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教育訓練給付金の申請手順

この記事の結論
  • 教育訓練給付金は雇用保険法に基づく制度で、一般・特定一般・専門実践の3種類があり給付率と上限額が異なる(厚生労働省の制度説明による。給付率・上限額の細部は本文の出典欄を参照)
  • 専門実践教育訓練給付金と特定一般教育訓練給付金は、受講開始日より前にジョブ・カードを作成しハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があり、この期限が「おおむね1ヶ月前まで」とされているため、講座を決めたらすぐハローワークに連絡することが重要
  • 一般教育訓練給付金にはこのキャリコン義務はない
  • 自分がどの区分に該当するか、支給要件期間を満たしているかは、必ずハローワークまたは受講予定の講座の窓口で個別に確認する必要がある(数字の細部は制度改正があるため本記事だけで断定しない)
ぜんたいの流れ
  1. 1講座を選ぶ
  2. 2支給要件を確認
  3. 3キャリコン予約
  4. 4受給資格確認
  5. 5受講開始
  6. 6修了後1ヶ月以内申請
この記事の内容
  1. 結論:講座によっては「決めた瞬間」から動く必要がある
  2. 教育訓練給付金には3つの区分がある
  3. なぜ「1ヶ月前まで」なのか
  4. 受講開始1ヶ月前までにやること
  5. 一般教育訓練給付金はキャリコン不要だが確認は必要
  6. 支給要件期間は自分で断定しない
  7. 受講開始から給付金を受け取るまでの流れ
  8. 実体験について、正直に書きます
  9. 次にやること

退職後や転職活動の途中で、資格取得やスキルアップの講座を検討している人向けの記事です。 教育訓練給付金には3つの区分があり、区分によっては受講開始日の14日前までにハローワークで「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、必要書類を提出しておかないと、給付そのものが受けられなくなります(雇用保険法施行規則第百一条の二の十二・第百一条の二の十三)。予約の混雑を考えると実質的には「1ヶ月前」を目安に動き出す必要があるため、この記事では、何を・いつまでにやる必要があるかを整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 講座はもう決めたのに、いつ何をすればいいのか分からないまま日にちだけ過ぎていく
  • 「あとで手続きすればいい」と思っていたら、実は事前の予約が必要だったと知って焦る
  • 自分の講座がどの区分に当たるのか、そもそも対象なのかが分からない

結論:講座によっては「決めた瞬間」から動く必要がある

論点 結論 根拠・理由
すべての講座で事前手続きが必要か いいえ、区分による 専門実践・特定一般教育訓練給付金は「訓練前キャリアコンサルティング」と職務経歴等記録書(通称ジョブ・カード)の提出が必要、一般教育訓練給付金は原則不要(雇用保険法施行規則第百一条の二の七、第百一条の二の十一〜十三)
いつ動き始めるべきか 講座を決めたその日のうちにハローワークへ連絡 法定の提出期限は受講開始日の14日前までだが、キャリコンの予約自体が埋まっていることがあり、期限ギリギリでは間に合わない可能性がある
給付率・上限額はいくらか 区分ごとに異なる(20%〜80%、上限額は10万円〜192万円) 雇用保険法施行規則第百一条の二の七・第百一条の二の八に規定された率・額
誰に確認すればよいか ハローワークまたは受講予定の講座の窓口 制度改正が入りやすく、本記事の情報だけで申請の可否を判断しないでほしいため
ここが要点

この記事の一番の要点は「講座を決めたら、まず区分を確認し、必要ならすぐハローワークに連絡する」ということです。給付率や上限額の細かい数字より先に、この動き出しのタイミングを外さないことが重要です。

教育訓練給付金には3つの区分がある

教育訓練給付金は、雇用保険の被保険者(または被保険者だった人)が、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受けて修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です(雇用保険法第60条の2)。区分は大きく3つに分かれており、区分によって給付率・上限額・事前手続きの有無が異なります(雇用保険法施行規則第百一条の二の七、第百一条の二の八)。

区分 主な対象講座のイメージ 給付率 上限額の目安 事前のキャリコンは必要か
一般教育訓練給付金 資格試験対策、語学、簿記など幅広い講座 受講費用の20% 10万円 原則不要(制度上は任意)
特定一般教育訓練給付金 業務独占資格などキャリアアップ効果の高い講座 受講費用の40%(資格取得+就職で50%) 20万円(資格取得+就職で25万円) 必要
専門実践教育訓練給付金 専門職大学院、看護・介護等の国家資格取得課程など 受講費用の50%(資格取得+就職で70%、賃金上昇要件も満たすと80%) 年間上限40万円・通算120万円(要件を満たすと通算最大192万円) 必要

※給付率・上限額は雇用保険法施行規則第百一条の二の七・第百一条の二の八の規定に基づく(2026年9月時点で条文を確認)。長期の専門実践教育訓練(4年制の管理栄養士養成課程など)は上限額がさらに引き上げられる特例がある。

ここが要点

自分が検討している講座がどの区分に当たるかは、講座の運営元(スクール・学校)か、厚生労働省の「教育訓練給付金講座検索システム」で確認できます(参照: 厚生労働省「教育訓練給付金の講座指定について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku_00001.html )。区分を間違えたまま手続きを進めると、後になって「対象外だった」となりかねません。

なぜ「1ヶ月前まで」なのか

特定一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付金では、受講を始める前に、ハローワークで担当のキャリアコンサルタントによる「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、その結果を職務経歴等記録書(通称ジョブ・カード)にまとめて、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票とあわせて提出する必要があります。この提出の法定期限は、受講を開始する日の14日前までです(雇用保険法施行規則第百一条の二の十二第1項〈特定一般〉、第百一条の二の十三第1項〈専門実践〉)。

この手続きには、次のような理由から実質的にはもう少し早い準備期間が必要になります。

  • キャリアコンサルタントとの面談は予約制で、希望する日時にすぐ入れるとは限らない
  • 職務経歴等記録書の作成には、自分のこれまでの職務経歴や、講座を受ける目的を整理する時間がかかる
  • 受給資格の確認そのものにも、ハローワーク側の処理期間がかかる

このため、法定期限は14日前でも、予約の混雑を見込んで「受講開始のおおむね1ヶ月前まで」には講座決定とハローワークへの連絡を済ませておくよう促す解説が、教育訓練を扱うスクール・講座の案内などで広く見られます。ここで言う「受講開始」は、講座の初回授業日や入学日を指すのが一般的ですが、講座によって基準日の定義が異なる場合があるため、必ず講座の案内とハローワークの両方に確認してください。

受講開始1ヶ月前までにやること

特定一般・専門実践教育訓練給付金を検討している場合、次の順番で動くことになります。

  1. 講座を決め、区分を確認する。 講座の運営元に、教育訓練給付金の対象講座かどうか、対象ならどの区分かを確認します。
  2. 管轄のハローワークに連絡し、訓練前キャリアコンサルティングを予約する。 担当キャリアコンサルタントによる面談を受けます。
  3. 職務経歴等記録書(通称ジョブ・カード)を作成する。 自分でも作成できますが、キャリアコンサルティングの面談の中で一緒に整理していく場合もあります。
  4. 教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票と職務経歴等記録書を、受講開始日の14日前までに管轄公共職業安定所の長に提出する。 ここで初めて、実際に給付金を受けられる見込みがあるかどうかが分かります(雇用保険法施行規則第百一条の二の十二・第百一条の二の十三)。
ここが要点

この4ステップの法定の締め切りは「受講開始日の14日前まで」です。ただし予約の空き状況によっては14日前ちょうどでは間に合わないこともあるため、講座への申込を決めた時点でハローワークに連絡し、実質的には1ヶ月前を目安に動き始めることをおすすめします。

一般教育訓練給付金はキャリコン不要だが確認は必要

一般教育訓練給付金は、専門実践・特定一般に比べて対象講座が幅広く、事前のキャリアコンサルティングも受給資格確認票の事前提出も求められていません(雇用保険法施行規則第百一条の二の十一)。なお、受講開始日前1年以内にキャリアコンサルティングを任意で受けていた場合は、その費用(2万円が上限)も支給対象の経費に含めることができます(同施行規則第百一条の二の六第2号)。ただし、次の点は区分に関わらず共通して確認が必要です。

  • 雇用保険の被保険者期間(支給要件期間)が3年以上あるか。過去に教育訓練給付金を受けたことがある場合は3年以上、初めて受給する場合は暫定措置により一般・特定一般教育訓練は1年以上、専門実践教育訓練は2年以上に緩和されます(雇用保険法第60条の2第1項、同法附則第11条、同法施行規則附則第24条)
  • 離職している場合、離職日(一般被保険者・高年齢被保険者でなくなった日)から受講開始日までの期間が原則1年以内に収まっているか(妊娠・出産・育児・疾病等のやむを得ない理由がある場合は最長20年まで延長できる、雇用保険法施行規則第百一条の二の五第1項)
  • 受講する講座が、実際に教育訓練給付金の指定講座として登録されているか(厚生労働省「教育訓練給付金講座検索システム」で確認可能)

「1ヶ月前の手続きがいらない区分だから何もしなくていい」わけではなく、支給要件を満たしているかどうかの確認だけは、区分に関わらず早めに行っておく必要があります。

支給要件期間は自分で断定しない

教育訓練給付金には、雇用保険の被保険者であった期間(支給要件期間)が一定以上必要という条件があります。条文上の原則は3年以上ですが、初めて教育訓練給付金を受ける場合は暫定措置により一般・特定一般教育訓練は1年以上、専門実践教育訓練は2年以上に緩和されています(雇用保険法第60条の2第1項、同法附則第11条、同法施行規則附則第24条)。ただし、支給要件期間の計算は「同一の事業主のもとで引き続き被保険者だった期間」を基準に、離職・再就職の履歴によって通算されたり除外されたりする細かい規定があるため(同法第60条の2第2項)、自分の場合の年数を本記事の説明だけで断定するのは避けてください。

ここが要点

自分の被保険者期間は、離職票や雇用保険被保険者証、またはハローワークでの照会で確認できます。「たぶん条件を満たしているはず」で講座に申し込む前に、必ずハローワークで自分の支給要件期間を確認してください。この確認だけは、どの区分であっても省略できません。

受講開始から給付金を受け取るまでの流れ

受給資格の確認まで済んだら、講座を受講し、修了後に支給申請を行う流れになります。

段階 やること タイミング
受講前 (特定一般・専門実践のみ)キャリコン受講・職務経歴等記録書と受給資格確認票の提出 受講開始日の14日前まで(法定期限。実質は1ヶ月前を目安に動く)
受講中 講座を受講し、出席状況などの記録を保管しておく 受講期間中
受講後 必要書類(修了証明書、領収書など)を揃えてハローワークに支給申請 一般・特定一般は修了日の翌日から起算して1ヶ月以内(雇用保険法施行規則第百一条の二の十一、第百一条の二の十二第3項)
支給後 指定口座に給付金が振り込まれる 支給決定の日の翌日から起算して7日以内(同施行規則第百一条の二の十四〜十六)

専門実践教育訓練給付金は、受講中に「支給単位期間」(受講開始日から6ヶ月ごとに区切られた期間)ごとに追加の支給申請が必要です(雇用保険法施行規則第百一条の二の十三第4項・第5項)。受講期間が長い講座を検討している場合は、この点もあわせてハローワークに確認しておくと安心です。

実体験について、正直に書きます

私の場合

正直に書きます。私自身は2026年6月末に前職を会社都合で退職し、離職後にハローワークで求職者給付(失業保険)の手続きは行いましたが、教育訓練給付金を利用した経験はありません。そのため、この記事で書いた申請手順は、実際に自分で手続きした実感ではなく、制度として一般に説明されている内容を整理したものです。

ハローワークの窓口自体は、失業保険の手続きで何度か通った経験があり、その際の印象として、窓口ごとに担当者の説明の詳しさに差があると感じたことはあります。教育訓練給付金についても、窓口で聞く内容によって案内の丁寧さが変わる可能性はあると思いますが、これは一般論であり、教育訓練給付金の窓口対応そのものを経験しての感想ではありません。

次にやること

まず、検討している講座がどの区分の教育訓練給付金の対象かを、講座の運営元に確認してください。 特定一般・専門実践に該当する場合は、その日のうちに管轄のハローワークへ連絡し、訓練前キャリアコンサルティングの予約を取ることをおすすめします。区分や支給要件の細かい数字は制度改正が入りやすいため、この記事の内容を鵜呑みにせず、必ずハローワークまたは講座の窓口で最新の情報を確認してください。

退職後で心身の負担が大きく、退職の手続き自体がまだ終わっていない場合は、先にそちらを片付けてから講座の検討に進むほうが、落ち着いて手続きできます。


※本記事は2026年9月時点の一般的な情報整理と、筆者個人の体験に基づくものです。教育訓練給付金の給付率・上限額・支給要件期間・手続き期限などの数字は制度改正が入りやすいため、この記事だけで判断せず、必ずハローワークまたは厚生労働省の公式情報でご確認ください。個別の状況による判断が必要な場合は、ハローワークの窓口にご相談ください。心身の不調がある場合は、医師・産業医にご相談ください。

出典 - 雇用保険法第60条の2(教育訓練給付金)、第60条の5(給付制限)、附則第十一条(支給要件期間の暫定措置) - 雇用保険法施行規則第百一条の二の五〜第百一条の二の十六(支給要件期間・離職から受講開始までの期間制限・給付率・上限額・キャリコンと受給資格確認の手続き・支給申請期限・支給決定後の振込期限) - 厚生労働省「教育訓練給付金の講座指定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku_00001.html (2026年9月確認) - 上記いずれも2026年9月時点の条文・公開情報にもとづく。制度改正が入りやすいため、申請時は必ずハローワークまたは厚生労働省の最新情報で確認してください

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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