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雇止め(契約更新なし)

ぜんたいの流れ
  1. 1雇止め通知
  2. 2離職票受取
  3. 3ハローワーク申請
  4. 4待期7日
  5. 5給付開始
この記事の内容
  1. 雇止めとは何か。自己都合退職と何が違うか
  2. 雇止めは失業保険で「特定理由離職者」になる
  3. 自己都合と雇止め、給付の違い【比較表】
  4. 計算例:雇止めで受け取れる失業保険はいくらか
  5. 会社が「自己都合」と離職票に書いてきたときの対処法【文例】
  6. 手続きの流れ
  7. 次にやること

契約社員・派遣社員で「契約を更新しません」と言われた人向けの話。結論から言うと、雇止めは失業保険の扱いでは自己都合退職と別枠になる。給付が始まるまでの期間も、もらえる総額も変わってくる。何が違うのかを先に知っておけば、離職票を受け取ったときに損をせずに済む。

雇止めとは何か。自己都合退職と何が違うか

雇止めとは、契約社員やパート・アルバイトなど期間の定めがある雇用契約(有期労働契約)について、会社が契約期間の満了時に更新をしないことを指す。本人から辞めたいと言ったわけではなく、契約の期限が来て、会社側が次の契約を結ばなかった、という状態になる。

ここが自己都合退職との根本的な違いだ。自己都合退職は「本人が辞めたいと言った」ことが起点になるが、雇止めは「本人は続けたかったが、会社が更新しなかった」ことが起点になる。失業保険の制度は、この起点の違いを離職理由として区別している。

雇止めは失業保険で「特定理由離職者」になる

雇用保険では、離職理由によって「一般の離職者(自己都合など)」「特定受給資格者(倒産・解雇など会社都合)」「特定理由離職者」の3つに分かれる。雇止めは、このうち特定理由離職者に該当する(ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」、2026年9月確認)。

ただし条件が1つ付く。雇用保険法第13条3項は「期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかつた場合に限る)」と定めており(全文確認済み)、本人が更新を希望していたことが前提になる。本人から「次は更新しなくていいです」と伝えていた場合は、この条件を満たさないため特定理由離職者には該当しない。

離職票に記載される離職理由コードでも、一般的な自己都合退職(正当な理由のない自己都合、コード40)とは別に、雇止め(契約期間満了・本人希望あり)はコード23に区分される(ハローワークの離職理由コード運用、複数の社会保険労務士事務所・自治体の解説記事で一致、2026年9月確認)。会社が用意した離職票の離職理由欄がどうなっているかは、届いたら必ず確認したほうがいい。

自己都合と雇止め、給付の違い【比較表】

同じ「会社を辞める」でも、失業保険の受け取り方はこれだけ変わる。

項目 自己都合退職 雇止め(特定理由離職者)
給付制限 あり(原則1か月。2025年4月1日以降に離職した場合。同年3月31日以前の離職は原則2か月。過去5年以内に自己都合退職で受給資格決定を2回以上受けていると3か月) なし
受給開始 待期7日+給付制限1か月後 待期7日の翌日から
受給に必要な加入期間 離職前2年間に12か月以上(雇用保険法第13条1項) 離職前1年間に6か月以上でよい(同条2項)
所定給付日数(加入1〜5年・35〜45歳の例) 90日 150日
国保軽減措置 対象外 対象になる(前年の給与所得を30%とみなして保険料を算定。離職理由コードが該当する人が対象)

出典: ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数(2026年9月14日確認、表の数値は同ページのHTMLを直接取得して照合)。雇止め等の特定理由離職者を特定受給資格者と同じ所定給付日数表で扱う措置は、雇用保険法附則第4条により離職日が2027年3月31日までの間の時限措置となっている(全文確認済み)。給付制限は雇用保険法第33条(1か月以上3か月以内で公共職業安定所長が定める期間)、原則1か月への短縮と過去5年2回以上での3か月化は厚生労働省の制度改正ページ(2026年9月確認)による。国保軽減措置はさいたま市・渋谷区など複数自治体の公式ページで内容が一致(2026年9月確認)。

所定給付日数は年齢と雇用保険の加入期間の組み合わせで90日〜330日まで細かく分かれる。上の表は一例で、自分の年齢・加入期間での正確な日数はハローワークで確認したほうがいい。

計算例:雇止めで受け取れる失業保険はいくらか

条件を1つ仮に置いて計算してみる。

  • Aさん、35歳、契約社員
  • 雇用保険の加入期間:3年(「1年以上5年未満」の区分)
  • 退職前6か月の給料の合計:132万円(月22万円×6か月)
  • 契約更新を希望していたが、会社が更新しなかった(雇止め)

1. 賃金日額を出す 132万円 ÷ 180日 = 7,333円(円未満切り捨て)。180で割るのは雇用保険法第17条1項の規定(直近6か月の賃金総額を180で除する)による(全文確認済み)。

2. 基本手当日額を出す 賃金日額に給付率(雇用保険法第16条の規定により賃金水準に応じて50〜80%、目安として中間の60%とする。実際の率と上下限額は同法第18条により毎年8月に改定される)をかける。 7,333円 × 60% = 4,399円(円未満切り捨て)

3. 所定給付日数を当てはめる 35歳・加入3年(1年以上5年未満)・雇止めの場合、特定受給資格者と同じ扱いになる日数表(ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」表、2026年9月確認)では150日。

4. 総受給見込み額 4,399円 × 150日 = 659,850円、しかも待期7日の翌日から支給開始。

これが同じ条件の自己都合退職だったらどうなるか。所定給付日数は90日(自己都合の「1〜5年」区分)、さらに給付制限1か月(2025年4月1日以降に離職した場合)がついた後に支給が始まる。 4,399円 × 90日 = 395,910円

前提や年齢・加入期間が違えば数字は変わるが、雇止めか自己都合かで、もらえる時期も総額も大きく変わるという構造は変わらない。

会社が「自己都合」と離職票に書いてきたときの対処法【文例】

実際にありがちなのが、会社側が離職票の離職理由欄を「自己都合」で処理してくることだ。悪意がなくても、担当者が制度を正しく理解していないだけのケースもある。

離職票が届いたら、まず「離職理由」欄の記載を確認する。もし実態と違って自己都合になっていたら、離職票を持ってハローワークへ行った際に「離職理由に関する異議申立て」ができる。専用の書式(異議申立書)がハローワークの窓口にある。

申立てのときに出す説明の文例:

私は、有期雇用契約の期間満了にあたり、契約の更新を希望する旨を
〇年〇月〇日に上司(〇〇部長)に口頭およびメールで伝えました。
しかし会社から「更新はしない」との回答があり、契約は更新されずに
〇年〇月〇日をもって終了しました。
本人都合による退職ではなく、会社が契約更新に応じなかったことに
よる離職(雇止め)である旨、ご確認いただきたくお願いいたします。

【添付できるもの】
・契約更新を希望した際のメールやメッセージのやり取り
・雇用契約書(更新に関する条項)
・上司とのやり取りの記録

証拠になるのは、更新を希望したことが分かるメールやメッセージ、雇用契約書の更新条項などだ。口約束しか残っていない場合でも、まずはハローワークに事情を話してみるといい。

手続きの流れ

雇止めの場合の実際の流れは次の通り。

  1. 会社から離職票を受け取る(雇止めの場合、離職理由欄の記載を必ず確認する)
  2. ハローワークで求職の申込みと受給資格の決定を受ける
  3. 待期期間7日間(この間は誰でも給付なし。特定理由離職者でもここは共通)
  4. 待期明けの翌日から基本手当の支給対象になる(自己都合のような給付制限の上乗せがない)
  5. 雇用保険説明会・失業認定日を経て、指定口座に振り込まれる

離職票が届くタイミングは会社によって差がある。運営者本人が会社都合で退職したケースでは、退職日から3日後には離職票が届いた。マイナンバーと雇用保険の情報が紐づいていたことが早かった理由で、特に催促はしていない。ただしこれは会社都合退職かつマイナンバー連携が済んでいた場合の一例で、自己都合退職や連携が済んでいない場合はもっと時間がかかることもある。届くのが遅いと感じたら会社の担当部署に催促してよい。

次にやること

離職票が届いたら、まず離職理由欄が「契約期間満了・本人希望あり(更新なし)」になっているかを確認する。もし自己都合として処理されていたら、そのままハローワークに行かず、この記事の文例を参考に異議申立ての準備(更新を希望した証拠集め)をしてから窓口へ向かうこと。

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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