辞めたあとまで分かる退職ガイド 辞める前の不安から、辞めたあとの手続きまで
ホーム › 休職を会社に切り出すときの言い方(文例つき)

休職を会社に切り出すときの言い方(文例つき)

ぜんたいの流れ
  1. 1医師に相談する
  2. 2就業規則を確認
  3. 3上司に第一報
  4. 4診断書を出す
  5. 5人事と条件を決める
この記事の内容
  1. 切り出せなくて当然。まず、それを先に言っておく
  2. 休職は法律の制度ではなく、会社のルールで決まる
  3. 切り出す前のチェックリスト
  4. 誰に、どの順で話すか
  5. 文例:上司への第一報(口頭・チャット)
  6. 文例:メールで切り出す
  7. 文例:診断書を出すときの一言
  8. 人事に聞くことのチェックリスト(手順)
  9. 休職中のお金:傷病手当金の計算例
  10. 断られた・渋られたときの動き方
  11. 休職と退職、迷っているときの考え方
  12. 次にやること:今日は「休職」の条文を1か所だけ読む

体の調子や気持ちがしんどくて、休職したいけれど、会社にどう切り出せばいいかわからない人に向けた記事です。 結論から言うと、最初は「相談したいことがある」と時間をもらい、診断書があればそれを添えて、休みたい期間の希望を伝えれば足ります。 上司への第一報の文例、診断書を出すときの文例、人事に聞くことのチェックリスト、断られたときの動き方を順に書きます。

切り出せなくて当然。まず、それを先に言っておく

休職を言い出せないのは、弱いからでも、責任感がないからでもありません。 「迷惑をかける」「評価が下がる」「言ったあとの空気が怖い」と考えるのは、ふつうの反応です。

ここで大事なのは、上手に言うことより、伝わる形で言うことです。 うまく話せなくても、書面(メール・診断書)に頼れば足りる場面が多くあります。長く説明しなくていい。理由を全部話さなくていい。話すのがつらければ、文章だけで始められます。

なお、心身の不調そのものの判断(休んだほうがいいか、いつまで休むか)は、この記事ではしません。そこは医師の領域です。まだ受診していないなら、そこが先です。産業医がいる会社なら、産業医に相談する道もあります。

休職は法律の制度ではなく、会社のルールで決まる

休職は、会社が就業規則などに定めた制度です。労働基準法の全文で「休職」の語を検索しましたが、該当する条文はありませんでした(2026年9月確認)。厚生労働省の労働局あっせん事例集も、休職は「労働協約や就業規則の定めに基づく」ものと説明しています。なお、就業規則を作って労働基準監督署に届け出る義務があるのは、常時10人以上の労働者を使う会社です(労働基準法89条を条文で確認)。10人未満の会社では、休職の定めが文書になっていないこともあります。

つまり、次のことは会社ごとに違います。

会社ごとに違うこと 例
休職できる条件 勤続1年以上、診断書の提出が要る、など
休職できる期間 3か月、6か月、勤続年数で変わる、など
休職中の給料 無給、一部支給、期間で切り替え、など(下の注を参照)
復職の条件 主治医の診断書+会社(産業医)の判断、など
期間が終わっても戻れないとき 自然退職になる、解雇の手続きになる、など

休職中の給料について、厚生労働省の労働局あっせん事例集は「休職期間中の賃金や勤続年数の算定についての取扱いは企業ごと、制度ごとに様々」とした上で、一般的な傾向として、本人の都合または本人の責に帰すべき事由による休職では賃金が支給されないことが多い、としています。傷病休職に入る目安は、業務外の病気による長期欠勤が3か月〜6か月続いたとき、期間が終わっても治らなければ自然退職か解雇になる、とも書かれています(厚生労働省 個別労働紛争「あっせん事例集」[36]傷病休職期間の賃金の支払い。https://www.mhlw.go.jp/churoi/assen/dl/jirei36.pdf 、2026年9月確認。全国の会社の割合を数えた統計ではありません)。

だから、切り出す前に、自分の会社の就業規則で「休職」の欄を読んでおくと、話が早くなります。就業規則は、会社が社員に周知する決まりで、見やすい場所への掲示、備え付け、書面の交付などの方法が定められています(労働基準法106条を条文で確認)。社内のイントラネットか、総務・人事にお願いすれば見られます。

切り出す前のチェックリスト

次の項目を、できるところだけ確かめます。全部そろわなくても、切り出せないわけではありません。

□ 医師に相談した(診断書が出るか、休養の目安が書けるか聞いた) □ 就業規則の「休職」の条文を読んだ(条件・期間・給料・復職の条件) □ 有給休暇の残り日数を確認した □ 加入している健康保険を確認した(会社の健康保険か、国民健康保険か) □ 誰に最初に話すかを決めた(直属の上司か、人事か。次の表を参照) □ 話す日時を決めた(今日中でなくていい。診断書をもらった日か、その翌日でも足りる)

有給の残りがあると「先に使って休めないか」と考える人もいます。有給の扱いは、別の記事(休職中に有給休暇は使えるか)に書きました。

誰に、どの順で話すか

相手 向いている場面 気をつけること
直属の上司 普通はここが最初。業務の引き継ぎが必要だから 上司が原因でつらいときは、飛ばして人事へ行ってよい
人事・総務 上司に話しにくい、上司に相談して動かなかった 人事は制度の窓口。手続きの話が早い
産業医・保健師 会社に医療の窓口がある 健康相談の結果など、面談で分かった心身の状態の情報を会社に伝えるには、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です(厚生労働省「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」で確認。健康相談の結果はこの同意が必要な情報に分類されています。平成30年9月7日公示・令和4年3月31日改正、https://www.mhlw.go.jp/content/000922318.pdf )。何がどこまで伝わるかを、面談の前に産業医に聞いておくと安心です

上司との関係が原因で不調になっているなら、上司に話す必要はありません。最初から人事に話して大丈夫です。

文例:上司への第一報(口頭・チャット)

いきなり「休職します」と言う必要はありません。まず時間をもらうところからで足ります。

お忙しいところすみません。
体調のことで、ご相談したいことがあります。
10分ほどお時間をいただけますでしょうか。
今日か明日、空いている時間があれば教えてください。

会うことになったら、次のように話します。長く説明しなくていい形にしてあります。

最近、体調が思わしくなく、医師に相談しました。
医師からは、しばらく仕事を休んで療養するよう言われています。
診断書は◯日にもらえる予定です。
休職の制度を使わせていただきたいと考えています。
引き継ぎのことは、休職の手続きと並行して、できる範囲で相談させてください。

ポイントは3つです。

  • 理由は短く。「体調が悪く、医師に相談した」で足ります
  • 医師の言葉を出す。自分の判断ではなく、医師の見立てとして話すほうが、相手も受け止めやすい
  • 引き継ぎは「相談させてください」と言う。自分だけで全部背負い込まない

話しているうちにつらくなったら、途中でやめても構いません。「続きはメールで送ります」と言って、席を外せます。

文例:メールで切り出す

口頭がしんどいときは、メールから始められます。書いたものが残るので、あとで「言った・言わない」になりにくい面もあります。

件名:体調不良による休職のご相談

◯◯部長

お疲れさまです。△△です。

体調が思わしくなく、医師に相談したところ、
しばらく休養が必要との判断でした。
つきましては、休職の制度を利用したく、ご相談いたします。

診断書は◯月◯日に受け取れる予定です。
休職の開始希望日は◯月◯日ごろ、
期間は診断書の内容に沿って、と考えております。

引き継ぎが必要な業務は、一覧にまとめます。
ご相談の時間をいただけますと幸いです。

ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
何卒よろしくお願いいたします。

△△

CCに人事を入れるかは、会社の慣習と、上司との関係で決めます。上司に不信感があるなら、人事宛てに同じ内容を送る形でも構いません。

文例:診断書を出すときの一言

診断書が手に入ったら、次のように渡します。

診断書が出ましたので、お渡しします。
医師からは、◯か月の休養が必要との見立てです。
休職に入るための手続きを、教えていただけますでしょうか。

診断書に病名が書かれるかどうかは、医師と相談できるのが一般的です。会社に病名を伝えたくないときは、診察のときに「会社に出す診断書には、病名を書かない形にできるか」と聞いてみてください。対応は医療機関によって違います。

人事に聞くことのチェックリスト(手順)

休職の話がまとまったら、人事に次のことを確認します。聞くのは怖く感じるかもしれませんが、質問は失礼ではありません。

□ 休職できる期間(何か月まで。延長はあるか) □ 休職中の給料(無給か、一部出るか) □ 休職中の社会保険料の払い方(会社に振り込むのか、立て替えなのか) □ 傷病手当金の申請の流れ(会社を通すのか、自分で出すのか) □ 休職中の連絡窓口(誰に、どのくらいの頻度で連絡するか) □ 復職のときの手続き(診断書の種類、面談があるか) □ 休職期間が終わっても戻れないときの扱い

聞いた答えは、メールで送ってもらうか、自分でメモに残して日付を書いておきます。

休職中のお金:傷病手当金の計算例

給料が止まるのが心配な人が多いので、目安を書いておきます。会社の健康保険に入っている人が、病気やけがのために仕事ができず休んだとき、傷病手当金が出る制度があります(健康保険法99条を条文で確認。任意継続の人は対象外と条文にあります)。

仮置きの条件で計算します。

前提 数字
直近12か月の標準報酬月額の平均 30万円
1日あたりの目安 30万円 ÷ 30日 × 3分の2 = 約6,667円
休んだ期間 30日(待期の3日を除いたとして、支給対象を27日と仮置き)
目安の合計 約6,667円 × 27日 = 約18万円

※健康保険法99条を条文で確認した内容です。1日の額は「支給を始める日の属する月以前の直近12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2」、仕事を休んだ日から数えて3日を過ぎた日(4日目)から支給、支給期間は支給を始めた日から通算して1年6か月です。加入期間が12か月に満たないときは、条文に別の計算の定めがあります。円未満の端数は条文の規則で丸められるため、上の計算とは数円ずれることがあります。

給料が一部出るときは、その分が差し引かれます(同法108条を条文で確認。報酬が傷病手当金より少ないときは差額が支給されます)。実際の金額は、加入先の健康保険組合・協会けんぽで確認してください。

国民健康保険の傷病手当金は、法律で決まった給付ではありません。国民健康保険法58条2項により、市町村や国民健康保険組合が条例・規約を定めれば支給できる「任意給付」とされています(厚生労働省保険局「新型コロナウイルス感染症に感染した被用者に対する傷病手当金の支給等について」令和2年3月10日事務連絡、https://www.mhlw.go.jp/content/000607518.pdf の「制度概要」で確認。2026年9月確認)。【各自確認:お住まいの市町村の国保に、病気やけがで休んだときの傷病手当金があるか。市町村の国保窓口で確認】自分の保険がどちらかは、保険証で確認できます。

断られた・渋られたときの動き方

「休職はうちにはない」「診断書が出ても認めない」と言われると、心が折れると思います。そのときは、次の順で考えます。

  1. 就業規則に休職の条文があるか見る。あれば、それが根拠になる
  2. 診断書を提出したことを、書面(メール)に残す。「提出した」という事実が消えないようにする
  3. 人事や、上司の上の人に、書面で相談する
  4. 外部の窓口を使う。各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」は、労働問題の相談を無料で受けている(設置数は厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00235.html で確認。全国378か所〔令和8年4月1日現在〕、労働局・労働基準監督署・駅近隣の建物などにある。無料である旨は奈良労働局の案内「ご利用は無料です」https://jsite.mhlw.go.jp/nara-roudoukyoku/roudoukyoku/kanren_shisetsu/07soudan.html など、各労働局のページで確認。2026年9月確認)。予約の要否は窓口によって案内が異なるため、行く前に電話で確認すると確実です

心身の状態が限界に近いときは、会社とやり合わず、まず医師の指示に従って休むことを優先してください。

休職と退職、迷っているときの考え方

「休職を切り出すのが怖いなら、いっそ辞めたい」と思う人もいます。休職は、戻る前提で休む制度です。退職は、会社との契約を終わらせる手続きです。

休職 退職
目的 休んで、戻ることを目指す 会社との契約を終える
給料 無給が多い。傷病手当金の対象になり得る 退職後は失業保険などの別の制度
戻れるか 復職の条件を満たせば戻れる 戻れない(再就職になる)
期間の限り 就業規則の期間が上限 なし

どちらが正しいか、この記事では判断しません。休職して様子を見てから決める人もいれば、休職を経て退職を選ぶ人もいます。休職中に退職を決めることもできます。

なお、休職の話を切り出すこと自体が負担で、会社と話すのが難しいときは、第三者を通す方法もあります。その場合の選択肢は、退職代行の記事で整理しています。

次にやること:今日は「休職」の条文を1か所だけ読む

全部を今日やる必要はありません。今日やるのは、1つだけです。

自分の会社の就業規則で、「休職」の条文を探して読む。

  • 見つからなければ、見つからなかった事実が、次に人事に聞くときの材料になります
  • 見つかったら、条件・期間・給料の3つだけメモします

医師にまだ相談していないなら、その予約が先です。体の不調は、会社への切り出し方より先に、専門家に見てもらうことを優先してください。

上司に切り出すのは、診断書か、医師の見立てが手元に来てからで遅くありません。

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

この記事に関係する無料の道具(登録不要・その場で使える)
あわせて読みたい