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職場の人間関係が原因で辞めるのは普通のこと

この記事の結論
  • 厚生労働省「令和5年雇用動向調査」では、転職した女性の退職理由のトップは「職場の人間関係が好ましくなかった」13.0%
  • 男性も9.1%で上位に入る
  • 民間調査(エン・ジャパン、2024年)では「会社に伝えた理由」より「本当の退職理由」で人間関係が突出して多く、46%が最多回答。表向きの理由と本音がずれている人が多数派
この記事の内容
  1. 人間関係で辞める人はどれくらいいるか
  2. 会社に伝えた理由と、本当の理由は違う
  3. なぜ人間関係の悩みは言い出しにくいのか
  4. 人間関係を理由に辞めても、辞め方に問題はない
  5. 言い出せないときの選択肢
  6. 次にやること

「人間関係が理由で辞めるなんて、甘えなんじゃないか」——そう思って踏み出せずにいるなら、まず数字を見てください。厚生労働省の公的統計でも、転職した女性が前職を辞めた理由の1位は「職場の人間関係」です。あなたの悩みは特殊なものではなく、統計上ごく普通に起きていることです。

こんな状態ではありませんか
  • 「人間関係くらいで辞めるのは根性がない」と自分を責めている
  • 上司や同僚に理由を聞かれたときに、正直に言っていいのか迷っている
  • 辞めたいのに「甘え」という言葉が頭から離れない

この記事では、公的機関と民間調査の数字を並べて、人間関係を理由にした退職がどれくらい一般的か、そしてなぜ「本当の理由」を会社に言いにくいのかを整理します。

人間関係で辞める人はどれくらいいるか

厚生労働省が2026年8月27日に公表した「令和5年雇用動向調査結果の概況」には、転職した人が前の職場を辞めた理由の内訳が男女別・年代別に載っています【厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」表5】。

この調査は全国の事業所を対象にした公的統計で、令和5年中に転職した人のうち、前職を辞めた理由がわかっている人が対象です。

男性の退職理由トップ3(その他の理由・その他の個人的理由を除く) 女性の退職理由トップ3(その他の個人的理由を除く)
1位 定年・契約期間の満了 16.9% 職場の人間関係が好ましくなかった 13.0%
2位 職場の人間関係が好ましくなかった 9.1% 労働時間、休日等の労働条件が悪かった 11.1%
3位 給料等収入が少なかった 8.2% 会社の将来が不安だった 9.6%

女性は「職場の人間関係が好ましくなかった」が具体的な理由の中で最も多く、13.0%です。男性も「定年・契約期間の満了」という年齢による理由を除けば、人間関係が2番目に多い理由になっています。

前年からの変化を見ても、女性の「職場の人間関係が好ましくなかった」は2.6ポイント上昇しており、これは男女すべての理由の中で最も大きい上昇幅でした【同調査】。年代別に見ると、男性は40〜44歳で14.6%、女性は19歳以下で22.9%と、年代によって差はあるものの、どの年代にも一定数存在する理由です【同調査】。

つまり、人間関係を理由に辞める人は、公的統計の上でも珍しい存在ではありません。むしろ、具体的に名前のつく退職理由の中では、最も多い部類に入ります。

会社に伝えた理由と、本当の理由は違う

もう一つ見ておきたいのが、退職時に会社へ伝えた理由と、心の中にある本当の理由が一致しているかどうかです。

エン・ジャパン株式会社が2024年に実施した「本当の退職理由」調査(転職サービス「エンゲージ」の利用者5,168名対象、2024年5月18日〜7月12日実施のインターネットアンケート)では、次のような結果が出ています【エン・ジャパン株式会社「『本当の退職理由』調査(2024)」】。

  • 退職経験者の54%が「退職時、会社に伝えなかった本当の退職理由がある」と回答
  • 「本当の退職理由」として最も多く挙げられたのは「人間関係が悪い」46%。2位「給与が低い」17%、3位「やりがい・達成感が感じられない」11%を大きく引き離す結果
  • 本当の理由を伝えなかった理由のトップは「話しても理解してもらえないと思ったから」46%
ここが要点

半数以上の人が、会社には「本当の理由」を伝えていません。そしてその「本当の理由」で最も多いのが人間関係です。表向きは「一身上の都合」「キャリアアップのため」と伝えて、実際は人間関係が理由だった、という人が多数派だということです。

厚生労働省の調査は「事業所側が把握している理由」、エン・ジャパンの調査は「本人の本音」という違いがありますが、どちらも人間関係が上位に来ている点は共通しています。

なぜ人間関係の悩みは言い出しにくいのか

数字を見れば「よくあること」だとわかっても、実際に本人を目の前にすると言いにくいのが人間関係の話です。理由は主に2つあります。

1つ目は、証拠にしづらいことです。給料や労働時間は数字で示せますが、「なんとなく合わない」「毎日気が重い」という感覚は、言葉にしても軽く扱われやすいと感じてしまいます。エン・ジャパンの調査で「話しても理解してもらえないと思った」が本音を伝えなかった理由のトップだったのは、この感覚を裏付けています。

2つ目は、相手が特定の人物になることです。労働条件の不満なら会社全体に向けた話ですが、人間関係の不満は「誰が」という個人名が浮かびます。その場で角が立つことを避けたくて、当たり障りのない理由に置き換える人が多いのは自然な反応です。

ここではっきりさせておきたいのは、理由を正直に言えないことと、辞める資格がないことは別問題だという点です。理由の伝え方に悩むのは当然ですが、それが「人間関係くらいで辞めるべきではない」という結論には直結しません。

心身の不調がすでに出ている場合(眠れない、食欲がない、朝どうしても体が動かないなど)は、この記事の範囲を超えます。医師や産業医に相談してください。

人間関係を理由に辞めても、辞め方に問題はない

法律の面から見ても、退職理由に制約はありません。

期間の定めのない雇用契約であれば、労働者はいつでも退職を申し入れることができ、申し入れから2週間で契約は終了します【民法627条1項】。ここに「正当な理由が必要」という条件は付いていません。人間関係、給料、体調、他にやりたいことがある——理由が何であっても、退職の申し入れ自体は法律上有効です。

会社の就業規則に「退職は1ヶ月前に申し出ること」といった規定があっても、民法のほうが優先されるという解釈が一般的です【民法627条1項の解釈】。

つまり、「人間関係が理由では辞めさせてもらえないかもしれない」という不安は、法律上の根拠がある不安ではありません。実際に引き止められて話が進まないケースはありますが、それは法律の問題ではなく、会社側の対応の問題です。

言い出せないときの選択肢

理由を正直に言うのがどうしても難しい、または伝えても取り合ってもらえない状況が続いているなら、自分の代わりに退職の意思を伝えてもらう選択肢があります。退職代行です。

退職代行は、運営元が民間企業・労働組合・弁護士の3種類に分かれており、できることが法律で異なります【弁護士法72条】。有給消化や退職日の調整まで話し合いたい場合は、労働組合か弁護士が運営する窓口を選ぶ必要があります。この選び方の詳細は別記事にまとめています。

※上記は2026年8月時点の情報です。サービス内容・料金は各社公式ページで確認してください。

次にやること

まずは、自分の退職理由を「他人に説明する言葉」と「自分の中の本当の理由」で分けて書き出してみてください。この記事の数字が示す通り、本当の理由が人間関係であることは何もおかしなことではありません。書き出したうえで、誰にどこまで伝えるかを決めるのは、そのあとで構いません。

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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