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退職した年の確定申告

ぜんたいの流れ
  1. 1源泉徴収票を用意
  2. 2必要書類をそろえる
  3. 3作成コーナーで入力
  4. 4マイナンバーカードで送信
  5. 5還付金を受け取る
この記事の内容
  1. なぜ退職した年は税金が戻ってくることが多いのか
  2. 確定申告が必要な人・した方が得な人
  3. 確定申告に必要なもの・チェックリスト
  4. e-Taxでの申告手順
  5. 計算例:年収400万円・9月末退職・再就職なしの場合
  6. 退職金をもらった人の注意点
  7. 源泉徴収票が届かないときの請求文例
  8. 確定申告をすると住民税はどうなるか
  9. 次にやること

退職した年に年末調整を受けていないと、給与から天引きされていた所得税を払いすぎたままになっていることが多い。この記事は、退職後に年内再就職していない人が確定申告で税金を取り戻せる条件と、e-Taxでの申告手順を順番に説明する。書類の集め方から還付金を受け取るところまで、初めてでも迷わないところまで落とし込む。

なぜ退職した年は税金が戻ってくることが多いのか

毎月の給与から天引きされる所得税(源泉徴収)は、「その給与が1年間続く」前提で概算計算されている(所得税法183条・190条)。年の途中で退職し、年末まで再就職しなかった場合、実際の年収は源泉徴収の計算より少なくなるのに、天引きはそのまま高い水準で終わっている。

この差額を精算する手続きが年末調整だが、年末調整は12月31日時点で在籍している人が対象で、中途退職者は基本的に対象外になる(国税庁タックスアンサー No.1910)。だから自分で確定申告をして、払いすぎた分を取り戻す必要がある、というのがこの仕組み。

確定申告が必要な人・した方が得な人

状況 確定申告 理由
退職後、年内に再就職していない した方が得(義務ではない) 源泉徴収が払いすぎになっている可能性が高い(所得税法121条・122条)
退職後、同じ年内に再就職して年末調整を受けた 原則不要 新しい勤務先の年末調整で精算済み
給与以外の所得(副業・フリーランス等)が20万円を超える 必要 所得税法121条の確定申告不要の対象から外れるため
退職金を受け取り、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出済み 原則不要 会社側の源泉徴収だけで課税が完結する(分離課税)
退職金を受け取ったが上記申告書を提出していない した方が得 一律20.42%が源泉徴収されており(国税庁タックスアンサーNo.2732)、申告で精算すると還付されることがある。実際に還付になるかは、退職所得控除額(勤続年数によって変わる)と本来の税額との差で人ごとに変わる

確定申告に必要なもの・チェックリスト

□ 退職した会社が発行する「源泉徴収票」(退職後1か月以内に発行される決まり。届いていなければ会社に請求できる。所得税法226条) □ マイナンバーカード(e-Taxのログインに使う。無い場合は税務署でID・パスワードを発行してもらう方式でも申告できる) □ 本人名義の銀行口座情報(還付金の振込先) □ 退職後に自分で支払った国民健康保険・国民年金保険料の控除証明書 □ 生命保険料・地震保険料の控除証明書 □ 退職後にかかった医療費の領収書(支払った医療費から保険金等を差し引いた額が年間10万円を超えると医療費控除の対象になる場合がある。総所得金額等が200万円未満の人は基準が下がる。国税庁タックスアンサーNo.1120) □ 退職金を受け取っていれば「退職所得の源泉徴収票」

e-Taxでの申告手順

  1. 源泉徴収票を用意する 退職した会社が発行した源泉徴収票に書かれている「支払金額」「源泉徴収税額」などの数字を、この後の入力でそのまま使う。
  2. 必要書類をそろえる 上のチェックリストの控除証明書を手元に集める。マイナポータルと連携している証明書(ふるさと納税の寄附金受領証明書・医療費通知情報・生命保険料控除証明書など)は自動で取り込める場合がある。
  3. 国税庁「確定申告書等作成コーナー」で入力する ブラウザまたはスマホから「所得税の確定申告」を選び、源泉徴収票の数字と控除証明書の内容を画面の指示どおりに入力していく。退職金を受け取っている場合は「退職所得の源泉徴収票」の内容も別欄に入力する。
  4. マイナンバーカードで送信する マイナンバーカード方式なら、スマホのマイナポータルアプリを開き、「e-Tax」または「確定申告書等作成コーナー」から進む。スマホの背面にマイナンバーカードをかざしてNFCで読み取り、利用者証明用電子証明書のパスワード(4桁)を入力すればログインでき、そのまま送信まで進められる。パソコンで申告する場合はICカードリーダーが必要になる。
  5. 還付金を受け取る 送信後、入力した口座に還付金が振り込まれる。国税庁によると、e-Taxで提出した場合の還付処理の目安は申告からおよそ3週間、税務署窓口や郵送などの書面提出の場合は1か月〜1か月半程度(訂正申告や書類不備があると、この目安からは外れる)。

計算例:年収400万円・9月末退職・再就職なしの場合

前提を1つ仮置きして、流れだけ示す。額面給与が月33万円(年収換算で約400万円)、9月末で退職し、年内は再就職しなかった人のケース。

  • 源泉徴収票に書かれている「源泉徴収税額」が、1月から9月までの給与から天引きされた所得税の合計になる
  • 確定申告では、給与所得控除・基礎控除・社会保険料控除(退職後に自分で払った国民健康保険料・国民年金保険料を含む)などを、年間の所得をもとに計算し直す
  • 天引き済みの税額のほうが、年間所得をもとに計算し直した本来の税額より多ければ、その差額が還付される
  • 実際の還付額は人ごとの控除内容によって変わるため、ここでは金額は出さない。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」に源泉徴収票の数字と控除証明書の内容を入力すれば、還付額(または納付額)は自動で計算される

退職金をもらった人の注意点

退職時に会社へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、退職金は分離課税として会社側の源泉徴収だけで課税が完結し、原則として確定申告は不要になる。

一方、この申告書を提出していない場合は、退職金の額に関わらず一律20.42%の所得税が源泉徴収される。実際の税額(退職所得控除を差し引いた後の金額に対する税額)がこれより少なければ、確定申告をすることで差額が還付される可能性がある。金額は退職所得控除額(勤続年数によって変わる)との差で人ごとに異なるため、自分のケースで還付になるかどうかは、源泉徴収票の数字をもとに作成コーナーで試算するのが確実。

源泉徴収票が届かないときの請求文例

退職後1か月を過ぎても源泉徴収票が届かない場合、会社には発行義務がある(所得税法226条)。電話で言い出しにくい場合は、メールで次のように送ってよい。

件名: 源泉徴収票の発行について

○○部 ○○様

お世話になっております。○月○日付で退職いたしました○○です。

確定申告のため、源泉徴収票が必要となっております。
まだお手元に届いておりませんので、
発行状況のご確認と、可能であれば郵送をお願いできますでしょうか。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

○○(氏名)

確定申告をすると住民税はどうなるか

所得税の確定申告をすると、その内容は自治体に共有され、住民税の計算にも反映される。住民税は所得税と違って還付ではなく、退職した翌年に納付書(または特別徴収の通知)が届く形で精算される。確定申告をしていなくても住民税の通知自体は届くが、確定申告で控除を正しく反映させておけば、住民税額もその分下がる。

次にやること

まず、退職した会社から届いている「源泉徴収票」を手元に用意する。届いていない場合は、退職後1か月を過ぎても発行されないときに会社へ請求できる(所得税法226条)。それがそろえば、還付申告は退職した年の翌年1月1日から5年間いつでも提出できるので、通常の確定申告期間(2月16日〜3月15日)を待たずに、国税庁「確定申告書等作成コーナー」で入力を始めてよい。

当サイト運営者

退職届を受け取る側に長くいて、そのあと自分が出す側になりました

人を採用し、辞めていく人を見送る立場に長くいました。退職代行から電話を受けたこともあります。そして自分が辞める番になり、失業保険の申請・ハローワークでの手続き・健康保険の切り替え・住民税の直接納付・保育園の継続手続きまで、すべて自分で通りました。両側を見た人間が書いています。「代行を使ったら会社はどう思うのか」に答えられるのは、受け取ったことがあるからです。

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