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失業手当の計算シミュレーション

この記事の結論
  • 基本手当日額は「賃金日額を出す→給付率を当てはめる→上限額と比べる」の順で決まる
  • 月給別の試算(30〜45歳・賞与なしの前提)では、月給18万円で日額4,683円、30万円で6,307円、45万円で7,500円、55万円は上限の8,270円になる(厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)」)
  • これに所定給付日数(一般の離職者は90〜150日、会社都合などは最大330日)をかけると受給見込み総額が出る
  • 試算は賞与を含まない机上の計算であり、自己都合退職では給付制限がありすぐに満額が振り込まれるわけではない
  • 自分の正確な金額は雇用保険受給資格者証で確定する
ぜんたいの流れ
  1. 1賃金日額を出す
  2. 2基本手当日額を当てはめる
  3. 3上限額と比べる
  4. 4給付日数をかける
  5. 5給付制限の有無を確認
この記事の内容
  1. 結論:金額は3段階で決まる
  2. 計算の手順:自分の賃金日額をまず出す
  3. 給料別の計算例:月給4パターンで試算する
  4. 年齢によって上限額が違う
  5. もらえる日数は離職理由で変わる
  6. 給付制限があると、試算額がすぐには振り込まれない
  7. この試算が実際の金額とズレる理由
  8. 実体験:会社都合で退職して、初回の振込まで36日だった
  9. 次にやること

この記事は、失業手当(基本手当)がいくらもらえるのか、自分の給料でどれくらいの金額になるのか知りたい人に向けて書いています。 結論から言うと、金額は「賃金日額→給付率→上限額」の3段階で決まり(雇用保険法第16条・第17条)、そこに給付日数をかけると受給見込み総額が出ます。この記事では、厚生労働省が公表している令和8年8月1日以降の公式計算式を使い、月給別に4パターンの試算を最後の金額まで出します。

こんな状態ではありませんか
  • ネットの試算ツールに数字を入れてみたけれど、出てきた金額が合っているのか不安
  • 自分の給料だと、だいたいいくらになるのか目安が知りたい
  • 賃金日額・給付率・給付日数、それぞれの言葉の意味はわかるが、自分で計算する手順がわからない

結論:金額は3段階で決まる

段階 内容 根拠
①賃金日額 離職前6か月の賃金総額(賞与など3か月を超える期間ごとの賃金は除く)÷180 雇用保険法第17条第1項(手元の条文全文で確認)
②基本手当日額 賃金日額に給付率(50〜80%。60歳以上65歳未満は45〜80%)をかける。賃金日額が低いほど給付率は高い 雇用保険法第16条第1項・第2項(手元の条文全文で確認)、厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」
③上限額で調整 計算結果が年齢区分ごとの上限額を超えていれば、上限額が採用される 厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」
④受給見込み総額 基本手当日額×所定給付日数(一般の離職者は90〜150日、会社都合などの特定受給資格者は最大330日。就職が困難な人は最大360日) 雇用保険法第22条・第23条(手元の条文全文で確認)
ここが要点

①〜③の計算式そのものは公式に定められていますが、④の「もらえる日数」は人によって90日から360日まで大きく幅があります。この記事の試算は①〜③を中心に扱い、日数は代表的な90日・120日・150日の3パターンで示します。 自分の正確な日数の見当のつけ方は、別記事(#157)で詳しく扱っています。

計算の手順:自分の賃金日額をまず出す

自分の場合で試算するには、次の手順で進めます。

  1. 離職前6か月間の給与明細(または源泉徴収票)を用意する
  2. 基本給・残業代・通勤手当など、毎月決まって支払われるものだけを6か月分合計する(賞与は含めない)
  3. 合計額を180で割り、賃金日額を出す
  4. 次の見出しの表で、自分の賃金日額に近い水準を確認する
ここが要点

賃金日額の計算では、賞与(ボーナス)は含まれません(雇用保険法第17条第1項。臨時に支払われる賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除かれます)。年収のイメージで計算すると、実際より高い金額を想定してしまいやすいので注意してください。

給料別の計算例:月給4パターンで試算する

ここからが本題です。月給(基本給・諸手当の合計。賞与は含まない)が6か月間ずっと一定だったと仮定し、実際に4つの水準で最後の金額まで計算します。年齢区分は30歳以上45歳未満の場合で統一しています(区分ごとの違いは次の見出しで扱います)。

前提(この計算例だけの仮の条件) - 離職時の年齢:30歳以上45歳未満 - 賞与を含まない月給が6か月間そのまま続いたと仮定(実際は月によって変動する人が大半です) - 給付率の適用式は厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」による(1円未満切り捨て)

月給(賞与除く) 賃金日額 基本手当日額 90日分 120日分 150日分
180,000円 6,000円 4,683円 421,470円 561,960円 702,450円
300,000円 10,000円 6,307円 567,630円 756,840円 946,050円
450,000円 15,000円 7,500円 675,000円 900,000円 1,125,000円
550,000円 18,333円 8,270円(上限) 744,300円 992,400円 1,240,500円
ここが要点

月給55万円の例では、賃金日額(18,333円)に給付率をそのまま当てはめると8,270円を超えますが、30〜45歳の上限額が8,270円のため、実際はそこで頭打ちになります。 月給が上がるほど、この上限に引っかかりやすくなります。

90日分・120日分・150日分という3列を並べているのは、同じ給料でも、もらえる日数によって受給見込み総額が最大で1.67倍(90日→150日)変わることを示すためです。自分がどの日数に該当するかは、後の見出しで確認します。

年齢によって上限額が違う

上の表は30歳以上45歳未満の上限額(8,270円)で計算しましたが、上限額は年齢区分ごとに異なります(厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」)。

年齢区分 基本手当日額の上限額
30歳未満 7,450円
30歳以上45歳未満 8,270円
45歳以上60歳未満 9,110円
60歳以上65歳未満 7,830円

下限額は年齢を問わず共通で2,562円です(同資料の賃金日額の下限3,203円に、給付率80%をかけて1円未満を切り捨てた額)。賃金日額が低い人でも、基本手当日額がこれを下回ることはありません。

ここが要点

同じ月給55万円でも、45歳以上60歳未満の人なら上限額が9,110円になるため、上の表の「8,270円」より高い金額になります。自分の年齢区分の上限額を確認してから試算してください。 給付率の仕組み自体は別記事(#156)でさらに詳しく説明しています。

もらえる日数は離職理由で変わる

計算例では90日・120日・150日の3パターンを示しましたが、これは「自己都合退職・定年など」に当てはまる一般の離職者の日数です(雇用保険の算定基礎期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日。雇用保険法第22条第1項を手元の条文全文で確認)。

倒産・解雇などの会社都合(特定受給資格者)にあたる場合は、年齢と勤続年数の組み合わせで最大330日まで日数が伸びます(同法第23条)。就職が困難な人(障害のある人など)は別枠で、最大360日です(同法第22条第2項)。自分がどちらに該当するかで、同じ月給でも受給見込み総額が大きく変わります。 会社都合・就職困難者の場合を含めた全パターンの早見表は、別記事(#157)にまとめています。

給付制限があると、試算額がすぐには振り込まれない

ここまでの試算は「1日あたりいくらか」「トータルでいくらか」という金額の話です。ただし自己都合退職の場合、求職の申込みをしてもすぐには支給が始まらず、一定期間の給付制限があります(雇用保険法第33条第1項。条文上は待期満了後1か月以上3か月以内の間で、ハローワークの所長が定める期間)。試算した金額そのものが正しくても、振り込みが始まるタイミングは別問題だという点に注意してください。給付制限の具体的な期間や、対象にならないケースの詳しい条件は別記事(#019)で確認できます。

この試算が実際の金額とズレる理由

自分で試算した金額と、実際に受け取る金額にズレが出ることがあります。主な理由は次のとおりです。

  • 月給が6か月間一定ではなく、賞与を除いても月によって残業代などが変動していた
  • 自分の年齢区分を勘違いしていた(誕生日をまたぐタイミングによっては、離職時と試算時で区分がずれることもある)
  • 所定給付日数を勘違いしていた(自己都合のつもりが会社都合、またはその逆)

いずれの場合も、計算式自体が間違っているのではなく、当てはめる前提の数字が実際と違っていることがほとんどです。

ここが要点

この記事の試算は、あくまで「だいたいどれくらいか」の見当をつけるためのものです。自分の正確な金額は、ハローワークで求職の申込みをした後に交付される「雇用保険受給資格者証」で確定します。

実体験:会社都合で退職して、初回の振込まで36日だった

私の場合

私自身、2026年6月30日に前職を退職しました。離職理由は会社都合です。7月6日にハローワークで求職の申込みをし、7月15日の雇用保険説明会に出席しました。会社都合のため給付制限はありませんでした。

初回の振込は8月5日で、退職日から36日、説明会から21日でした。ただしこれは会社都合の場合の日数です。自己都合退職の人は給付制限がつくため、同じ日数にはなりません。

この記事に自分の具体的な金額は書いていません(個人情報のため)。試算の金額が実際に口座へ入るまでの日数は、給付制限の有無で大きく変わります。確定した金額は受給資格者証で確認するものです。

次にやること

まずは自分の直近6か月分の給与明細(基本給・手当。賞与は除く)を用意し、合計額を180で割って賃金日額を出してください。 そのうえで、この記事の年齢区分ごとの上限額の表と当てはめれば、おおよその基本手当日額の見当がつきます。自分がもらえる日数の見当は別記事(#157)、給付制限の詳しい期間は別記事(#019)で確認し、最終的な金額はハローワークでの求職申込み後に交付される「雇用保険受給資格者証」で確認してください。


※本記事は2026年9月時点で確認できた公式計算式と、筆者が算出した試算です。計算式・上限額・下限額・所定給付日数は法改正や年度ごとの見直しで変わることがあるため、正確な内容はハローワークまたは厚生労働省の公式情報でご確認ください。個別の受給資格に関する判断は、最寄りのハローワークにご相談ください。

出典 - 雇用保険法第16条(基本手当の日額)・第17条(賃金日額)・第22条(所定給付日数)・第23条(特定受給資格者の所定給付日数)・第33条(給付制限)。条文は手元の法令全文で確認 - 雇用保険法施行規則第19条(受給資格の決定。受給資格者証の交付) - 厚生労働省「参考1 基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)」(https://www.mhlw.go.jp/content/001726936.pdf) — 年齢区分ごとの賃金日額の範囲・計算式・上限額・端数処理(1円未満切り捨て)を原文で確認し、本文の4パターンの金額を再計算して一致を確認(2026年10月10日) - 所定給付日数(一般の離職者:90日・120日・150日)は本サイト既存記事(#157)で照合済みの数値を使用(出典はハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」ページ) - 雇用保険受給資格者証(本人が2026年に交付を受けた事実)

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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