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退職後に始める積立投資

ぜんたいの流れ
  1. 1退職
  2. 2生活費を見積もる
  3. 3積立額を決める
  4. 4認定日に申告
  5. 5再就職後に増額
この記事の内容
  1. 積立投資をしても、失業保険はもらえるのか
  2. 影響が出るのは「積立」ではなく「働いたとみなされる投資」
  3. 不安になるのは当然。でも、隠す必要のある話ではない
  4. 認定日に、何をどう申告するか
  5. 積立を始めるタイミングと、始めないほうがいい人
  6. 計算例:貯金200万円の人は、いくら積み立てられるか
  7. 退職後は、「引かれていたお金」を自分で払う
  8. 税金の話:失業保険は非課税、投資の利益は課税される
  9. チェックリスト:積立を始める前に確かめる7つのこと
  10. 次にやること

退職したあと、失業保険をもらいながら積立投資を始めたい人に向けた記事です。「投資をすると失業保険が止まるのでは」という不安に答えます。

結論から言うと、月々の積立投資そのものは、失業保険(雇用保険の基本手当)の受給条件に入っていません(調査した範囲。制度の根拠は本文に書きます)。ただし、投資のやり方によっては「働いている」とみなされる場合があり、そこだけは線引きを知っておく必要があります。

そして積立額は、失業保険の心配より先に「無収入の期間を何か月しのげるか」から決めるのが安全です。この記事の後半に、数字を入れて計算できる例を載せています。

積立投資をしても、失業保険はもらえるのか

積立投資(毎月決まった額で投資信託などを買うこと)をしただけで、基本手当が止まる仕組みは、調査した範囲では見当たりません。

理由は、失業保険が「失業の状態にあるか」を見る制度だからです。雇用保険法第4条第3項は、失業を「被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあること」と定めています(条文で確認)。

ここで見られているのは、貯金の多さではなく、働いているかどうかです。ハローワークの認定日に出す「失業認定申告書」(様式第14号)でも、記入項目1で聞かれるのは「アルバイトやパート、ボランティアや知人手伝いなどの仕事をしたかしていないか」で、資産の状況を書く欄はありません(ハローワークインターネットサービス公開の様式・記入案内で確認、2026年9月)。

貯金や投資信託を持っているかどうかで、基本手当の額や受給資格が変わるという記載は、失業認定申告書の様式にも、雇用保険法の失業の定義にも見当たりません(2026年9月確認)。

影響が出るのは「積立」ではなく「働いたとみなされる投資」

投資まわりで、失業保険に関わってくる可能性があるものを表にします。

やっていること 失業保険への影響 考え方
投資信託の月々の積立(新NISAなど) 調査した範囲では、受給条件に入っていない 貯金を別の形に移しているだけ
保有している投資信託の値上がり 影響は見当たらない 働いた結果ではない
株の配当・分配金 失業認定申告書には「仕事(就労・内職・手伝い)をしたか」を書く欄しかなく、資産運用による収入を書く欄はない 労働による収入ではないため
毎日長い時間、短期売買を続ける(デイトレード等) 「仕事として働いている」と判断される可能性がある 迷ったら認定日に窓口で相談
投資の情報発信・ブログで収入を得る 収入があれば申告の対象 内職・手伝いの扱い

表の下から2行が、注意が必要な線です。積立は「静かに続けるもの」で、毎日画面に張りつくものではありません。その点で、失業の状態と衝突しにくい方法だといえます。

一方で、短期売買を毎日長時間やると、「就職しようとする意思と、いつでも就職できる状態」から外れたと見られる可能性があります。ここは個別の事情で判断が変わるので、一般論以上は言えません。心配なときは、隠さずに窓口で聞くのが一番安全です。

不安になるのは当然。でも、隠す必要のある話ではない

退職したばかりの時期は、収入がなくなる不安が大きく、「投資で増やさないと」と焦りやすい時期です。逆に、失業保険が止まったらと考えると、何もできなくなる人もいます。

どちらの気持ちも、おかしくありません。仕事を辞めた直後に、お金の不安が強くなるのは普通のことです。

積立投資を「始めたい」と考えたこと自体は、悪いことではありません。ただ、無収入の間は、増やすことより「減らさないこと」「生活を止めないこと」を優先したほうが、気持ちも安定します。

認定日に、何をどう申告するか

失業保険は、原則4週間に1回の「認定日」に、ハローワークで失業の状態を確認されて支給されます(雇用保険法第15条第3項・第30条第1項で確認)。

認定日には、この期間に働いたかどうかを申告します。積立投資をしている場合、申告で迷いやすいのは次の3点です。

  • 積立(購入)だけ:働いたことにはならない。失業認定申告書のカレンダーに○や×を付ける対象は「仕事をした日」なので、書く欄は通常ない(様式第14号・記入案内で確認)
  • 売却して利益が出た:労働の対価ではないが、心配なら窓口で口頭で聞く
  • 短期売買を日常的に行っている:働いているかもしれない。事前に窓口へ相談する

私自身は、2026年6月に会社都合で退職し、失業保険を受けています。離職票はマイナンバーと紐づけていたため退職から3日で届き、届いた次の平日にハローワークへ行くと、窓口の待ち時間は15分ほどでした。手続き自体は想像より早く進みましたが、投資の話に限らず、制度の判断で迷ったら、窓口で聞くのが一番早く、確実です。ただし、この記事の投資と失業保険の関係は、私が試した体験ではなく、調査した範囲での整理です。

積立を始めるタイミングと、始めないほうがいい人

タイミングの目安は、次の表のとおりです。

状況 目安
再就職先が決まっていない・生活費6か月分の貯金がない 積立は始めない、または千円単位の少額にとどめる
生活費6か月分の貯金があり、給付制限も終わっている 余った分から始めてよい
再就職が決まった 収入が戻ってから金額を増やす

「生活費6か月分」は、よく言われる目安のひとつで、法律の数字ではありません。

失業保険の給付制限(自己都合退職の場合に、待期期間のあと支給が始まらない期間)は、退職日が2025年(令和7年)4月1日以降であれば原則1か月、2025年3月31日以前であれば原則2か月です(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークの案内リーフレットで確認)。過去5年間に2回以上自己都合退職している場合や、重責解雇の場合は3か月になります。支給が始まるまでは、貯金だけで暮らす期間になります。

なお、私自身は会社都合退職だったため、この給付制限の対象にはなりませんでした。

計算例:貯金200万円の人は、いくら積み立てられるか

数字を入れて考えてみます。前提は次のとおりです。すべて仮の数字です。

項目 仮の数字
退職時の貯金 200万円
月の生活費(家賃・食費・国保・年金・住民税を含む) 18万円
再就職までの想定 6か月
失業保険の日額 5,000円(仮の数字。実際は退職前6か月の賃金から計算する賃金日額をもとに決まる。雇用保険法第17条・第16条で確認)
所定給付日数 90日(仮の数字。実際は勤続年数(算定基礎期間)・退職理由で変わる。雇用保険法第22条で確認)

計算の順番はこうです。

  1. 6か月分の生活費:18万円 × 6か月 = 108万円
  2. 失業保険は、この計算では「ないもの」として扱う(安全側)  (参考:5,000円 × 90日 = 45万円が、認定を受けた日数分、後から入る)
  3. 積立に回せる余力:200万円 − 108万円 = 92万円
  4. その92万円を、すべて積立に回すのではなく、半分を残す:92万円 ÷ 2 = 46万円
  5. 46万円を、再就職までの6か月で積み立てると:46万円 ÷ 6か月 ≒ 約7.6万円/月

つまり、この仮の人は、月7万円程度が上限で、実際は月2〜3万円ぐらいから始めるのが無理のない範囲になります。

新NISAには、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円という上限があります(金融庁「NISAを知る」で確認、2026年9月)。月2〜3万円なら、年24〜36万円で、つみたて投資枠の120万円の範囲に十分収まります。

なお、この計算は個別の投資助言ではありません。あくまで、自分の数字を入れて考えるための型です。

退職後は、「引かれていたお金」を自分で払う

給料をもらっていたときは、社会保険料や住民税が、給与から天引きされていました。退職後は、これを自分で払います。

私も、退職後に住民税の納付書が自宅に届く経験をしました。1期分(3か月分)ずつ、年4回に分けて払う形で、金額を見て「天引きされていたから気づかなかっただけで、こんなに払っていたのか」と感じました。

積立投資の金額を決める前に、次の支払いを、先に生活費に入れておく必要があります。

支払い 払い方
国民健康保険(または任意継続) 自分で手続きして納付
国民年金 自分で手続きして納付
住民税 納付書(普通徴収)が届く

金額は、住んでいる市区町村・前年の所得によって変わります。役所の窓口か、自治体の公式サイトで確認してください。

税金の話:失業保険は非課税、投資の利益は課税される

  • 失業保険(基本手当)には、所得税・住民税などの租税その他の公課を課すことができません(雇用保険法第12条「公課の禁止」で確認)
  • 投資信託を売って出た利益には、通常の口座では合計20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります(国税庁「株式・配当・利子と税」で確認、2026年9月)
  • 新NISAの口座内の利益は、非課税です(金融庁「NISAを知る」で確認、2026年9月)

税金は、退職後の時期や所得によって扱いが変わります。確定申告が必要かどうかは、税務署か税理士に確認してください。

チェックリスト:積立を始める前に確かめる7つのこと

  • □ 生活費(国保・年金・住民税を含む)の、1か月分を計算した
  • □ 貯金が、生活費の6か月分より多い
  • □ 失業保険の給付制限が終わる時期と、最初の振込の時期を確認した
  • □ 積立の金額は、「なくなってもすぐ困らない額」にした
  • □ 毎日の短期売買は、始めていない
  • □ 認定日に、投資について聞きたいことをメモした
  • □ 再就職が決まったら、積立額を見直す予定にした

1つでも空いたら、積立は少額にするか、いったん待つ選択もあります。

次にやること

まず、自分の「月の生活費」に、国民健康保険・国民年金・住民税を足した金額を、紙に書き出してください。その金額の6か月分が貯金を下回っているなら、積立は始めず、次の認定日にハローワークで「積立投資をしていて、申告が必要なものはあるか」と1つだけ聞いてみてください。

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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