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再就職手当とは

ぜんたいの流れ
  1. 1内定が決まる
  2. 2残日数を確認
  3. 3就職
  4. 4申請書を提出
  5. 5ハローワーク審査
  6. 6振込
この記事の内容
  1. 再就職手当とは何か
  2. もらえる条件
  3. いくらもらえるか
    1. 計算の流れをつかむための仮の例
  4. 申請の流れ
  5. 早く決めることは「損」ではない
  6. パート・派遣・契約社員でも対象になるか
  7. よくある疑問
  8. 次にやること

失業保険を受給中に「早く転職先が決まったら、逆に損なのでは」と不安になっている人へ。答えは逆で、残りの給付日数を多く残して再就職すると「再就職手当」というまとまったお金がもらえる(雇用保険法56条の3。厚生労働省・ハローワーク「再就職手当のご案内」で条文の内容を確認)。この記事では、もらえる条件・金額・申請の流れを順番に説明する。

「早く決まって嬉しいのに、なぜか手続きの不安が勝ってしまう」という状態はよくある。焦って辞めた後ろめたさや、制度の複雑さのせいで、素直に喜べないことがある。ここでは感情の話は最小限にして、まず「自分がもらえるかどうか」を数字で確認できるようにする。

再就職手当とは何か

失業保険(雇用保険の基本手当)は、本来「次の仕事が決まるまでの生活費」として、決められた日数分(所定給付日数)だけ支給される。この日数を使い切る前に早く再就職すると、残っている日数分の一部が「まとめて」もらえる制度が再就職手当(雇用保険法56条の3)。

考え方としては、「早く仕事を見つけた人にボーナスを出す」制度に近い。国としても、基本手当を長く払い続けるより、早期就職を後押しした方が支出が抑えられるため、こうした設計になっている。

もらえる条件

以下をすべて満たす必要がある(雇用保険法56条の3第1項1号、雇用保険法施行規則82条1項。厚生労働省・ハローワーク「再就職手当のご案内」でも同じ8要件が案内されている)。

条件 内容
待期期間 受給資格決定後の待期期間7日間が経過してから就職、または事業を開始していること(雇用保険法21条)
給付日数の残り 就職日の前日までの失業認定を受けたうえで、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
雇い主との関係 離職した前の事業主に再び雇用されたものでなく、かつ離職した前の事業主と資本・資金・人事・取引面で密接な関わりがない事業主に就職していること(グループ会社・関連会社を通じた再雇用はここで対象外になり得る)
給付制限中の場合 自己都合退職などで給付制限がある人は、求職申込みから待期期間満了後1ヶ月間はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であること(雇用保険法施行規則82条1項3号)
就職の安定性 1年を超えて勤務することが確実な職に就くこと(派遣就業で雇用契約の更新が見込まれない場合などは該当しない)
保険の適用 原則として、就職先で雇用保険の被保険者になっていること
過去の受給歴 過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受けていないこと(事業を始めて再就職手当を受けた場合も含む)
内定のタイミング 受給資格決定(求職の申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと

給付制限中の1ヶ月については、自分で見つけた求人でも紹介状の扱いになるケースなど細かい運用があるため、条件に当てはまるか不安な場合は、内定が出た時点でハローワークの窓口に直接確認するのが確実。ここを自己判断で進めて後から対象外と分かるケースがあるため、早めの確認をすすめる。

いくらもらえるか

支給額は「基本手当日額 × 支給残日数 × 支給率」で決まる(雇用保険法56条の3第3項1号)。

支給残日数の条件 支給率
所定給付日数の3分の2以上を残して就職 基本手当日額の70%
所定給付日数の3分の1以上3分の2未満を残して就職 基本手当日額の60%

つまり、早く決まるほど支給率も支給残日数も高くなり、受け取れる額が増える。「もう少しゆっくり探そう」と給付期間を使い切ってしまうと、この手当自体が対象外になる。

基本手当日額にはもともと上限額があり、再就職手当の算定にもその上限が影響する。ハローワークの公式案内によると、離職時の年齢が60歳未満の人は6,745円、60歳以上65歳未満の人は5,454円が上限(令和9年7月31日までの額)で、毎年8月1日に「毎月勤労統計」の平均給与額により改定される。自分の場合の正確な金額は、雇用保険受給資格者証に記載の基本手当日額をもとに、ハローワークの窓口で試算してもらうのが確実。

計算の流れをつかむための仮の例

理解のための仮の数字であり、実際の給付率・上限額には当てはめない。

  1. 基本手当日額が6,000円、所定給付日数が90日の人がいたとする
  2. 支給残日数が50日で再就職が決まった場合、90日の3分の2(60日)未満・3分の1(30日)以上にあたるため、支給率は60%に決まる
  3. 6,000円 × 50日 × 60% = 18万円が目安になる

このように「基本手当日額」と「残っている日数」さえ分かれば、自分のケースに当てはめて概算できる。正確な基本手当日額と残日数は、ハローワークから届く「雇用保険受給資格者証」に記載されている。

申請の流れ

  1. 内定が決まる: 就職日(雇用契約の開始日)を確認する
  2. 残日数を確認: 受給資格者証で所定給付日数と支給残日数を確認し、3分の1以上残っているかを見る
  3. 就職: 実際に働き始める
  4. 申請書を提出: 「再就職手当支給申請書」に、就職先の事業主による証明を受けたうえで、就職日の翌日から1ヶ月以内にハローワークへ提出する(雇用保険法施行規則82条の5第1項)
  5. ハローワーク審査: 条件を満たしているか確認される
  6. 振込: 支給が決定すると、その翌日から起算して7日以内に指定口座へ振り込まれる(雇用保険法施行規則83条1項)。ただし審査そのものにかかる日数(申請書提出から支給決定までの期間)についての標準処理日数は、厚生労働省・ハローワークの公表資料には見当たらない(一次情報なし)。申請時期やハローワークの状況によって変わるため、窓口で目安を確認するのが確実

申請書はハローワークの窓口で受け取れる。就職先に事業主証明欄への記入を依頼する必要があるため、内定が出た時点で「再就職手当を申請する予定」と伝え、必要書類の段取りを早めに進めておくとスムーズ。

早く決めることは「損」ではない

給付制限中は「早く決めると失業保険が減るのでは」という不安から、あえて選考をゆっくり進める人がいる。しかし実際は、給付日数を多く残して決まるほど再就職手当の支給率も残日数も上がる設計になっている。給付日数を使い切ってから決めるより、早く決めて再就職手当を受け取る方が、トータルでは近い金額か、場合によってはそれ以上になることもある(個別の金額差は基本手当日額や残日数によって変わるため一律には言えない)。

「早く決まったから損した」と感じる必要はない。焦って条件の悪い会社に飛びつく必要はないが、良い条件の内定が早く出たなら、それをためらう理由として制度上の不利益は基本的にない。

パート・派遣・契約社員でも対象になるか

正社員に限った制度ではない。雇用保険の適用事業所に雇用され、上の条件(1年を超えて勤務することが確実、給付日数の残りが3分の1以上など)を満たしていれば、パート・契約社員・派遣社員として就職した場合も対象になる。雇用形態そのものより、「雇用保険に加入する働き方かどうか」「1年を超えて続く見込みがあるかどうか」が判断のポイントになる。ただし派遣就業で雇用期間が定められ、契約更新が見込まれない場合はこの要件に該当しない(厚生労働省・ハローワーク「再就職手当のご案内」)。

フリーランスとして業務委託契約を結ぶ場合や、個人事業主として開業する場合も、条件を満たせば再就職手当の対象になる。雇用保険法施行規則82条の2は「一年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる職業に就き、又は事業(当該事業により当該受給資格者が自立することができると公共職業安定所長が認めたものに限る。)を開始した受給資格者」を対象としており、ハローワークの公式案内にも「事業開始にかかる再就職手当」という表現がある。給付制限がある人は、待期期間満了後1ヶ月の経過後に事業を開始する必要がある点は雇用の場合と同じ。「自立できると公共職業安定所長が認めた」という判断が必要になるため、失業認定を受けたあとに開業届を出す順番も含めて、開業前にハローワークへ相談しておくのが確実。 なお、非正規雇用向けの「就業手当」という別の給付は2025年3月末で廃止されており、現行の雇用保険法56条の3にはその規定が存在しない(就業促進手当は再就職手当と常用就職支度手当の2種類のみ)。

よくある疑問

Q. 再就職手当をもらった後、その会社をすぐ辞めたらどうなるか 再就職手当そのものの返還を定めた規定は、雇用保険法・同施行規則には見当たらない。ただし「1年を超えて勤務することが確実」という条件を確認したうえで支給されているため、すぐに辞める見込みがあるなら自己判断せず、事前にハローワークへ相談するのが確実。再離職の理由が倒産・解雇など会社都合にあたる場合は、下のQで説明する特例の対象になり得る。

Q. 再就職手当をもらうと、次に失業したときの失業保険が減るか 再就職手当を受給すると、その額を基本手当日額で割った日数分の基本手当を支給したものとみなされ、同じ受給資格の中で使える基本手当の残りは原則なくなる(雇用保険法56条の3第4項)。ただし、再離職の理由が倒産・解雇等の会社都合にあたる場合は、元の受給資格の受給期間を延長したうえで、再就職手当分を除く残り日数を再び受給できる特例がある(雇用保険法57条)。ハローワークの公式案内も「再就職手当分を除く残日数分を受給できる可能性がある」としており、対象になるかはハローワークへの確認が必要。 自己都合で再離職した場合はこの特例の対象にならない。その場合は、新しい職場で一定期間雇用保険に加入すれば、新たな受給資格として基本手当を受けられる。

Q. 再就職手当と、早期に決めるための転職活動そのものは別の話か 制度としては別。再就職手当はあくまで「早く決まった場合に事後的にもらえるお金」であり、転職活動の進め方(何をいつ辞めるか、どう転職先を探すか)を有利にする制度ではない。退職のタイミングを決める段階で、有給消化や退職代行の利用を検討している場合、それは再就職手当とは別の判断軸になる(該当する記事は別稿を参照)。

次にやること

内定が出たら、まず雇用保険受給資格者証を確認し、所定給付日数のうち何日残っているかを数える。3分の1以上残っていそうなら、就職日を決める前にハローワークの窓口で「再就職手当の対象になるか」と支給見込額を確認する。

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退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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