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受給中に病気・けがをしたら

この記事の結論
  • 失業保険(基本手当)の受給中に病気・けがで継続して15日以上職業に就けない場合、基本手当に代えて同額の「傷病手当」が支給される(雇用保険法第37条)
  • 健康保険の「傷病手当金」とは対象者・条件・金額・支給期間が異なる別の制度
  • 申請は「治った後の最初の認定日」までに傷病手当支給申請書を提出すればよく、通院・入院中に慌てて動く必要はない
  • 給付日数は所定給付日数の枠内で基本手当と共有される
  • 30日以上動けない場合は受給期間延長も選択肢になるが、同じ病気・けがについて傷病手当と延長を同時には使えない
ぜんたいの流れ
  1. 1ハローワークで求職申込み
  2. 2継続して15日就業不能
  3. 3治った後の認定日に申請
  4. 4傷病手当を受給
この記事の内容
  1. 結論:継続して15日以上動けないと「傷病手当」に切り替わる
  2. 「傷病手当」と「傷病手当金」は別の制度です
  3. いつ・どうやって申請するか
  4. 給付額・給付日数はどうなるか
  5. 30日以上動けないときの選択肢
  6. 実体験について、正直に書きます
  7. 次にやること

この記事は、失業保険(雇用保険の基本手当)を受け取っている最中に、病気やけがで働けなくなった人に向けて書いています。「これから求職活動ができない」「認定日に行けない」「給付が止まってしまうのでは」という不安に対して、結論を先に言います。継続して15日以上職業に就けない状態になると、基本手当に代えて同額の「傷病手当」という制度に切り替わります。

こんな状態ではありませんか
  • 通院や入院が続いていて、次の認定日にハローワークへ行けそうにない
  • 病気やけがで働けない間、基本手当が止まって収入が途絶えるのが怖い
  • 「傷病手当」と「傷病手当金」、名前が似ていてどちらの制度を指しているのか分からない

どれかに当てはまるなら、まず「15日」という日数の区切りと、健康保険の制度との違いを押さえてください。

結論:継続して15日以上動けないと「傷病手当」に切り替わる

失業保険(基本手当)は、求職活動ができる状態、つまり「働く意思と能力があるのに職に就けない」人に対して支払われます。病気やけがで動けない間は、この「働く能力がある」という前提が崩れるため、原則として基本手当の対象外になります。

ただし、短い病気やけがのたびに給付が止まってしまうと生活が成り立たないため、雇用保険には別建ての制度が用意されています。

就業できない期間 扱い
14日以内 通常どおり基本手当の対象(失業の認定を受けられる)
継続して15日以上 基本手当は支給されず、代わりに同額の「傷病手当」が支給される
ここが要点

「継続して15日以上職業に就くことができない場合」に傷病手当の対象となることは、ハローワークインターネットサービスおよび北海道労働局(札幌公共職業安定所)の公式ページに明記されています。傷病手当そのものの根拠は雇用保険法第37条です。

「病気やけがをした=給付が止まる」ではありません。 14日以内で回復すれば通常の基本手当のまま、15日以上続く場合は傷病手当という形で、受け取れるお金自体は途切れません。

「傷病手当」と「傷病手当金」は別の制度です

名前が一文字違うだけなので混同しやすいですが、この二つはまったく別の制度です。

雇用保険の傷病手当 健康保険の傷病手当金
対象になる人 離職後、ハローワークで求職の申込みをした受給資格者 在職中の健康保険の被保険者(退職前提ではない)
支給の条件 継続して15日以上、疾病・負傷のため職業に就けないこと(雇用保険法第37条第1項) 療養のため労務に服せない日から3日を経過した日以降(健康保険法第99条第1項)
金額 基本手当の日額と同額(雇用保険法第37条第3項) 標準報酬月額を基にした額のおよそ3分の2(健康保険法第99条第2項)
支給される期間 所定給付日数から、すでに基本手当を受け取った日数を差し引いた日数が上限(雇用保険法第37条第4項) 同一の疾病・負傷について、支給開始から通算1年6か月(健康保険法第99条第4項)

同じ病気・けがについて、両方を同時に受け取ることはできません。 健康保険の傷病手当金や労災保険の休業補償給付などを受けられる日については、雇用保険の傷病手当は支給されません(雇用保険法第37条第8項、ハローワークインターネットサービス公式ページ)。

退職して基本手当の受給資格を得た人が対象にするのは、基本的に「雇用保険の傷病手当」のほうです。この記事でもここから先は雇用保険の傷病手当について説明します。

いつ・どうやって申請するか

傷病手当の認定は、通常の失業の認定とは受け方が異なります。

病気やけがのために職業に就くことができない理由がやんだ後の、最初の認定日までに、傷病手当支給申請書を受給資格者証とあわせて管轄のハローワークに提出しなければなりません(期限は雇用保険法施行規則第63条第1項、提出義務は同条第2項)。

  • 申請書の入手先:ハローワークの窓口、ハローワークインターネットサービス、または受給資格決定時に渡される「雇用保険受給資格者のしおり」に添付されている
  • 提出のタイミング:「病気やけがが治った(=職業に就ける状態に戻った)後」の最初の認定日が期限。治っていない間に慌てて出す必要はない
  • 期間が1か月を超える場合:代理人による提出や郵送でも受け付けてもらえる(北海道労働局公式ページ)
  • 期限を過ぎそうなとき:天災その他やむを得ない理由があれば例外はあるが、原則は「受給期間の最後の日から起算して1か月を経過する日まで」に手続きを終える必要がある
ここが要点

「治ってから申請する」という順番なので、通院・入院が続いている間はハローワークに行けなくても問題ありません。回復してから、まとめて申請書を出す形です。

給付額・給付日数はどうなるか

傷病手当の日額は、基本手当の日額とまったく同じです(雇用保険法第37条第3項)。金額を計算し直す必要はありません。

給付できる日数にも上限があります。傷病手当を支給する日数は、もともとの所定給付日数から、すでに基本手当を受け取った日数を差し引いた日数が上限です(雇用保険法第37条第4項)。つまり傷病手当は基本手当の「延長」ではなく、「同じ枠の中で、名前が変わって支給される」制度です。所定給付日数(たとえば90日、120日など)そのものが増えるわけではありません。

また、傷病手当を支給した日数分は、法律上「基本手当を支給したものとみなす」扱いになります(雇用保険法第37条第6項)。この点からも、給付日数の枠を共有していることが分かります。

30日以上動けないときの選択肢

病気やけがが長引き、30日以上職業に就けない状態になった場合は、傷病手当とは別に、もう一つの選択肢が出てきます。それが「受給期間そのものを延長する」制度です。

ここが要点

基本手当の受給期間(通常は離職の翌日から1年間)は、妊娠・出産・育児その他の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない場合、その日数分を延長でき、延長後の期間は最大4年になります(雇用保険法第20条第1項)。疾病・負傷もこの延長理由に含まれます(雇用保険法施行規則第30条第1号)。

ただし、雇用保険法施行規則第30条第1号は、この延長理由の疾病・負傷から「傷病手当の支給を受ける場合における当該傷病手当に係る疾病又は負傷」を明確に除外しています。 同じ病気・けがについて、傷病手当と受給期間延長を同時に使うことはできない設計です。

実務上どちらを選ぶべきかは、残っている所定給付日数や回復の見込みによって変わります。どちらが自分にとって有利かは自己判断せず、認定日を待たずにハローワークの窓口へ電話で相談してください。 選び方を間違えると、後から取り消せない可能性があります。

実体験について、正直に書きます

私の場合

私自身は2026年に会社都合で退職し、失業保険の手続きをハローワークで進めた実体験があります。ただし、その受給期間中に病気やけがで継続して15日以上働けなくなったことはなく、傷病手当を申請した経験はありません(本人の実体験の範囲外)。

そのため、この記事で挙げた申請のタイミングや条文の整理は、調査した範囲での一般的な情報であり、私自身が傷病手当を受け取った上での記述ではありません。実際に病気やけがで動けなくなった場合は、無理に自分で判断せず、まずは管轄のハローワークの窓口に電話で状況を伝えてください。心身の不調がある場合は、制度の手続きよりも先に、医師の診断を受けることを優先してください。

次にやること

病気やけがで次の認定日に行けそうにないと分かった時点で、まず管轄のハローワークへ電話してください。 「治ったあとの最初の認定日までに申請すればいい」制度なので、通院・入院中に慌てて手続きをする必要はありません。回復の見通しが30日を超えそうな場合は、傷病手当と受給期間延長のどちらが自分に合うかも、その電話の中であわせて確認しておくと安心です。


※本記事は2026年9月時点の一般的な情報整理です。個別の状況によって扱いが異なる場合があるため、実際の手続きについては必ずハローワークの窓口でご確認ください。心身の不調がある場合は、医師・産業医の診断を優先してください。

出典 - 雇用保険法第20条(受給期間及び受給期間の特例)・第37条(傷病手当)、雇用保険法施行規則第30条(法第二十条第一項の厚生労働省令で定める理由)・第63条(傷病手当の認定手続)・第64条(傷病手当の支給手続) — 本セッションでtaishoku/laws/雇用保険法.txt・雇用保険法施行規則.txtの条文を直接確認 - 健康保険法第99条(傷病手当金) — 本セッションでtaishoku/laws/健康保険法.txtの条文を直接確認 - 「継続して15日以上」の就業不能基準、申請方法、代理人・郵送での提出可否 — ハローワークインターネットサービス公式ページ(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html)および北海道労働局・札幌公共職業安定所公式ページ(https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-hellowork/list/sapporo/kyusyokusya/hokenzyukyu/ippan/3-2.html)、本セッションでWebFetchにより原文を直接確認(2026-09-02)

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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