいる」のか「これから組む予定がある」のか、立場を確認してください。 すでに組んでいる人は、返済予定表を手元に出し、退職後に何ヶ月分の返済を貯蓄でまかなえるか計算してください。これから組む予定がある人は、申込み予定の金融機関に転職・退職の予定を伝えたうえで、審査への影響を事前に確認してください。返済がすでに苦しい場合は、滞納する前に借入先の金融機関に相談し、心身が限界に近い場合は、この記事の内容より先に医師・産業医に相談してください。


※本記事は2026年8月時点で確認できた公式・外部情報の整理と、筆者個人の体験に基づくものです。個別の状況については、弁護士・税理士・借入先の金融機関など専門機関にご確認ください。心身の不調がある場合は、医師・産業医にご相談ください。

出典 - 民法587条(消費貸借) - フラット35のご利用条件(勤続年数の記載なし・総返済負担率30%/35%)(住宅金融支援機構【フラット35】公式サイト、2026年8月31日確認) - 民間住宅ローンの勤続年数基準が金融機関ごとに異なる旨の解説(三井住友銀行公式コラム、2026年8月31日確認) - 団体信用生命保険の保障範囲(基本保障は死亡・高度障害のみ、失業は対象外、就業不能保障特約は別枠オプション)に関する解説(公益財団法人生命保険文化センター、三井住友銀行公式コラム、2026年8月31日確認) - 住宅ローンのリスケジュール(返済条件の変更。免除ではなく総返済額が増える可能性がある点を含む)に関する解説(一般社団法人全国任意売却協会、2026年8月31日確認)

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退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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