失業保険の受給中に結婚したら
- 1婚姻届を提出
- 2新姓の証明書類を用意
- 3持ち物を揃えて来所
- 4窓口で変更届を提出
- 5新しい証を受け取る
この記事の内容
この記事は、失業保険(基本手当)を受給している最中に結婚し、名字や住所が変わった人に向けて書いています。結論を先に言うと、結婚を理由に失業保険が止まることはありません。ただし、受給資格者証などの記載を新しい氏名・住所に変えるための届け出が別途必要です。
- 受給中に結婚して名字が変わったが、失業保険の手続きにどう影響するか分からない
- 受給資格者証の名前が旧姓のままで、次の認定日に持って行っていいのか不安
- 名字だけでなく住所も変わる場合、何を届け出ればいいか分からない
どれかに当てはまるなら、まず何を・どこで届け出るのかを確認してください。
結論:失業保険は続く。ただし変更の届け出が必要
結婚そのものは、失業保険(基本手当)の受給資格に影響しません。受給資格は、一般の離職では離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あること(雇用保険法第13条第1項)、特定理由離職者など一部の場合は離職前1年間に6か月以上あること(同条第2項)で決まり(2026年10月に条文全文で確認)、婚姻は要件に入っていないためです。婚姻届を出しても給付は止まらず、これまでどおり認定日ごとに手続きを続けられます。
一方で、結婚によって名字や住所が変わった場合、受給資格者証に記載されている情報が実際と食い違う状態になります。次の認定日までにこの食い違いをそのままにせず、ハローワークの窓口で変更の届け出をしておく必要があります(hwiroha.com「結婚をするため氏名が変わるのですがどのような手続きをしたら良いですか?」を2026年9月確認。以下同)。
何を届け出るのか|受給資格者氏名・住所変更届
失業保険を受給している人が結婚などで氏名・住所を変更する場合、失業給付の手続きをしているハローワークの窓口で「受給資格者氏名・住所変更届」に必要事項を記入し、提出します。この届出1枚で、氏名と住所の両方をまとめて更新できます。 住所だけが変わった場合、氏名だけが変わった場合のどちらでも、同じ届出を使います(e-Gov電子申請の手続き名も「雇用保険受給資格者氏名・住所変更届」であることを2026年9月確認)。
なお、この届出は受給資格者本人が窓口で行うものです。在職中の従業員が結婚して氏名が変わった場合に会社側が行っていた「雇用保険被保険者氏名変更届」は2020年5月31日に廃止され、資格喪失時にまとめて処理する仕組みに変わったと複数の社会保険労務士事務所が案内しています(厚生労働省の公式ページで廃止そのものを告知する記載は2026年9月時点で見当たらなかったが、廃止直後の2020年6月時点の社労士事務所の解説で日付が一致しています)。これは会社と従業員の間の別の手続きなので、失業保険を受給している最中の届け出とは混同しないようにしてください。
届け出の根拠は雇用保険法施行規則第49条第1項です(法令の全文を2026年9月に確認)。同項は、氏名を変更した場合は「受給資格者氏名変更届」、住所・居所を変更した場合は「受給資格者住所変更届」(いずれも様式第二十号)を、失業の認定日または基本手当の支給日に、運転免許証その他の変更の事実を証明することができる書類および受給資格者証を添えて、管轄公共職業安定所の長に提出しなければならないと定めています。
持ち物チェックリスト
窓口に行く前に、次の項目を1つずつ確かめてください。
- □ 氏名変更後の証明書類(運転免許証、住民票の写し、戸籍謄本・戸籍抄本など、いずれか。運転免許証は雇用保険法施行規則第49条第1項が例示している書類です)
- □ 雇用保険受給資格者証
- □ 雇用保険被保険者証
- □ ハローワーク受付票
- □ 氏名変更後の通帳(振込口座の名義も一緒に変える場合)
- □ 認印
法令(雇用保険法施行規則第49条第1項)が定めているのは、変更の事実を証明する書類(運転免許証など)と受給資格者証の2つです。受給資格通知の交付を受けている人は、受給資格者証の代わりに個人番号カードの提示が求められます。被保険者証・受付票・通帳・認印は、民間の制度解説サイト(hwiroha.com)が窓口の持ち物として挙げているもので、ハローワークの公式資料では確認できていません。届け出る窓口で各自ご確認ください。
このうち、氏名変更後の証明書類が欠けていると、窓口でその場では変更が完了しない可能性があります。婚姻届を出した後、運転免許証の記載を変更するか、住民票や戸籍謄本を取得してから来所すると二度手間になりません。
手続きの流れといつまでに行くか
流れそのものは単純です。窓口で「受給資格者氏名・住所変更届」に記入し、証明書類と受給資格者証を添えて提出します。 提出を受けたハローワークの所長は、受給資格者証に必要な改定をした上で返すものとされています(雇用保険法施行規則第49条第2項。条文全文で確認)。
いつ届け出るかについて、雇用保険法施行規則第49条第1項は「失業の認定日又は支給日に」提出すると定めています(2026年9月、条文の全文で確認)。つまり、次回の認定日(または支給日)に証明書類を持って行けば、その場で提出できる仕組みです。一方、e-Gov電子申請の手続き案内では「氏名又は住所若しくは居所を変更した日から速やかに」提出するよう案内されており(2026年9月確認)、認定日を待たず、氏名・住所が変わった時点で早めに窓口へ行くか、電話で確認しておいたほうが安全です。
振込口座も変えるなら|窓口に確認する文例
結婚を機に振込先の口座名義や口座そのものを変える場合は、氏名・住所変更届とは別に、口座変更の手続きも必要です(本サイト記事「失業保険の振込口座を変えたいとき」を参照)。氏名変更とあわせて確認したいときは、次のような聞き方で用件が伝わります。
お世話になっております。基本手当を受給している◯◯(旧姓:◯◯)と申します。
結婚により氏名と住所が変わったため、受給資格者氏名・住所変更届の手続きをしたいのですが、
振込口座の名義変更もあわせて、次回の認定日(◯月◯日)までに済ませておきたいと考えています。
必要な持ち物と、当日で手続きが終わるかを教えていただけますか。
管轄ハローワークの電話番号は、雇用保険受給資格者証か、離職時に渡された案内に記載されています。窓口に行く前にこの一本を入れておくと、持ち物が足りずに出直す事態を避けられます。
名字が変わっても、金額や給付日数は変わらない
結婚して氏名が変わったこと自体は、基本手当の日額や所定給付日数には影響しません。日額は離職前の賃金日額をもとに(雇用保険法第16条)、所定給付日数は算定基礎期間などの区分によって(一般の離職は同法第22条、会社都合などの特定受給資格者は同法第23条)定まり、氏名や婚姻は計算の要素に入っていないためです(いずれも2026年10月に条文全文で確認)。氏名・住所変更届は、あくまで受給資格者証の記載を実態に合わせるための手続きであり、給付の中身を変えるものではありません。
実体験について、正直に書きます
私自身は2026年に離職して基本手当を受給しましたが、受給期間中に結婚して氏名や住所が変わったことはありません。そのため、この記事の手続き部分は自分の体験ではなく、調査にもとづいて整理した内容です。窓口での実際の所要時間や、証明書類の種類によって扱いに差が出るかどうかは、体験できていない範囲として明記しておきます。
よくある質問
旧姓のままの受給資格者証を、次の認定日に持って行っても大丈夫ですか。 雇用保険法施行規則第49条第1項は、氏名が変わった受給資格者が失業の認定または基本手当の支給を受けようとするときは、認定日または支給日に変更の届出を出すことと定めています。旧姓の証のまま認定日に行く場合は、変更の事実を証明する書類を持参し、その日に届け出てください。事前に届け出る方法や、窓口ごとの扱いは【各自確認:管轄のハローワークに電話で確認してください】。
住所だけが変わり、氏名は変わらない場合も同じ届出でいいですか。 はい。「受給資格者氏名・住所変更届」は氏名・住所どちらか一方だけの変更にも使えます。
代理人が届け出ることはできますか。 可能な場合がありますが、委任状の要否や必要書類はハローワークごとに指定が異なることがあります。【各自確認:委任状の要否・必要書類を、届け出る管轄のハローワーク窓口に事前に電話で確認してください】。
次にやること
婚姻届を提出したら、まず住民票の写しか戸籍謄本を取得し、雇用保険受給資格者証・雇用保険被保険者証・ハローワーク受付票とあわせて、失業給付の手続きをしている管轄のハローワークの窓口へ行ってください。 窓口で「受給資格者氏名・住所変更届」に記入して提出すれば手続きは完了します。振込口座の名義もあわせて変える場合は、通帳(またはキャッシュカード)と認印も忘れずに持って行きましょう。
※本記事は2026年9月時点の情報整理です。届け出の根拠条文(雇用保険法施行規則第49条第1項)と提出タイミングは、条文の全文およびe-Govの公式手続き案内で確認しています。代理人による届け出の必要書類はハローワークごとに異なるため、届け出る窓口へ各自ご確認ください。実際の手続きの可否・必要書類は、管轄のハローワークに直接ご確認ください。心身の不調がある場合は、手続きより先に医師・産業医にご相談ください。
出典(2026年9月確認) - 雇用保険法施行規則第49条第1項(法令全文をローカルで確認。届け出の根拠・提出タイミング・証明書類の例示) - e-Gov電子申請「雇用保険受給資格者氏名・住所変更届」手続き案内(根拠法令・提出期限の案内) https://shinsei.e-gov.go.jp/ - hwiroha.com「Q.結婚をするため氏名が変わるのですがどのような手続きをしたら良いですか?」(窓口での実務上の持ち物の記載) https://www.hwiroha.com/qa/qa038.html - ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(氏名・住所変更に関する記載の有無を確認。該当記載なし) https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html - SmartHR Mag.「【雇用保険】氏名変更届廃止により不要に」、宮内社会保険労務士事務所(2020年6月1日付)(会社側の雇用保険被保険者氏名変更届が2020年5月31日に廃止された経緯。厚生労働省の公式ページでの直接の告知は確認できず) https://mag.smarthr.jp/hr/labor/koyouhoken_shimeihenkou/ - 本サイト記事419(失業保険の振込口座を変えたいとき)