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失業保険はいくら・いつから・いつまでもらえるか

ぜんたいの流れ
  1. 1離職票を受取
  2. 2求職を申込
  3. 3待期7日
  4. 4給付制限1ヶ月
  5. 5初回振込
この記事の内容
  1. 結論:3つの質問への答えを先に
  2. いくらもらえるか:賃金日額×給付率で決まる
  3. いつからもらえるか:待期7日+給付制限(自己都合なら原則1ヶ月)
  4. いつまでもらえるか:所定給付日数と、忘れやすい「受給期限」
  5. 実際にいくら振り込まれたか——書ける範囲で正直に
  6. 次にやること

会社を辞めたばかりで、「失業保険って結局いくらもらえるのか」「いつから振り込まれるのか」「いつまでもらえるのか」が分からず不安な人向けの記事です。

結論を先に言うと、金額は辞める前の給料のだいたい50〜80%、振込が始まるのは自己都合退職なら申請からおおよそ1ヶ月強あと、もらえる期間は最短90日から最長330日です(障害があるなどの「就職困難者」は最大360日)。

この3つを、1つずつ数字で説明します。

結論:3つの質問への答えを先に

ここが要点

もらえる額は、辞める前6ヶ月の給料で決まります。自己都合で辞めた場合、申請してから待期7日+原則1ヶ月は1円も入りません。ここが生活費のいちばん薄いところです。

質問 答え 出どころ
いくらもらえる? 退職前6ヶ月の給料をもとにした「賃金日額」の50〜80%(60〜64歳は45〜80%)。基本手当日額には年齢別の上限額・下限額がある 雇用保険法第16条・第17条、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
いつからもらえる? 自己都合退職なら、申請から7日間の待期+原則1ヶ月の給付制限のあと(2025年4月の法改正で2ヶ月から短縮) 雇用保険法・厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(雇用保険法等の一部を改正する法律〔令和6年法律第26号〕、令和7年4月1日施行分)」
いつまでもらえる? 自己都合(一般受給資格者)なら被保険者期間に応じて90〜150日分。会社都合(特定受給資格者等)なら年齢と被保険者期間に応じて90〜330日分。障害があるなどの「就職困難者」は最大360日分 雇用保険法第22条・第23条、ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」

いくらもらえるか:賃金日額×給付率で決まる

失業保険(正式には「基本手当」)の1日あたりの金額は、次の2段階で決まります。

  1. 賃金日額を出す:退職前6ヶ月間にもらった給料の合計を、180で割った金額(雇用保険法第17条)
  2. 給付率をかける:賃金日額が低い人ほど給付率は高く(最大80%)、高い人ほど給付率は低くなる(最低50%)仕組みになっています。60〜64歳は45〜80%です(雇用保険法第16条)。給付率が変わる具体的な賃金日額の境目は、令和8年8月1日以降、60歳未満は「5,480円未満は80%、5,480円〜13,490円は80%から50%へ段階的に逓減、13,490円超は50%」、60〜64歳は「5,480円未満は80%、5,480円〜12,120円は80%から45%へ段階的に逓減、12,120円超は45%」です(厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」令和8年7月31日付プレスリリース別添2)

つまり、給料が高かった人ほど「もらえる金額」自体は大きくても、「給料に対する割合」は小さくなります。逆に給料が低かった人は、割合としては手厚く補填される作りです。

また、基本手当日額には年齢層ごとに上限額があります(令和8年8月1日以降、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」より)。

年齢区分 基本手当日額の上限額
30歳未満 7,450円
30歳以上45歳未満 8,270円
45歳以上60歳未満 9,110円
60歳以上65歳未満 7,830円

下限額は2,562円です。厚生労働省の公式プレスリリース原本(令和8年7月31日付「雇用保険の基本手当日額の変更」)で確認したところ、この下限額は毎年の平均給与額の伸びで決まる通常の改定額ではなく、「地域別最低賃金の全国加重平均額(令和8年4月1日時点で1,121円)×20÷7×0.8=2,562円」という、最低賃金日額をもとにした計算で決まっていました(毎年の改定額がこの最低賃金日額を下回る場合は最低賃金日額の方を採用する仕組みのため。雇用保険法第18条第3項・同法施行規則第28条の5)。

賃金日額そのものの上限・下限額も、同プレスリリースの別添資料で確認できました。下限額は全年齢共通で3,203円、上限額(この額を超えると基本手当日額が頭打ちになる境目)は30歳未満14,900円、30歳以上45歳未満16,540円、45歳以上60歳未満18,220円、60歳以上65歳未満17,400円です(いずれも令和8年8月1日〜)。「給料の80%がそのままもらえる」わけではなく、上限を超える部分は切り捨てられる点に注意してください。

正確な自分の金額は、ハローワークで離職票を提出したときに「雇用保険受給資格者証」という書類で通知されます。ネット上の簡易計算はあくまで目安と考えてください。

いつからもらえるか:待期7日+給付制限(自己都合なら原則1ヶ月)

お金の心配をしている人が一番知りたいのはここだと思います。振込が始まるまでの流れは、辞め方によって変わります。

辞め方 振込開始までの流れ
会社都合(倒産・解雇など) 求職申込み→7日間の待期→給付制限なし→約1ヶ月後に初回振込
自己都合 求職申込み→7日間の待期→給付制限(原則1ヶ月)→さらに後に初回振込

自己都合退職の場合の「給付制限」は、2025年4月の雇用保険法改正で、それまでの2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を受けている場合は、給付制限が3ヶ月になります。自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)の場合も3ヶ月です(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「『給付制限期間』が短縮又は解除されます」令和7年4月1日から適用)。

つまり自己都合で辞めた場合、求職の申込みをした日から、実際にお金が振り込まれるまでにだいたい1ヶ月半〜2ヶ月かかると見ておくのが安全です。この間の生活費を退職前にどう確保しておくかが、実務上いちばん重要な準備になります。

給付制限中も、失業認定は受けられません。求職申込みをした日が全ての起点になるので、離職票が届いたらできるだけ早くハローワークに行くことが、結果的に振込を早めることにつながります。

いつまでもらえるか:所定給付日数と、忘れやすい「受給期限」

もらえる日数(所定給付日数)は、辞め方・年齢・雇用保険に入っていた期間(被保険者期間)で決まります。

辞め方 被保険者期間 日数の範囲
自己都合退職(一般受給資格者) 10年未満/10〜20年未満/20年以上 90日/120日/150日(年齢による差はなし)
会社都合退職(特定受給資格者等) 年齢・被保険者期間の組み合わせで変動 90日〜330日(最大330日は45歳以上60歳未満かつ被保険者期間20年以上の場合)
障害があるなど「就職困難者」に該当する場合 1年未満/1年以上 45歳未満は150日/300日、45歳以上65歳未満は150日/360日

(雇用保険法第22条・第23条、ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」より。本文60〜64行目で触れる「所定給付日数360日」はこの就職困難者の区分に該当します)

ここで見落としやすいのが、「もらえる日数」と「もらえる期限」は別物だということです。所定給付日数を使い切っていなくても、原則として離職日の翌日から1年を過ぎると、残っていた日数分はもらえなくなります(受給期限。所定給付日数330日の人は1年30日、360日の人は1年60日)。妊娠・出産・病気・介護・配偶者の海外赴任などの理由で引き続き30日以上働くことができない場合は、申請すれば受給期間を最大3年間延長できる制度があります(合計で最長4年)。申請は働けなくなった日の翌日から可能で、延長後の受給期間の最後の日までに、住所地を管轄するハローワークへ行います(ハローワークインターネットサービス「基本手当について」より)。何もしなければ1年で自動的に区切られる点は覚えておいてください。

「あとでゆっくり申請すればいい」と先延ばしにすると、日数が残ったまま権利が切れてしまうことがあります。

実際にいくら振り込まれたか——書ける範囲で正直に

私は2026年6月30日に会社都合で退職し、失業保険を申請してハローワークに通いました。会社都合退職だったため、給付制限(自己都合なら原則1ヶ月かかる期間)は発生していません。 実際にかかった日数は、退職日(6/30)から数えて初回振込まで36日、雇用保険説明会(7/15)から数えて21日でした。この記事の表で示した「会社都合なら約1ヶ月後」という目安より、私の場合は実際には1ヶ月強かかったことになります。自己都合退職の場合はこれに給付制限(原則1ヶ月)が加わるため、さらに時間がかかる点は変わりません。

なお、実際の受給額そのものは、前年の年収が逆算できてしまうため、この記事では公表しないことにしています。

代わりに書けるのは、反省の方です。「いくらもらえるか」を、退職前に自分で概算しておきませんでした。退職を決めたあと、実際にハローワークで金額の通知を受け取るまで、自分の基本手当日額を正確には把握していませんでした。金額を知らないまま生活費の計画を立てていたので、退職前に賃金日額のおおよその見当だけでもつけておけばよかったと感じています。

次にやること

離職票が届いたら、できるだけ早くハローワークで求職の申込みをすることです。振込までの日数も、もらえる期限も、すべてこの日を起点に計算されます。自分の正確な金額を知りたい場合は、求職申込みの際にハローワークで交付される「雇用保険受給資格者証」を確認してください。認定日の具体的な流れは別記事(013・018)、給付制限の詳細は別記事(019)で扱います。


※本記事は2026年8月時点の一般的な情報整理です(基本手当日額・賃金日額の上限・下限額は2026年8月1日改定後の数字)。雇用保険法の条文原本(e-Gov)は直接読み取れず、厚生労働省の公式PDF資料・リーフレット・ハローワークインターネットサービスの記載内容から条文番号と制度内容を確認しています。詳しくは下記出典を参照してください。自分の正確な受給額・受給日数は、ハローワークの窓口または「雇用保険受給資格者証」で確認してください。心身の不調がある場合は、手続きより先に医師・産業医にご相談ください。

出典 - 雇用保険法第16条(基本手当の日額・給付率)・第17条(賃金日額の算定)・第18条第3項(賃金日額の下限額と最低賃金日額の関係)・第22条・第23条(所定給付日数)e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 ※2026年8月26日、e-Gov法令API(法令ID 349AC0000000116)で雇用保険法の条文原本を取得し、第十六条(基本手当の日額)・第十七条(賃金日額)・第十八条第三項(最低賃金日額との関係)・第二十二条(所定給付日数)・第二十三条の各見出しと本文を直接照合済み。 - 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更~8月1日(土)から実施~」令和8年7月31日付プレスリリース(PDF原本を直接確認) https://www.mhlw.go.jp/content/11607000/001729233.pdf (基本手当日額の上限額・下限額2,562円とその算出根拠、賃金日額の上限額・下限額3,203円、給付率が変わる賃金日額の境目、いずれも本文で確認) - 厚生労働省「令和8年8月1日からの基本手当日額等の適用について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00050.html (上記プレスリリースの掲載元ページ) - 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「『給付制限期間』が短縮又は解除されます~令和7年4月1日から適用~」(群馬労働局配布分PDF原本を直接確認) https://jsite.mhlw.go.jp/gunma-roudoukyoku/content/contents/002182062.pdf (自己都合退職の給付制限が原則1ヶ月に短縮されたこと、5年間に2回以上の自己都合退職で3ヶ月になることを確認。記事内の当初の記述「3回以上」は誤りだったため「2回以上」に修正済み) - ハローワークインターネットサービス「基本手当について」https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html (賃金日額の計算方法・給付率の範囲・受給期間の延長制度〔基本の受給期間1年に、病気・妊娠・出産・育児等の理由で最大3年間の延長を上乗せでき、合計で最長4年になる〕・受給期限の加算日数〔「原則として、離職した日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)」と原文で確認〕を確認) - ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html (一般受給資格者・特定受給資格者・就職困難者、それぞれの所定給付日数を確認) - 厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領(50301〜 所定給付日数について)」PDF原本を直接確認 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000147413.pdf (法第22条第2項に定める就職困難者の所定給付日数の表を確認。正しくは「45歳未満:1年未満150日/1年以上300日、45歳以上65歳未満:1年未満150日/1年以上360日」で、記事の当初の記述「45歳以上65歳未満は被保険者期間にかかわらず360日」は誤りだったため修正済み。一般受給資格者〔90日・120日・150日〕、特定受給資格者〔最大330日は45歳以上60歳未満かつ被保険者期間20年以上〕の数字もあわせて確認) - 厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」参考1 PDF原本を直接確認 https://www.mhlw.go.jp/content/001726936.pdf (賃金日額の上限額・下限額〔3,203円、30歳未満14,900円、30〜45歳未満16,540円、45〜60歳未満18,220円、60〜65歳未満17,400円〕、給付率が変わる境目の賃金日額〔60歳未満は5,480円・13,490円、60〜64歳は5,480円・12,120円〕を本文で確認)

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退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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